ムーンエンド・キャンペーン第ニ部 第14章 【デマヴァント到着】

 

DM 「ほい、それでは、はじめましょうか〜。 いよいよ第二部最終セッションの前編である14章だ。」
エフェ 「15章で完結なのよね? いよいよクライマックスって事ね。」
DM 「そう言うこと。 シャスターを出発してからここまでの5ヶ月の間には様々な困難や試練があったものの、遂に君達は目的地であるデマヴァントマウンテンの近くまで到達したというわけだ。 もっとも、まだ砂漠の中を歩いているんだけどね。」
イーグル 「砂漠は未だに歩きなれないな。 で、デマヴァントには何があるんだっけ?」
ルイ 「たしか、”キャリスタンの炎”とやらを探すために来たんですよ。 もっともそれがどんなもので、デマヴァントのどこにあるのかはまったくもって謎ですがね。」
フェイグランス 「まぁ、何とかなるよ。 ちょっと前のシナリオではタレスティウスが色々と知っていたみたいだからね。」
ルイ 「ええ、しかも我々を待っている風でしたね。」
イーグル 「すると、ひたすらデマヴァント目指して歩けばいいわけだ。」
DM 「そう言うことになるね。」
エフェ 「前回のシナリオから、何日か経ってるの?」
DM 「数日経っているよ。 日付にして12月21日。 また、君達は砂漠を救った英雄ということで”砂漠の英雄”を示す言葉で『アーリマン』と呼ばれるようになっている。 シオンをはじめ、砂漠の人たちはいつでも君達に協力してくれるそうだ。」
ルイ 「助かります。 味方は多い方がいいですから。」
エフェ 「そうね。 砂漠の部族の間でも結構意見の対立があったようだけど、それでおかしくなったりはしていないのよね?」
DM 「シオンやアイリーンが”影の民”の復活を予測して早めに動いていた事が評価されたり、戦いに勝った事で鳳凰の部族に対する他の部族の態度も大分良くなっている。 元々対立していた蛇の部族とはまだギクシャクしているけれど、こちらの方は時間が解決してくれるだろう。」
エフェ 「そうね。 シオンさんに期待♪」
ジョン 「そいじゃ、行こうぜ!」
イーグル 「おう!」
DM 「はーい。 君達は幾重にも広がる小高い砂丘を越え、デマヴァントを目指す。 砂漠には大分なれたとはいえ、砂に足をとられ、太陽はこれでもかとばかりに照りつけ、砂を含んだ熱風が吹き付けるこの環境は相変わらずキツイものがある。」
フェイグランス 「キャラックで体を覆うようにして進もう。 暑さもそうだけど、日差しにやられるのが怖い。」
エフェ 「UVケア商品なんて、この世界には無いでしょうからね。」
イーグル 「UVって何の略なんだろうな?」
ルイ 「紫外線の英語表記のウルトラ・ヴァイオレットですよ。」
エフェ 「うそっぽーい(笑)。」
ルイ 「本当ですよぅ(笑)。」
フェイグランス 「普段の行いが悪いと、信じてもらえないようだね。」
ルイ 「いや、全く。 あなたが進む方向を誰も信じないのと一緒ですよね。」
フェイグランス 「ははは、これは手厳しい。 ルイさん。」
ルイ 「なーに、これでもソフトに言ったつもりですよ。 ふふふ。」
イーグル 「そして、さっきから全然進んでいないわけだが(笑)。」
ジョン 「そうだ、進むんだ! 砂をかき分け、風に耐えて進むんだ!」
DM 「進行ありがとう(笑)。 今日の風はいつに増して酷い。 やがて体を動かすとキャラックやターバン等から砂がこぼれ落ちるほど、砂まみれになっている。」
ジョン 「もう、山は見える?」
DM 「砂丘の上に上ると、お椀をひっくり返したような形のデマヴァント山がはっきりと見えるよ。」
フェイグランス 「たしか、メロディー君の話だとあの麓には以前、大きな町があったはずだ。」
エフェ 「そうだったわね。 今は廃墟になっているようだけど。」
ルイ 「山に登る道があったのだとしたら、当然その町から伸びるように造られているでしょうから、そこを通る可能性はあります。」
DM 「そう。 都の名前はカナンという。 昔の隊商は危険な砂漠地帯を越えてその都までやってきていたわけだ。」
ルイ 「それほどに魅力的な町だったと言うことになりますね。」
DM 「そういうこと。 なんといっても、その人口は数万に達するという、この世界では破格の規模の都だったんだからね。」
ルイ 「数万ですか…それは凄いです。」
DM 「もっとも、デマヴァントの噴火で滅んでからはカナンを訪れる人と言えば、財宝目当ての盗賊くらいだけどね。」
イーグル 「一応、警戒しておいた方がよさそうだ。」
ルイ 「確か、噴火のせいで一瞬で滅んだんでしたよね…と、すると…。」
ジョン 「すると?」
ルイ 「いえ、なんでも。」
エフェ 「変わらないわね〜。 言っちゃえばいいのに。」
ルイ 「言ってもどうせ回避できないことで不吉なことならば、言わない方が楽しく旅ができます。」
フェイグランス 「たとえば、自分が死んだことに気づかない人がウヨウヨいるとか?」
ルイ 「あ、折角言わずに済ませたのに〜(笑)。」
エフェ 「あー、そう考えると、イヤな気分(笑)。」
ルイ 「そら、ごらんなさい。」
フェイグランス 「そっか、ゴメン。」
DM 「そんなこんなで日が暮れて、明けて、12月22日の朝。 皆が出発の準備を整えた頃、巨大な何者かの影が君達を覆った。」
フェイグランス 「あ、ワイヴァーンだね。 きっと。」
DM 「そう。 ぱっとみて、ジルワンとタルシスが乗っているのが見て取れる。 そのジルワンが君達の前に身軽に降り立つ。 タルシスとワイヴァーンはそのまま東に飛び去ってしまう。」
フェイグランス 「やぁ、ジルタン。」
ジルワン 「ジルワンだ。」
ジョン 「どうやら無事だったみたいじゃないか。」
ジルワン 「まぁな。 それよりもお前達の悪運の強さの方こそ呆れさせられる。」
DM 「ジルワンは鋼の義手をカシャカシャとならしながら、一歩、また一歩と君達の方へ近寄ってくる。」
ジョン 「一人で俺たちとやるつもりか? やる気満々だな。」
ジルワン 「(ジョンの言葉を無視して)これは、イリスとか言う憎たらしい美男子から聞いたんだが…お前達は”夜明けの剣・イシュナード”を手に入れたそうじゃないか。」
イーグル 「あっ、あの男も余計な事を…。」
ジョン 「”夜明けの剣”は、実は斧だったんだぜ! 驚いただろう。」
ルイ 「ウソいけませんよ、ウソは。」
ジルワン 「そりゃ、剣だろうな。」
ジョン 「裏切り者〜!」
エフェ 「で、あなたはわざわざそれを確認しに来たわけ?」
ジルワン 「まさか。 そんなことでわざわざ来るほど暇じゃないさ。 今日はちょっと実験をさせて貰おうと思ってなぁ。」
ジョン 「実験だと?」
ジルワン 「そう。 こいつさ。(パチン、と指を鳴らすとどこからともなく完全武装の戦士達が現れる。)」
ルイ 「完全武装の戦士ですか。 実験が必要なあたりとか、現れ方とか、扱いが人間っぽくないですね。 顔は見えないんですか?」
DM 「顔を完全に隠すタイプの兜をかぶっているせいで、その顔はうかがい知ることはできない。 そしてイーグルをのぞく君達には、この戦士に見覚えがある。 かつてマスターやガゼリア、ジャレス達と共に君達と闘った”ミラーナイト”にそっくりなんだ。」
ジョン 「でも、ミラーナイトは倒したはず。 こいつはニセモノ…複製品か?」
ジルワン 「よく分かるじゃないか。 これは遺伝子工学が…あー、なんかして、くそっ、なんだっけな。 (懐から羊皮紙を取り出して)クローン体と変異体の研究をした上で…ん?なんて書いてあるんだ?これ。」
ルイ 「ちょっと、興味深い話なんですから、キチンと話して下さいよ。」
ジルワン 「うるさい、結構難しいんだよ。」
エフェ 「敵も色々大変ねー(笑)。」
ジルワン 「とにかく、こいつらがお前達にどれほど通用するか、試させて貰うぞ。 さぁ、かかれ!(5体が一斉に動き出す。)」
イーグル 「仕方ない、闘うか。」
エフェ 「ジルワンも参加するの?」
DM 「いや、ジルワンは君達から離れた砂丘の上から戦いを見物するつもりらしい。」
ルイ 「あくまで、実験ということですねー。」
 
ミラーナイト・クローン5体と戦闘になる。
ジョンとフェイグランスが2体ずつ、イーグルが1体を引き受け、ルイとエフェが後方から援護。
 
ルイ 「さてと、それじゃあこっちも実験させて頂きますよ。 相手の武器に”ヒートメタル(金属を加熱する呪文)”を唱えます。 これで相手が生身の体であれば、熱さで武器を落とす筈。」
DM 「確かに魔法がかかった感触はあったものの、敵は熱さに気づいていない様子。」
ルイ 「と、言うことは人間ではありませんね。 おそらく。」
ジョン 「なら、遠慮無くー!」
エフェ 「ジョンを巻き込んで、ファイヤーボール!」
ジョン 「おいおい。」
エフェ 「いいじゃない。 こっちは1人だけ、相手は2人にダメージよ? ともかく、38ポイントね。」
ジョン 「本気で撃ったのかよ。 まぁこっちはまだまだ大丈夫だけど。」
DM 「いや、ジョンと対峙している敵の片方が”スペルターニングリング(呪文反射のリング)”を持っていたので、エフェを中心にマリュータ、ルイに跳ね返る。」
エフェ 「うわーん!」
ルイ 「あちちちち。 スペルターニングとは敵もやるものです。」
ジョン 「ちょっと、助かった気分(笑)。」
 
完全武装のミラーナイト・クローンは防御力が高く、苦戦を強いられるものの、5ラウンド後には一行が勝利する。
  
イーグル 「結構ダメージを喰らったな。」
ルイ 「これで試作品なのですから、油断なりませんね。 まぁ、私のダメージの殆どはエフェのファイヤーボールでしたが。」
エフェ 「ご、ゴメン(笑)。」
ジョン 「さぁ、ジルワン、次はお前だぞ!」
DM 「ジョンが砂丘の上を見上げた時、既にジルワンはその姿を消している。 そして突然風が吹き荒れ、砂が舞い上がり、極端に視界が悪くなった。」
ジョン 「これも、奴の仕業か?」
ジルワン 「(砂嵐の向こうから、声だけが響く)今の実験で得たデータは、せいぜい活用させて貰うぞ。」
ルイ 「なるほど、AI搭載というわけですか。」
DM 「さて、風は一向に止む様子見せないどころか、どんどん酷くなっていく。 やがて立っているのすらつらい状態になるよ。」
エフェ 「キャラックをかぶって、伏せるわ。」
フェイグランス 「おなじーく。 皆同じだよね。」
ルイ 「ええ。」
DM 「キャラックの厚い布地に、ものすごい勢いで砂がぶつかり、はじけ、積もっていく。 こんな状態が3時間経ってもおさまらず、君達の疲労も蓄積されてゆく。」
ルイ 「とても魔法の効果とは思えませんが…ここは無駄に動いても体力を使うだけでしょう。」
イーグル 「そうだな。 皆一カ所に集まろう。 少しはマシになるかもしれない。」
 
風はその後も吹き荒れ…
 
DM 「かなりの時間が経過したと思われる頃、漸く風が吹き止み、君達は砂の中から身を起こす。」
フェイグランス 「やれやれ、ジャリジャリだ。」
エフェ 「お風呂に入りたいわねー。」
ルイ 「なんなら、水でもつくって差し上げましょうか?」
エフェ 「便利ねー。 じゃ、喉も渇いているでしょうから、飲む分だけでもお願い。」
ルイ 「分かりました。」
DM 「エフェの言うとおり、相当喉は渇いているよ。 疲労の蓄積もかなりのものだね。 そして吹き荒れた風の影響で、周囲の砂丘の形まで変化しているように見える。」
ルイ 「デマヴァント山の位置は変わりませんよね?」
DM 「うん。」
ジョン 「じゃあ、いくかー。」
ルイ 「そうですね。 こんな砂漠、早く抜けちゃいたいです。」
DM 「では、再びデマヴァントに向けて出発だね。 砂丘をいくつか越えた時、目の前に白骨化した死体が転がっている。 かなり古いものではあるものの、着ている衣服から男性のものであること位は分かるよ。 手には鉄製の箱の様なものを持っている。」
ルイ 「ぬぅ、砂漠で亡くなった人のものでしょうか。 とりあえずはお祈りを。」
イーグル 「同じく。 で、ちょっと箱を見せてもらおーかな♪(笑)」
フェイグランス 「やっぱり、気になるよね。 あけちゃおう。」
DM 「箱は簡素な作りではあるが、しっかりとしたものだ。 もっとも、長い間砂漠の中に置かれていたので、大分痛んでいるけどね。 中には日記のようなものが入っている。」
エフェ 「日記ね。 読めそう?」
DM 「箱の中にあったとはいえ、すっかりボロボロになっているよ。 但し、後半の部分だけは共通語で書かれた文章がかろうじて読みとれる。」
エフェ 「それじゃ、紙が崩れないように、慎重に読み上げ。」
DM 「行くよ〜。」
  
 今日は何日なんだろう。
私はヤーンより滅びのことを聞かされたというのに、何もできなかった。
私はもうすぐ死ぬような気がする。
カナンと、そこに住む人々は滅ぶさだめを与えられた。
私もそれから逃げることはできないのだ。
人々に信託のことを教えたのに、誰も信じなかった。 そう。 誰一人として。
そこで私は逃げた。 全てを見捨てて。
 
 3日前、聖なるデマヴァントが噴火した。
上の方が完全に吹き飛ぶのが見えた。
マグマが吹き出し、赤光を放ちながら流れていった。
火山灰が空を覆い、陽の光を隠した。
今は昼なのだろうか。 それとも夜なのだろうか。
寒い。 寒すぎる。
 
 私は死を恐れてはいない。 それは運命なのだろうから。
ただ一つ、気がかりなのは病で亡くした娘の形見であるペンダントをなくしてしまったことだ。
全てが収まったら、あの子の墓に返してやるつもりだったのに。
 
エフェ 「なんだか、気の毒ね。」
ジョン 「結局、この人もここで死んじゃったんだもんな。」
 
3日後
 
DM 「26日の夕方頃、涼しい時間帯を旅している。 あと4日ほどで年が変わるよ。」
ルイ 「こんなところで年越しですか。 風情がないですねー。」
エフェ 「美味しいものでも食べて過ごしたかったわよね。」
DM 「そんなことを言いながら歩いていると、前方の人は足元の砂が動いていることに気づく。」
フェイグランス 「もしかして、流砂?!」
DM 「サラサラと細かい音が聞こえ、足元に流れの強い川を渡るような感覚をうける。 いつの間にか周囲の砂が赤や青、紫、黒等々の色が付いたものに変わっている。」
ルイ 「これは、奇妙な。」
ジョン 「剣を抜いて身構えるぞ。 敵かもしれない。」
エフェ 「私は”レビテート・リング(空中浮揚のリング)”で浮かせて貰うわね。」
DM 「レビテートか。 上空から見るとね、赤い砂、緑の砂、青の砂が集まり、兵士の姿をとった。」
ジョン 「不思議な光景だ。 で、襲ってくるわけ?」
DM 「そう言うこと。 さて、どれと戦うかね?」
 
一行には知らされていないものの、赤は魔法が効かず、青は+2以上の魔法の武器しか効かず、緑は攻撃力が高いという特性を持っている。
 
ジョン 「前衛は一体ずつ相手するように散らばろう。」
イーグル 「分かった。」
フェイグランス 「がってん。」
ジョン 「てことで、青に向かう。」
イーグル 「じゃあ、俺は赤にするか。」
フェイグランス 「だと、俺が緑ね。」
DM 「イニシアチブは2ね。」
エフェ 「じゃ、こっちからね。 まずシールドをかけるわ。」
ルイ 「青相手にスリングを撃ちます。 命中ですが?」
DM 「スリングの弾は、青い砂の体に食い込むように消えてゆき、ダメージになっているようには見えない。」
ルイ 「ほほぅ。」
 
砂の兵士達は、同じく砂でできた武器で一行にダメージを与えるが、2ラウンド目には緑が倒される。
 
フェイグランス 「よっしゃ。」
DM 「このラウンドの最後に、君達の背後、つまりルイのうしろに白い砂が集まり、蛇の形を取る。」
ジョン 「おー。 ルイのスティック・トゥ・スネークか。 凄いな。」
ルイ 「ふふふ、凄いでしょう。」
DM 「ぼんやり立っていると、噛まれそうだよ?(笑)」
ルイ 「あわわっ、(ジョンに)そんなわけないじゃないですか! さっさとたおしてくださーい。」
エフェ 「私にお任せ〜♪」
 
次のラウンド
 
ルイ 「うぉぉっ、急いで蛇から離れますよ!」
フェイグランス 「そんなに蛇が怖いの?」
ルイ 「蛇なんて怖くないですよ。 怖いのは…」
エフェ 「ファイヤー・ボール!! 蛇を中心に40ポイント!」
フェイグランス 「なるほど(笑)。」
 
白い蛇はアーマークラスが低い(攻撃が当たりにくい)特性を持っていたが、主にエフェの魔法で攻撃されたため、その真価を発揮することなく倒される。
 
ジョン 「赤にスマッシュ! 19ポイントだ!」
DM 「ありゃりゃ、それで最後に残っていた赤も倒れたなぁ。 戦闘が終わると、砂の色が消えて元の砂に戻っていく。」
エフェ 「何だったのかしら。」
ジョン 「さぁ。 これから行く廃墟の番人…かな?」
 
3日後、砂がだんだんと少なくなり、徐々に岩場になってくる。
 
ルイ 「岩砂漠ですかねぇ。」
DM 「このあたりには黒くて気泡を含んだような岩が沢山転がっているよ。 背丈ほどもある岩もあちこちに見られる。」
エフェ 「なるほど、溶岩ね。」
DM 「そうそう、デマヴァントは近い。」
イーグル 「デマヴァントかー。 タレスティウスを探すのはいいとして、山のどのあたりにいるんだろうなー。」
エフェ 「パターンから言えば、頂上かしら? もし何もなくても、上から見おろせば何か見えるかもしれないんじゃない?」
イーグル 「そうだな。」
フェイグランス 「このクソ暑い中を、山登りかー。」
イーグル 「高いところに行けば、案外涼しいかもしれないぞ。」
フェイグランス 「なるほど、頑張るよ。 じゃ、涼を求めにしゅっぱーつ!」
イーグル 「ちょっと、目的が違うけどな(笑)。」
DM 「ほい。 広々とした砂漠にいた反動か、周りを岩に囲まれていると狭い小部屋にいるかのような感覚を覚える。 そのうちにチラホラと地面から突き出た石の柱や、何かにつぶされたような石材が見られるようになってくるよ。」
フェイグランス 「ここが、例の都だった所かな?」
マリュータ 「そうかもしれんな。」
ルイ 「カナンの都ですか。」
イーグル 「今はすっかり廃墟なんだな〜。 噴火で人も沢山死んだだろうから、祈りくらいあげておくか。」
DM 「(ダイスを振って)突如そのイーグルの背後に、がれきの影から人が現れてダガーの刃を突きつける。」
イーグル 「な、なにー?!」
「この、トルス様のなわばりに侵入するとは、いい度胸だ。 どうせお前達もお宝が目当てなんだろう?」
ルイ 「(地面をさわりながら)少し掘れば、昔の建物も埋まっているかも知れませんね。 もっとも溶岩を掘るのは骨が折れそうですが、当時の建築や芸術の研究には役に立ちそうです。」
フェイグランス 「ルイ、イーグルがピンチなんだ。 気づいてやれよ。(笑)」
ルイ 「なんですか、私は重要な調査をしているのです。」
エフェ 「そのトルスって人は盗賊なの?」
DM 「ショートソードとダガーで武装し、レザーアーマーを着用している。 身長は160cmくらいだけど、動きに無駄が無いところをみると、そのようだね。」
ジョン 「俺たちは、ここを通り過ぎたいだけなんだけどな。」
トルス 「だったら、通行料を払って貰おうか。 一人100GPだ。」
ジョン 「高いなぁ。」
フェイグランス 「ほら、ルイもだしただした。」
ルイ 「(ようやく顔を上げて)あら、イーグルどうしちゃったんです?」
イーグル 「恥ずかしながら人質だ。」
ジョン 「で、通行料として100GP払えってさ。」
ルイ 「それは、仕方ないですねぇ。」
エフェ 「うん、まずは全員払お。」
トルス 「(金を受け取って)よーし、じゃあ次はこの男の身代金を払って貰おうか。 1000GPくらいか。」


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