ムーンエンド・キャンペーン第ニ部 第13章 【鳳凰−熱砂の世界3−】

 

DM 「はーい、では前回の続きを始めますよん。」
イーグル 「前回ってどこまでやったんだっけ?」
DM 「んーと、影の風地帯に行って”秘宝”を手に入れて、シオンやアイリーンを救出して、オルシャンの町に戻る途中でセレニカが仕掛けたトラップにかかり、ジョンが連れ去られてフェイグランスが瀕死。 他のメンバーも地下の部屋に閉じ込められてしまったところから。」
ジョン 「そうだった。 刺されたり拳を潰されたりして散々だったんだよ。」
DM 「今回のスタート時点ではジョンがいないから、君はマリュータでもやっていてくれ。」
マリュータ(ジョン) 「わかった。 マリュータって口癖とかあったっけ?」
エフェ 「強いて言えば、無口なのが口癖かしら。」
マリュータ 「全然話さないのはアレだなー。 せめてマリュータっぽく話してみるかだぜ。」
イーグル 「『だぜ』がつくのか(笑)。」
マリュータ 「そうだぜ。 これでちょっとマリュータっぽいんだぜ。」
エフェ 「そうかなぁ(笑)。」
DM 「まぁ、何はともあれ地下に閉じ込められた人達は脱出の方法でも考えて下さいな。」
エフェ 「脱出と言われても〜。 んー、この部屋の造りでも眺めてみましょうか。 前回は急いで駆け込んだところで終りだったもんね。」
ルイ 「そうでしたね。」
DM 「まず、この部屋は明らかに人の手によって作られたということが分かる。 天井や床には石が敷き詰められており、壁には1体だけだが彫像の様なものが置かれている。 部屋の周囲は柱でしっかりと固定されていてね、このおかげで崩落を免れたものと思われるよ。」
ルイ 「彫像ですか。 私達が知っている神様だったりします?」
DM 「いや、この特徴に合う神の像はルイの記憶にはない。 もっとも経年による劣化が見られるので、多少怪しい部分もあるけど。 像の足元には金で出来ていると思われるコインが一枚落ちているよ。 このコインも大分汚れが付着している。」
ルイ 「しかし、金貨ならば錆が浮いたりすることもないでしょうからね。 表面の汚れを布で拭き取ってみますよ。」
DM 「金貨は所々擦り減っているものの、その刻印などからハーディアル王国で作られた物であることが分かる。 それもかなり古い。」
ルイ 「ほほう。 これは珍しいですね。 皆にも見せてみましょうか。」
エフェ 「古い金貨? ちょっと価値があるかもね〜。」
マリュータ 「盗賊として、興味があるだぜ。」
イーグル 「マリュータ、不自然(笑)。」
シオン 「(金貨を見て)これは、”暗黒の時代”に造られた金貨だな。」
エフェ 「”暗黒の時代”? 私は知っていてもいいの?」
DM 「”知識”チェックで成功したら、知っていてもいいよ〜。」
エフェ 「チェック成功♪」
DM 「今から500年程昔、全ての記録が失われた時代がある。 その期間の出来事を示す文献は何も残っておらず、その時期の出来事を記憶している者もいない。 そんな時期だ。」
エフェ 「ふーん。 なんでなのかしらね〜。」
アイリーン 「私、この時代の事を夢で見たことがあります。」
イーグル 「夢?」
アイリーン 「ええ、一匹の竜がこのムーンエンド中を荒らし回る夢です。 軍隊も冒険者もこの竜には歯が立たず、倒されていきました。」
ルイ 「ふむ。」
アイリーン 「しかし、ランカスター王国の3人の王子が月の女神の祝福を受け、長い戦いの末にこれを撃退することに成功した…という夢です。」
ルイ 「どうも、本当にあった話とリークしそうな内容ですね。」
エフェ 「長い戦いって、どの位だったの?」
アイリーン 「10年です。」
エフェ 「10年〜!!? しかも、倒したんじゃなくて、撃退しただけなのね。」
DM 「ムーンエンドで記録に残っている限りでは、ドラゴンを倒した者はいないよ。 現われたという記録が殆ど無いのが幸いというべきか。」
ルイ 「それ程に、絶対的な存在というわけですね〜。 神の助けを借りても駄目だとは…。」
エフェ 「戦ったのは、ランカスターの王子か。 今のエルム王といい、ランカスター王家の人は頼りになるのね〜。」
シオン 「ランカスターの王族は、建国王のシュリア以降、代々闇の勢力と戦い続けてきているからな。 こちらの方ではランカスターの王を”闇に睨まれし一族の王”とも呼んでいるんだ。」
ルイ 「どこかで、聞いたことがあるような、無いような。」
 
一方、その頃地上では
 
フェイグランス 「あー、どうしたもんかなぁ。 とりあえず、名剣”シルバー”の能力でちょびっと回復。 崩れた井戸の入り口は完全に埋まってるの?」
DM 「うん。」
フェイグランス 「よし…その辺の廃虚の建物ででも休んでようっと。 ああ、そういえばイモがあったな。 砂漠に半分埋め込んでおけば、ヤキイモになるかも。 そうしてよう。」
DM 「はいはい(笑)。」
 
再び、地中で。
 
マリュータ 「地上に出る方法はないかなぁ。」
ルイ 「少しずつでも、天井を掘ってみます?」
エフェ 「下手したら全体が崩れてくるかもよ〜。」
ルイ 「う、うーむ。 ほんの少しでも隙間があれば、ガス化して逃げられるんですけど。」
マリュータ 「1人だけ出てもしかたねぇだろう。 だぜ。」
イーグル 「ひとまず、目に付くところから探ってみるか。 たとえば像。 動くようになっていたりはしないか?」
DM 「可動するようにではないだろうけれど、台座と本体の間は継ぎ目がある。」
イーグル 「別々に作って、あとでつなぎ合せた感じ?」
DM 「そうそう。」
ルイ 「像の制作では、よくある話ですよね。」
イーグル 「そうだな。 でも、ちょっと外してみるか。 よいしょっと。」
DM 「手を触れるのか。 では像はあっさりとバランスを崩して、君の方へ倒れてくる。 よけられるかどうか、”敏捷”のチェックだ。」
イーグル 「よっと、成功。 あぶねー。」
DM 「ほい。 像は地面に倒れて粉々に砕ける。 破片が地面に散らばるよ。」
ルイ 「さっきの衝撃で、バランスが崩れていたんでしょうかねぇ。」
イーグル 「それにしても、ずいぶんあっさりと…。」
エフェ 「初めから壊れるように仕掛けられていたとか。」
DM 「地面に散らばった破片の中に、直径半フィート(約15cm)程の水晶玉が1つ混じっている。」
ルイ 「おおっ、何かよさげな予感ですよ。」
マリュータ 「うんうんだぜ。」
DM 「透明な水晶玉の中心部にはチラチラと輝く小さな光がある。」
エフェ 「どう見ても、ただの水晶玉とは違うようね。」
ルイ 「ええ。」
イーグル 「で、どんな魔法がかかっているんだ?」
ルイ 「DMが救済用に置いた…もとい、前回の話では、ここの通路は砂岩質の地面をくり貫いて作られたような描写でしたよね?」
DM 「うん。」
ルイ 「と、なれば万が一地震でもおきれば、崩れて生き埋めになる可能性が高いと言う事です。 現に爆発の一つでこの状態ですからね。」
イーグル 「そうだな。」
ルイ 「ならば、非常用の対応策があってもいいかと。」
イーグル 「つまり、これがその対応策ってことか? じゃあ、水晶玉を持ってと。 上に行きたい、上にいきたーい。」
DM 「心なしか、水晶玉の内部の光が上に移動したように思える。」
イーグル 「おおっ。 じゃあ声に出して『地上へ出たい』。」
DM 「イーグルの姿が消えて、水晶玉が地面に転がった。 そして地下の人には消えたようにしか見えないけれど、イーグルは地上にワープアウトした。」
イーグル 「おおっ、すげぇ。」
フェイグランス 「こ、こら、イモを踏むな、イモを!」
イーグル 「何だよ、折角人がピンチを脱出してきたってのに(笑)。」
フェイグランス 「ああ、そういえばお帰り。」
イーグル 「ジョンはどうした?」
フェイグランス 「ん、んー。」
ルイ 「私達もやってみましょう。 シオンさんとアイリーン嬢を先に行かせます。」
DM 「ほい。 次々と人が地上に。」
ルイ 「エフェもどうぞ?」
エフェ 「ええと、ルイとマリュータが先に行って。」
ルイ 「じゃあ、ほいっと。」
DM 「ルイとマリュータも地上にでたよ〜。」
フェイグランス 「やぁ、ルイ、マリュータ。 イモがすっかり潰されてしまったよ。」
ルイ 「出た場所が悪かったですね(笑)。」
DM 「あとはエフェだけだけど。」
エフェ 「なんとか、この水晶玉を持って帰れないかしら。」
フェイグランス 「よくばりー。」
エフェ 「うるさい(笑)。」
DM 「心なしか、使うたびに水晶球の中の光が弱くなっているようだけど。」
エフェ 「えっ!? まさかそれって…!」
DM 「今はまだ光っているよ。」
ルイ 「きっと、回数が有限なんでしょうね。 私はその場にいませんけど。」
イーグル 「まぁ、これだけの力を持ったアイテムだからな。 制限があるのは仕方ない。」
エフェ 「いいわ、もう諦めて地上に出ます。」
DM 「はーい。 最後にエフェは水晶球にヒビが入る音を聞いたような気がする。 でも無事に地上に出たよ。」
イーグル 「来たか。 遅いぞ。 まさか水晶球を持って帰ろうなんて思っていたんじゃないだろうな?(笑)」
エフェ 「うっ、そ、そんなことは…っ! それよりも、ジョンがいないじゃない。 説明求む!」
ルイ 「上手く誤魔化しましたね(笑)。 でも、私もジョンの話は気になります。 フェイグランスもボロボロですし。」
フェイグランス 「んー、あの後すぐにジルワンとタルシスが来てね。 その二人と戦ったんだけれど、負けてジョンが連れ去られたんだ。」
ルイ 「ほぅ。」
フェイグランス 「君らが入った井戸は罠で、魔術師セレニカが紅玉の力を使って、その中に入らなければいけないと思うような魔術をここにかけていたらしいよ。 あと、紅玉は3つあって、2つが敵の手に、もう1つは不明だとか言ってた。」
ルイ 「でもなんでジョンだけさらわれて、あなたは無事なんです?」
フェイグランス 「さぁね。 連中にとって厄介なのはジョンだったみたいで。 しかも、どこに連れて行かれたのかが不明なんだよなぁ。」
マリュータ 「うむむ。」
フェイグランス 「で、傷も治してもらえると嬉しいんだけど。」
イーグル 「ああ、悪い悪い。”キュア・オール(全快)”の呪文でいいだろ。 えーと、2残して回復な。」
ルイ 「ついでに、”キュア・ライト・ウーンズ(軽傷を治す)”で丁度全快です。」
フェイグランス 「ありがと。 急に体が軽くなったよ。(笑)」
DM 「さて、これからどうするね? 日が落ちてしばらくしているから、そろそろ寒くなってきているけど。」
エフェ 「ん。 一旦休んで、それから対策を考えましょ。 運が良ければ敵が様子を見に来るかもしれないし。」
フェイグランス 「んだね。」
 
その日の深夜
 
DM 「見張りの順番は、イーグルの時か。 砂丘の向こうから何者かが近づいてくるのが分かる。」
イーグル 「それは1人か?」
DM 「そのようだね。」
イーグル 「普通なら、1人でこんな所を旅するなんておかしな話だな。 皆をたたき起こすぞ。」
エフェ 「んー、なぁに?」
イーグル 「向こうから誰かが近づいて来るんだ。」
ルイ 「迷惑な話ですねぇ。」
イーグル 「起こしたのを迷惑がっていないだろうな?(笑)」
ルイ 「思ってないこともないですが、非常事態ですから。」
マリュータ 「てことは思っているのか。 だぜ(笑)。」
DM 「人影は迷い無く、特に隠れる様子も無く、すたすたと君達の方に歩いてくる。」
イーグル 「味方か強敵か。」
DM 「月の光に照らし出されたその姿は、以前君達と一緒に旅をしたこともある、ハーフリングのメロディー君のものだ。」
マリュータ 「おおっ、無事だったのか。 だぜ。」
DM 「そう、前回セレニカの手から君達を逃がす為に危機的な状況になった筈のメロディーだ。 忘れているかもしれないから補足ね(笑)。」
ルイ 「そういえばそうでした。 よくぞご無事で。」
メロディー 「ん、おいらはそう簡単には死なないのさ♪ ところでこんなところでのんびりしていていいのかい?」
エフェ 「どうして?」
メロディー 「”剣の騎士(ジョンの事)”がピンチっぽいよ。」
エフェ 「なんで、それを知ってるの?」
メロディー 「(エフェの問いには答えずに)どうやら、彼を生け贄にするつもりらしいね。 おいらが案内するよ。」
ルイ 「案内といっても、方向はどっちなんです?」
メロディー 「西にあるオアシス”ソーグ”さ。 そこを本拠地にしている蛇の部族に囚われている。」
ルイ 「我々が目指している”鳳凰の台地”はどっちなんです?」
DM 「南東だね。」
ルイ 「全然正反対じゃないですかー!」
イーグル 「だからといって、放っておけないぞ、どっちも。」
フェイグランス 「秘宝を持って南東か、ジョンを助けに西か。」
エフェ 「シオンとアイリーンさんだけ南東に行かせる手もあるけれど、途中で狙われたら元も子も無いわよね。」
ルイ 「そうです。 戦略的に見て、この砂漠を影の民から守る為には秘宝を使って砂漠の民を結集し、軍として組織しなければなりません。 そのためにはシオンと秘宝は絶対死守なんですよ。 さらばジョン。」
マリュータ 「こらー!…だぜっ!」
イーグル 「ここでまで『だぜ』はいらないと思うが(笑)。」
エフェ 「メンバーを分けると、どちらも成功率が悪くなるものねぇ。」
イーグル 「しかし、結集するっていったって、こないだ行ったオルシャンの太守なんかはアイリーンに凄く失礼な態度だったぞ。 そんな奴も含めて協力してくれるのか?」
シオン 「ああ、オルシャンのセレスは自分の領地や地位を奪われる事を警戒しているからな。 我々が邪魔なんだろう。」
イーグル 「まぁ、そりゃそうだな。 アレはアレなりに頑張って領地を運営してきたんだろうし。」
シオン 「そうだ。 我々に協力的な太守もいるが、彼等とて自分の領地が取られるとあればいい顔はしないだろう。」
イーグル 「そうだなー。」
ルイ 「では、シオンさん達が復権されたらどうするんです? 本拠地は? 財源は?」
シオン 「本拠地が今の太守達のいる場所と重なるのではないかと、心配しているのかい?」
ルイ 「ええ。 水の出る場所は限られているでしょうから。 太守の土地に間借りして本拠地をたてれば、当然その太守の影響力は弱くなって反感を買うんじゃないですか?」
シオン 「その通りだが、土地については心配要らないな。 鳳凰の台地には自然に湧き出す湖がある。 ”影の風”地帯にも近かった所為で、大きな町は出来ていないがね。 財源の方は、悪いが太守の方にも無傷というわけには行かないな。 これまで隊商から通行税として取っていた分などを、それぞれ拠出してもらう事になる。 それでも自分達で外敵に備える負担が減る分、メリットはある。」
ルイ 「なるほど。」
シオン 「元々砂漠の掟は絶対でね。 『秘宝』を扱う一族には従わなければならないから、無理にまとめる事もできるのだが、今回はお互いに利益がある事を強調するつもりだ。 我々が『鳳凰の台地』に根づけば影の民に対する牽制にもなるし、東側との交易路も開けるしな。」
イーグル 「悪い事じゃなさそうだな。 で、砂漠の5つの部族のうち、どのくらいが従ってくれそうなんだ?」
シオン 「少なくとも、2部族との約束は出来ている。 他は2部族がオルシャンの太守のような反応で、蛇の部族に送った使者は2度とも帰ってこなかった。」
エフェ 「やはり、蛇の部族とは対立しそうなのねー。」
シオン 「ああ、蛇の部族は人数も多いしな。 敵にはしたくないが…。」
エフェ 「よし、ここはシオンさん達に協力して、蛇の部族に圧力をかけて、ジョンを取り返す方向で頑張りましょ。」
ルイ 「ただ突撃するよりも、そちらの方が可能性が高そうですね。 賛成です。」
マリュータ 「むむ、回りくどいけど、仕方が無いんだぜ。」
フェイグランス 「それじゃ、鳳凰の台地にしゅっぱーつ♪」
メロディー 「あっと、盛り上がっているところで悪いけど、シオンさんとアイリーンさんならおいらが送り届けてあげるよ。」
エフェ 「どうやって?」
メロディー 「ちょっとね。 タレスのじいさんの力を借りるのさ。」
ルイ 「便利な方法があったのならば、初めから言って欲しかったです。」
メロディー 「やー、国の話とか重要な話もしていたから、邪魔しちゃいけないかと思って。」
フェイグランス 「気が利くのか利かないのか(笑)。」
メロディー 「ま、とにかくこの二人と秘宝はおいらが必ず鳳凰の台地に届けてあげるよ。(そういって、懐から赤い羽を取り出し、空に掲げて。)タレスのじいさんやーい!!(叫ぶと、シオン、アイリーンとメロディーの体が消える)」
ルイ 「なんと、瞬間移動ですか。」
イーグル 「心配する必要はなかったな。 じゃ、ジョンを助けに行くか。」
マリュータ 「おう、だぜ!」
 
翌日
 
DM 「今日いつもに比べて、一層厳しい日差しが君達に照り付ける。」
エフェ 「暑いわねぇ。」
DM 「そんなわけで、耐久のチェックをして下さいな。 失敗は?」
ルイ 「おや、私だけです。」
DM 「それではルイはだんだんと疲れが出て、足取りが重くなってきた。」
ルイ 「うう、つらいです。 おーい、みなさんちょっと休みませんかぁ?」
マリュータ 「だめだめ。」
イーグル 「水でも飲んで元気出せ。」
ルイ 「水なら飲んでますが…。」
フェイグランス 「ヤキイモでも食って元気出せ(笑)。」
エフェ 「そして結局休まない(笑)。」
ルイ 「悪夢です。 ぜぇぜぇ。」
平成4年当時のイラスト。 ルイなのですが、エリア88にはまっていたせいで、そのマンガのパクリの構図になっています。
イーグル 「歩け歩け(笑)。」
DM 「遅れ気味のルイを引きずりながら(笑)砂漠を進んだ君達は、前方に塀に囲まれた町を発見した。 メロディーの話によると、ここが蛇の部族の本拠地、ラシード・ソーグらしいね。」
エフェ 「塀って高さどの位なの?」
DM 「6〜7フィート(1.8m〜2.1m)。 日干し煉瓦で造られており、町の周囲をぐるっと囲っている。 こちらから見て正面側に入り口があって、入り口の両側にポール・アックスを構えた衛兵が立っているよ。」
フェイグランス 「ちょっと…目立たないように潜入するのは難しいかな?」
エフェ 「素直に旅人だといって入ってもいいんじゃないかしら?」
ルイ 「ジャレスやその部下が我々の手配書でも作っていたらどうします?」
エフェ 「そっかー、危ないかー。」
ルイ 「ちょっと時間はかかってしまいますが、ここは夜を待って忍び込みましょう。」
イーグル 「そうだな。 …って、俺達は今町の入り口が見えるところまで来ているんだよな? ここで休んだら怪しくないか?」
マリュータ 「それもそうだぜ。 下がってから休むんだぜ。」
 
その日の夜
 
DM 「日輪の最後の一欠片が地平線に飲み込まれて行く。 空には星が姿を現し始めるよ。」
エフェ 「もう少し暗くなったら行動開始ね。」
イーグル 「おう。」
ルイ 「ヤキイモは出来上がりましたか?」
フェイグランス 「あ、作るの忘れてた。」
ルイ 「なんと!楽しみにしていましたのに〜!」
イーグル 「ルイも元気になったみたいだな(笑)。」
DM 「やがて、すっかり暗くなったよ。 星の放つ僅かな光と、町の方から見える大量のかがり火が周囲を照らし出している。」
ルイ 「大量のかがり火ですか。 普通じゃなさそうですね。」
エフェ 「そうね。 もしかして…もしかしなくても戦いの準備とか。」
マリュータ 「急ごう。 ジョンが心配だぜ。」
フェイグランス 「そうだぜ!」
イーグル 「で、どうやって潜入する?」
マリュータ 「まず、俺がクライミング・ロープ(自動で上に伸びるロープ)でこっそりと塀に登る。 危険が無ければ皆を呼ぶから、ついてきてくれ。」
エフェ 「いいわ。」
マリュータ 「それじゃあ、見張りの死角になる部分を探してと。」
DM 「見張りは東西の入り口にしかいないから、南北側の壁が死角になるね。」
マリュータ 「よーし、へへへ、チョロイぜ。 ロープ(クライミング・ロープ)で登って、塀から顔だけを出して中の様子を覗く。」
DM 「中は、夜だというのにお祭りのような騒ぎになっている。 人々が道にあふれ、武装した男達が酒を飲んで気勢を上げる。 どうやら中心部に広間があって、そちらに人が集まっているらしい。」
マリュータ 「うへ、こっそりと中に入るのは難しいか?」
DM 「盗賊の君ならば難しくないだろうけどね。」
マリュータ 「だったら、テントとか建物の陰になるような場所を選んで登りなおして降りよう。」
DM 「了解。 さきほども言ったように、マリュータにとっては目立たないように降り立つのは難しくない行為だけど、他のメンバーはそれぞれ敏捷のチェックをしてもらいましょうか。 それに鉄の鎧を着ているメンバーは筋力判定もね。 どちらかを失敗すると地面に降り立った際に転んだりして、大きな音がたつことにしよう。」
ルイ 「全員が成功というのは難しそうですが…。 ロープを使って降りるわけには行きませんか。」
DM 「ロープを固定する場所がないよ。」
ルイ 「では、普通のロープを壁越しに垂らして、外側でしっかりと誰かが持っていましょう。 それだったら他の人はロープを使っておりられるので、チェックするのは最後の人だけでよくなります。」
DM 「OK。」


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平成4年当時に大学ノートに書いたリプレイ(当時はワープロなんて高級なものはなかなかなかった。)の表紙です。