ムーンエンド・キャンペーン第ニ部 第13章 【鳳凰−熱砂の世界3−】

 

DM 「で、外側でロープを持つのは誰がやるの?」
フェイグランス 「俺がやるよ。」
ルイ 「よろしくです。」
DM 「じゃあ、一応筋力判定をして。(フェイグランスの出目を見て)成功か。 では君以外は全員向こう側に降り立った。」
フェイグランス 「俺は”レビテート(空中浮揚)”を使って、上り下りするよ。」
イーグル 「なんか勿体無いな。」
フェイグランス 「魔法は使えるときに使わないとね。」
マリュータ 「それじゃ、あとは旅人のフリでもして町の中を探ってみようぜ。」
ルイ 「そうですね。 砂漠用のマント(キャラック)を羽織って、フードをかぶっておけば大丈夫でしょう。」
DM 「ほい。 それでは町の中へ。 当然の事ながら蛇の部族の人々が徘徊しているよ。 蛇の部族といっても、そういった部族の名前だというだけで、みんな普通の人間なんだけどね。」
イーグル 「だったら、俺達もそんなに浮いたりはしないな。」
ルイ 「(フェイグランスに)あなた以外はね(笑)。」
フェイグランス 「ほっとけ(笑)。 じゃあターバンも巻いて耳を隠しておこうかな。 一応。」
DM 「はいはい。」
イーグル 「まず、広場にいってみようぜ。」
DM 「ほい。 広場は町の中心部の道が集まる場所にある。 広場はかなりの大きさで、ここに1000人以上は集まれると思われる。 水路も小さいながら通してあったり、樹が植えられていて、普段は町の人々の憩いの場になっているようだ。 しかし、今はその広場の中央には高さ7フィートの十字架が掲げられており、利き腕を潰され、額から血を流しているジョンがはりつけられている。」
フェイグランス 「あちゃー、結局あのまま治療してもらえなかったのか。 でも腹の傷は?」
DM 「服には刺されたときに破れた跡や、血がついているけれど、ここから見た感じでは新たに血が流れている様子はない。」
イーグル 「ズバリ、半殺しだな。」
マリュータ 「うぉー、頭キター! すぐに助けようぜ!」
エフェ 「それって危なくない? ジョンを助けた途端、周囲の群衆から囲まれそう。」
ルイ 「群集はジョンを見てどんな反応なんですか? 哀れんでいる様子? それとも殺すのを楽しみにしている様子ですか?」
DM 「後者だね。 ジョンの姿をみて、『明日は血が見られるぞ!』などといいながらジョッキを煽っている人の姿も見える。」
エフェ 「うわー、結構残酷なんだ。」
フェイグランス 「でも、これで今すぐに処刑されるわけではない事が分かったね。」
ルイ 「こんな所ではなんです。 一旦宿屋でもとって、そこで作戦を練りましょう。」
エフェ 「了解。」
マリュータ 「ちっ、仕方がねぇ。」
DM 「酒場では沢山の人がジョッキを煽っているよ。 中には『鳳凰の部族に思い知らせてやろうぜ!』とか『これでこの砂漠は俺達のものだ!』なんて言っている人達の姿も見える。」
ルイ 「つまり、そう言う事なんですね。」
イーグル 「あまり、情報収集をしすぎると怪しまれそうだな。 鳳凰の部族の密偵とかいわれてな。」
ルイ 「そうですね。 ここは我々も騒いでいるフリをしつつ、周りの会話に耳を傾けておきましょうか。 空いているテーブルに座ってと。 ぅおーい、こっちにビール!」
イーグル 「俺にもだ!」
マリュータ 「スピリットをくれ。」
エフェ 「私達はワインを。」
主人 「あいよっ。 …ん?お客さん達、見ない顔だねぇ。」
イーグル 「ああ、そうか、考えてみたら旅装だった。」
ルイ 「我々は冒険者で傭兵なんですよ。 戦争のニオイがする場所ならば、どこにだって現われます。」
主人 「へっ、よくもまぁ。 だが、傭兵の募集はしていなかっただろ?」
ルイ 「そうなんですか? 折角辿り着いたというのに。」
主人 「残念だったな。 俺達は砂漠の外の奴等の力なんて借りねぇんだ。」
エフェ 「(こっそりと)閉鎖的よねー。」
フェイグランス 「(こっそりと)だから、外の世界の騒動もあまり気にならないのかも。」
ルイ 「で、戦争はいつ始るんです?」
主人 「明日さ。 明日の正午、生け贄を殺してからだ。」
ルイ 「生け贄? ああ、あの広間に貼り付けにされていた…。」
主人 「そうともさ。 どこかの聖騎士サマらしいが、俺達に外の世界の宗教は関係ねぇ。 あるとすれば生け贄としての価値くらいかな。」
イーグル 「生け贄って、槍とかでブスリとやるのか?」
主人 「いや、刀だ。 血が大量に出ないと蛇が喜ばないからな。 生け贄の血を蛇達にかけ、喜ばせる。 これが俺達の勝利を祈る儀式だ。」
イーグル 「なるほどな。 さすが蛇の部族。 で、刀で斬るのは族長がやるのか?」
主人 「ああ。」
イーグル 「じゃ、折角だからその儀式くらいは見て帰ろうかな。」
ルイ 「そうですね。 折角来たんです。 ここの習慣くらい見て帰りましょう。」
主人 「ああ、そうしてくんな。(そういって、カウンターへ引き上げる)」
マリュータ 「で、どうするよ?」
エフェ 「明日になると完全武装の人達が集まるのよね?」
ルイ 「まぁ、出陣前の儀式なら当然でしょうね。」
エフェ 「だったら、今やった方がいいんじゃない?」
イーグル 「そうだなー。 …って、いや、それはマズイぞ。」
エフェ 「どうして?」
イーグル 「今のうちに生け贄を奪っちゃったら、明日の出陣の儀式には誰か他の奴が犠牲になるってことじゃないか。」
エフェ 「そこまでかまっていられるのー?」
イーグル 「若い女の子が代わりに犠牲になるとかわいそうだろ?(笑)」
フェイグランス 「そういう基準か(笑)。」
ルイ 「だとすると、やるのは明日。 それも生け贄にされる直前に決行して、儀式自体を壊さないといけませんよ。」
イーグル 「ジョンだって、自分の代わりに誰かが犠牲になるのは好まないだろ。」
マリュータ 「ま、まぁな。 だぜ。」
エフェ 「結局、その場で(儀式の邪魔をした自分達に対して、攻撃してきた人達を)何人か殺すことになると思うけど。」
イーグル 「こっちを殺そうとする奴は、自分が殺されても文句は言えないだろ。」
ルイ 「ま、筋は通ってますか。 ならば大変ですけれど、明日にしましょうかねー。」
エフェ 「仕方ないわね。 明日まで待つ?」
フェイグランス 「それなんだけど、今のうちにジョンの装備だけでもとり返して、上手く行きそうならば族長を人質にできないかな?」
ルイ 「装備の中には”夜明けの剣”もありましたからね。 取り返すのには賛成です。」
イーグル 「族長を上手く捕まえられれば、儀式自体を中止させたり、人質交換出来るかもしれないな。」
エフェ 「OK、やりましょ。」
DM 「ほい。 族長の家は一際大きい石造りの建物だからすぐに分かるよ。 やはり水源を抑えているらしく、庭には池がある。」
エフェ 「オルシャンの太守の家と同じよねー。」
イーグル 「ああ。 侵入方法も似たようなのでいいかな。」
DM 「戦争を前にして、警備の兵は随分と増えているからね。 それは外から見ただけでもハッキリと分かる。」
ルイ 「作戦を立てましょうか。」
イーグル 「おう。」
 
作戦を立てた一行は、族長の家の周囲を取り囲む塀のそばまで辿り着く。
 
エフェ 「ここまでは、怪しまれずに来れたわね。 それじゃ、”インヴィジヴィリテイー(透明化)”。」
マリュータ 「俺は”エルブン・クローク(姿が透明になるマント)”で。」
フェイグランス 「そのマリュータに”クレイアボイアンス(千里眼)”。 いってらっしゃーい。」
DM 「ほい。 エフェとマリュータが透明になって館の中へ潜入。 残りは塀の外で待機だね。」
フェイグランス 「うん。 でもマリュータが見ているものが俺にも見えるから、いざとなったら駆けつけるよ。」
マリュータ 「おう、頼んだぞ。」
エフェ 「んじゃ、行くわね。 門から行くと、足跡や影で見つかるといけないから、”クライミング・ロープ”で塀を乗り越えます。」
DM 「(ダイスを振って)では、一応敏捷判定を。」
エフェ 「成功。 ふふん、私は魔法使いだけど、敏捷は高いのよ♪」
マリュータ 「成功だ。 もちろん本職だからな。」
DM 「敷地内には巡回の兵士の姿も見えるよ。 3人が1組となって、5,6組は巡回していそうだ。」
マリュータ 「おーおー、警戒厳重なこって。」
エフェ 「目標は荷物、次に族長よ。」
マリュータ 「おう。 荷物の類(たぐい)がおいてあるとしたら、やっぱり地下室かな。 まずは窓から館に侵入しよう。」
DM 「窓は開け放たれている。 館の中から外まで明りが漏れているよ。 見張りがいない時を狙って進入することは可能だ。」
マリュータ 「よっし、中に入る。」
エフェ 「おなじーく。」
DM 「このあたりは一般の衛兵や使用人が使うような廊下らしく、日干し煉瓦と石の床の簡素な作りだ。 人の姿は見受けられないものの、床にはそこかしこに蛇が蠢いている。」
エフェ 「へ、ヘビ?!」
マリュータ 「悲鳴を上げるなよ。 だぜ。」
エフェ 「が…がまん、がまん…!」
マリュータ 「蛇の様子はどう? こちらに反応している?」
DM 「うん、姿は見えないものの、音か体温に反応している風ではある。 襲ってくる様子はないけれどね。」
エフェ 「ま、まぁ、これだけ人が多い所で飼われている蛇だものね。 人には慣れているわよね。 うん。」
マリュータ 「動揺は隠せないなー(笑)。」
エフェ 「蛇達の中に、毒を持っているのはいるの?」
DM 「知識でチェックをどうぞー。」
エフェ 「(ダイスをふって)成功♪ 蛇の知識もバッチリヨ。」
DM 「ほい。 まず毒蛇は混じっている。 但し、それらは大人しい蛇なのでこちらが危害を加えようとしない限りは襲って来ない。」
エフェ 「ほっ。 踏んだりしない様に、気をつけて歩くわよー。」
マリュータ 「おう。 まずは地下を探すぞ。」
エフェ 「前回、オルシャンの太守の館に進入した時の構造を元に。」
DM 「そうだな(ダイスを振って)天井に吊るされたランプの明りに照らされながら通路を進んでいくと、大きな鍋や調理用具が沢山おかれた部屋に突き当たる。 部屋の中央にはテーブルと椅子が置かれ、召使いらしき女性がお菓子を食べている。」
マリュータ 「おっと、気づかれていないだろうか?」
DM 「今の所その様子はないね。」
マリュータ 「んじゃあ、後ろに回ってと。 こっそりお菓子食べちゃうか(笑)。」
エフェ 「やめなさいって(笑)。」
 
厨房を後にした2人は、巡回の兵に注意しつつ(エフェ「透明になっていても影は映るもんね。」)、地下へ降りる階段を発見する。
 
マリュータ 「ここ、きっとここだよ。 だぜ。」
エフェ 「そいじゃあ、こっそりと。」
DM 「地下に降りると、直線の通路が続いており、その両側がずらりと牢屋になっている。 降りてすぐ右手に部屋があり、牢番の見張り所として使われているようだ。」
エフェ 「牢番はいるの?」
DM 「いるよ。」
マリュータ 「めぼしい人物が捕まっていないか、こっそりとチェック。」
DM 「(ダイスを振って)牢番が君に気づいている様子はない。 そして牢のうちの殆どが空きで、のこりの牢にも君の知った顔はないね。」
マリュータ 「OK。 あと、こういった所には大抵倉庫があるんだよな。 捕まえた人の装備とかを入れるやつとか。 それを探そう。」
DM 「(ダイスを振って)そうだねー。 見える範囲内では牢番の部屋の奥側に扉があるのが見える。」
エフェ 「あそこかしら。」
マリュータ 「ああ。 違ったら宝物庫を探そう。」
エフェ 「まぁ、ジョンの持ち物なんてガラクタが多いから、こっちだとは思うけどネ♪」
マリュータ 「し、失礼なっ!(笑)」
 
牢番の交代の隙をついて倉庫を調べたマリュータは、無事にジョンの装備を発見する。
 
DM 「欠品はないよ。 ”夜明けの剣”も無事だ。」
マリュータ 「…でも、ちょっと複雑な気分(笑)。」
エフェ 「ガラクタ扱い(笑)。 さてと、あとは族長かー。」
マリュータ 「今度はオルシャンの時と違って、派手にやっても問題ないわけだが。」
エフェ 「明日のジョンの救出が大変になっても面倒よ。」
マリュータ 「分かった。 まずは族長を探そう。」
 
牢を出た2人は、館の中央部へと進む。
 
フェイグランス 「頑張ってるな〜。」
ルイ 「我々の出番が無ければ、それが一番良いんですけどね。」
イーグル 「少なくとも、(プレイヤーが)このラーメン食うまでは静かにしておいて欲しいもんだ。」
エフェ 「聞こえない、聞こえない(笑)。」
DM 「館の壁もこのあたりになると立派な物が使われている。 綺麗に切り出された石材が、整然と組まれて壁を構成しており、明りの数も多い。 館の中央部にはいたる所に中庭が設けてあり、閉塞感を感じさせない作りになっている。」
エフェ 「へーっ。 さすがこのあたりの太守。」
DM 「前に説明でも出たけれど、蛇の部族は砂漠の部族の中でもかなり数が多いから、その太守の館も立派というわけだ。 通路の所々には絵が飾られたりもしている。」
マリュータ 「例えば、どんな?」
DM 「蛇と乙女が光の中に立っている図とか(笑)。」
マリュータ 「やっぱり(笑)。 さすが蛇の部族。」
DM 「さて、このあたりを歩いていると、召使い達が一つの部屋に頻繁に出入りしているのが分かる。 彼女達は料理を運び込んでいるようだ。」
マリュータ 「それって、豪華なやつ?」
DM 「うん。 とても一般の兵士や使用人が使う食器ではない。」
エフェ 「ここね。 きっと。」
マリュータ 「おし、そーっと覗くぞ。」
DM 「ほい。 中は高級な身分の人が使う食堂になっており、長方形の部屋の中央に、16人は座れる長テーブルがある。 一番奥の上座に禿頭で上等の服を着た40くらいの男性が座っており、その隣に見知った男が座っている。」
エフェ 「もしかして、セレニカ?」
DM 「いや、”鋼の腕”のジルワンだ。 今日は武装はしていない。 彼らは食事をしながら何事か打ち合わせをしている。」
マリュータ 「この部屋は、他に出口はないの?」
DM 「中庭に面した窓があるけれどね。 扉や通路は君達が入って来た所しかない。」
マリュータ 「分かった。 入り口の所で少し会話を聞いてみよう。」
DM 「(気づかれないかどうかダイスでチェックをして)ジルワンと話している禿頭の男は、どうやら蛇の部族の族長のようだ。 明日の儀式に関する打ち合わせや、”影の民”との連携について話し合っているよ。」
エフェ 「連携というと?」
DM 「うん。 蛇の部族は明日出陣して、数日中には鳳凰の部族を中心とした砂漠の軍と対峙する。 それに呼応して影の民も鳳凰の部族の軍の横合いから攻撃を仕掛けるつもりのようだね。」
マリュータ 「正面から戦うつもりなんだ?」
DM 「砂漠は見はらしいが良い場所が多いし、鳳凰の台地はその名の通り高台になっているので、奇襲は難しいんだ。 数の上ではシオン達がやや有利ではあるんだけれど、しぶしぶ軍を出したオルシャンの軍などは士気も上がらず、動きが鈍いと見ている。 また影の民は数は少なくとも皆精鋭であり、寄せ集めの鳳凰の軍は相手にならないだろうという見方。」
エフェ 「ジルワンがいるとなると、族長を拉致するのは大変そうね。」
マリュータ 「ジルワンだけなら、皆を呼べば何とかなるだろ。 まぁ、装備も取りかえしたことだし、いったん戻るとするか。」
DM 「(ダイスをふって)と、しようとした時、忙しくこの部屋を往復していた召使いの1人が、透明になっていたエフェの背中にドンとぶつかる。 同時にエフェの姿が見えるようになるよ。」
エフェ 「あ、やばーい。」
DM 「ジルワンが君の方を見て、驚いた風でもなく『来たか』と言ってニヤリと笑う。」
エフェ 「(ジルワンに)あら、もうお見通しみたいな言い方ね。」
ジルワン 「そりゃ、お前達のお仲間があの状態じゃあな。 誰だって助けに来ると思うだろ? ま、よくあそこから出てこられたとは思うが。」
エフェ 「そうそう。 私達はあんた達みたいに人を使い捨てにする余裕はないんだから、助けにくるしかないでしょ?」
マリュータ 「余裕があれば助けに来ないのかよ〜。」
エフェ 「まぁまぁ(笑)。」
ジルワン 「それで? ここからどうやって逃げるつもりだ?」
エフェ 「んー。 あまり考えていなかったんだけど、力づくで。」
ジルワン 「(椅子から立ちあがって)やれるもんなら、やってみるがいいさ。」
フェイグランス 「そんじゃ、俺はディメンジョンドアで族長の後ろに。」
ジルワン 「これはこれは、瀕死のエルフどの。 生きておられたか。」
フェイグランス 「ゴキブリよりもしつこいエルフってのがいても面白いだろう?」
ジルワン 「面白いが、シツコイなら今度こそ徹底的に叩かないとなぁ。」
エフェ 「そんな強気でいいのかしら?」
ジルワン 「こっちにも援軍が向かっているのさ。 お前達のよーく知っている”炎の槍”がな。 そうでなければ俺がこんなに余裕でいる訳無いだろう?」
エフェ 「ううむ(笑)。」
ルイ 「この間に、私達も踏み込みますよ!」
イーグル 「おう!」
ルイ 「それじゃ、打ち合わせどおりに。」
DM 「どうするの?」
イーグル 「まず、館の入り口に向かって、ルイを追いかける形で俺が走る。 入り口には門番くらいいるよな?」
DM 「うん。 2人が立っている。」
イーグル 「そいつらに向かって、ルイを指差して『おおい、そいつを捕まえてくれ! 反逆者だー!』と言いつつ走る。」
ルイ 「私は門番の目の前まで走ります。 そしてガス化して中に進入。」
DM 「門番は驚いている(笑)。」
イーグル 「中に入った! すぐに追うんだ! と言いつつドサクサに紛れて潜入を試みるわけだ。」
DM 「それじゃあ、旨く騙されてくれるかどうかチェックしてみるか。 ルイが突然霧状になった事も加味して少し甘くしてと。 (ダイスを振って)OK、上手く内部に入り込めた事にしよう。」
イーグル 「やったぞ。」
DM 「中の方で睨み合っている3人は入り口の方で騒ぎが起こっているのが分かる。」
エフェ 「ええと、騒ぎは大きくしてもいいんだったわよね?」
フェイグランス 「召使いとか、兵士じゃない人をまきこまなければいいんじゃない?」
ジルワン 「(館の中で騒ぎが起こっているのに気づいて)お前達の仲間か?」
フェイグランス 「さぁ? 反逆者でもでたんじゃない?」
イーグル 「俺は予定通り『反逆者だー!』と叫びながら進入するからな(笑)。」
DM 「その騒ぎの声が連鎖して聞こえてくるのを聞いたジルワンはスクロールを取り出して姿を消してしまう。」
エフェ 「見事な逃げっぷりね。」
DM 「そして、騒ぎが起これば当然兵士達が族長を守る為に集まってくる。」
フェイグランス 「おおっと、動くなよぅ? 少しでも動けば、こいつ(族長)の命はないぜぇ。」
ルイ 「悪役色に染まって来ましたよ、あなた(笑)。」
DM 「ルイは到着してもいいよ。」
ルイ 「はーい。」
フェイグランス 「悪役とは失礼な(笑)。 とにかく道を開けな。」
DM 「兵士達はじりじりと守りを固めて、道を開ける様子はない。 衛兵の隊長らしき人が『そちらこそ、もはや逃げ道はない。 大人しく投降しろ。』と言っている。」
フェイグランス 「ふん。 開けなければ、こうだ! (少し間が開いて)……だ!」
エフェ 「?」
フェイグランス 「…頼むよ、エフェちゃん。」
エフェ 「やっちゃっていいの?」
ルイ 「どうせ集まってきているのは兵士ばかりでしょう。」
エフェ 「んじゃ、ファイヤーボール!(笑)」
DM 「ダイスを振るまでもなく、入り口を固めていた10名程は吹き飛ばされたり爆風に焼かれて戦闘不能だ。 のこりの兵も遠巻きに見たまま近寄ってこない。 ここでイーグルも騒ぎを聞きつけて到着していい。」
イーグル 「OKだ。 やっと全員合流だな。」
マリュータ 「それじゃあ、族長は預かっていくぜ。」
兵士 「貴様ら、鳳凰の部族の者か?!」
マリュータ 「いーや、ただの盗賊だよ。 じゃ、あばよ。」
  
族長を人質に、館の正面入り口まで来た一行だったが…
 
DM 「入り口を出てすぐの所にジルワンが立っている。 鎧を纏い、武装した姿が松明の明りに赤く照らし出されている。」
ジルワン 「族長を返してもらおうかなぁ。」
マリュータ 「やりたければ、力づくで。」
ジルワン 「OK。」
エフェ 「イニシアチブは…そっちからか。」
DM 「一応、状況を説明すると、ここは町中で床は石畳。 後ろは領主の館の正面入り口で、族長を人質に取られている為に手を出せない兵士達が君達を遠巻きに囲んでいる。 正面にジルワン。 そして上空には巨大な翼影が。」
ルイ 「ワイバーン…タルシスですか。 意外と早かったですね。」
DM 「ワイバーンに人は乗っていないようだけどね。」
ルイ 「近くにはいる筈です。」


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