ムーンエンド・キャンペーン第ニ部 第11章 【砂漠の門 −熱砂の世界1−

 

DM 「さー、始めるよん。」
エフェ 「始めちゃっていいわよん(笑)。」
DM 「今回は”ヴァーン=ディアナ砂漠”の入り口、”バラ・ビル”の町からだよん。」
ジョン 「そうだったよん。」
イーグル 「なんだよ、その会話は(笑)。」
エフェ 「つい、ね(笑)。」
DM 「ごほん。 今回は11月6日、町の中からスタートだ。」
フェイグランス 「はいはーい。」
DM 「このバラ・ビルの町は前回説明した通り、砂漠の入り口に位置しており、ハーディアル草原地帯と砂漠地帯の中継点として機能している。 石畳で舗装された町中の通りにはうっすらと砂が積もっており、それが時折砂漠から吹き付ける風に煽られて舞い上がり、君達の服や肌にパラパラと当たる。 人々の足として機能しているのも馬ではなく、キャメル(ラクダ)が主流だね。」
エフェ 「ここで、装備を買っていけばいいわけね。」
DM 「うん。 今の君達の装備では、砂漠を越えるのはとてもとても。」
エフェ 「えーと、ラクダと、普通のものより大きな特製水袋と、砂漠のオアシスの位置がかかれた地図、それにキャラックなどなどね。 …キャラックって何?」
DM 「砂漠用のマントのようなものだよ。 厚手の白い布で作られていて、全身をすっぽりと覆うことができる。」
エフェ 「あ、それ買おう〜♪ お金が無いからイーグルが出してくれるよね?」
イーグル 「出すもんか(笑)。」
エフェ 「出してくれれば感謝しちゃうのに〜。」
結局出しちゃうイーグル(笑)。
フェイグランス 「ラクダお買い上げ〜!」
店員 「鞍や手綱などは要らないので?」
フェイグランス 「要る、要る! 買うよ。」
店員 「毎度。 ラクダにキャラック、水袋と鞍と手綱…締めて300GPになります。」
フェイグランス 「うわー、貧乏になったー。」
ノートに鉛筆なので、下書きなんかは一切無し。 当時頑張りました(笑)。
ルイ 「残った宝石をお金にかえましょうか。」
ジョン 「そうだなー。 宿にも泊まらなきゃいけないし。」
エフェ 「でも、これですっかり砂漠スタイルよね〜♪」
フェイグランス 「新しい装備は、ちょっと嬉しいね。」
エフェ 「そうね(笑)。 そういえば、情報収集もしておきたいから、ここに2日ほど滞在しましょ。 休憩もしなくちゃだし。」
ルイ 「賛成です。 この先野菜は貴重品になるでしょうから、サラダが好きな人は今のうちに食いだめしておいた方がいいですよ(笑)。」
フェイグランス 「そ、そうだね(笑)。 そっかー、この先はサラダは無しか。 厳しい世界だ。」
イーグル 「砂漠そのものが厳しいんだろうに(笑)。」
DM 「さて、買い物が終って日が沈む頃、マリュータが宿屋を見つけてきたよ。 ”上弦の月”亭と言う名前だそうだ。」
ジョン 「なんかキレイな名前だ。 いってみよう。」
DM 「ほい。 上弦の月亭は町の隅っこの方にあって、木を張り合わせて作ったという言い方がぴったり来るボロ宿屋だ。(笑)」
エフェ 「マリュータ、ここに泊まりたいの?」
マリュータ 「皆、金がないようだからな…。」
ルイ 「背に腹は変えられませんか。 一泊いくらなんです?」
DM 「6人部屋が1人5SP(=0.5GP)、個室は3GPだ。 それに食事が2SP。」
ジョン 「安いな。 今までの10分の1くらいじゃないか。」
マリュータ 「次はいつ収入があるか分からんからな。(肩をすくめる)」
エフェ 「仕方ないわね〜。 じゃあ私は個室。」
ジョン 「俺達は6人部屋でいいな。」
フェイグランス 「うんうん。」
DM 「ここも一応2階建てで、1階部分は酒場に、2階部分が宿屋になっているという、この世界での一般的な造りだ。 もっとも、酒場においてあるテーブルは油っぽい上に、板の隙間から足元がみえるようなシロモノだし、食事のパンは1週間も前に作ったものであるかのように固い。 スープは何回温めなおしたのか分からないようなドロッとしたもので、ビールは気が抜けており…」
エフェ 「うわぁ…。」
DM 「テーブルが10も置かれている、広さだけはある店内を照らす明りは、僅かにランプ1つであり、薄暗い。 また、店内にはパイプの煙が充満していて、服にニオイがこびりつきそうな感じだが、マリュータは『落ち着く』といった表情でビールを飲んでいる(笑)。」
フェイグランス 「なるほど、マリュータはこういうのが好みなんだ(笑)。」
エフェ 「あんまりな描写だから泊まるのを止めようかと思ったけど、マリュータが喜ぶなら仕方ないか(笑)。」
ルイ 「そうですネ。 それにこういった所の方が色んな話がしやすいかもです。」
エフェ 「例えば?」
ルイ 「たとえば、前回イリスが言っていた、”闇の陣営が月の女神の神殿を破壊する理由”とか。」
イーグル 「そうすることによって、月の女神の力を弱まらせようとしているとか?」
ルイ 「ある意味、当たっているとは思います。 もっとも、壊されているのが古代の月の女神の神殿であることに関して、やはりなにか古代におこったこと関連の目的があるんじゃないかと。 今現在の月の女神の力を弱めたいならば、現在使われている神殿も狙うでしょうしね。」
エフェ 「つまり、”古代におこった何か”を現在動かそうとしているというか、戻そうとしているというわけ?」
ルイ 「ええ、少し前のメモが残っていたんですが、”北の森”でパールがダークムーンガードに覚醒した時、ジャレスが言った言葉が気になってまして。」
エフェ 「なんて言ったんだっけ?」
ルイ 「『”主”が蘇る為には彼の体と力が必要だ』です。」
ジョン 「その”主”っていうのは、第一部の最後でもジャレスが喋ってたな。」
ルイ 「ええ。 少なくとも、今の彼の目的の一つは”主”を蘇らせることの筈なんです。」
イーグル 「そのために、12ある神殿を破壊して回ってるって?」
ルイ 「はい。 ただの推測ではあるんですがね。」
フェイグランス 「古代の神殿が”主”を封印する役目でも持っていれば、辻褄があうね。」
ルイ 「連中の目的が”主”の復活で、現在の行動が”神殿の破壊”ならば、それで合います。 もっとも、別の目的もあって、その為に壊している可能性もありますが。」
エフェ 「推測を立てておくのは悪いことじゃないわよ。 あのジャレスの主なんて復活されちゃったら、たまらないけどね。」
イーグル 「なら、俺達で先に神殿を探し出して、それを護る…のは、駄目だよなぁ。」
ルイ 「駄目でしょうねー。 残り6としても、次に連中がどこを襲うか分かっていないと、護りようが無いです。 最後の1個になったら別ですけどね。」
イーグル 「だと、あれだな。 神殿を護るよりも、敵を引き付けた方がオトクだな。」
エフェ 「そうね。 どうやらジャレス達は私たちの事がジャマみたいだから、このまま”キャリスタンの炎”を求めて旅をしていれば、向こうから時間を割いてやってきてくれるわよね。」
ジョン 「そうしていれば、俺達もレベルアップもできるしな(笑)。」
ルイ 「そうそう。 そうですよ(笑)。」
フェイグランス 「ジャレスに勝つのは大変でも、タルシスとジルワンくらいはやっつけておきたいね。」
ルイ 「実際に神殿を破壊して回っているのは、あの2人のようですから、倒すことができれば神殿の破壊もスピードダウンするでしょうね〜。」
エフェ 「つまり、こういう事ね。 敵に神殿を壊させてはならないけれど、それを防ぐ有効な手段は今のところなくて、むしろ私たちが最初の目的どおりに旅をするのが、一番って事ね。」
ルイ 「はい。 そう言うことです。」
イーグル 「ランカスターの国王にもそれを連絡して、協力を求めてみたら?」
エフェ 「うーん。 国王に連絡する手段と、神殿探しの手間は置くとしても、ジャレスとか部下達を止められるだけの戦力を、6ヶ所にわけて無期限で配置して維持するのは無理よ。」
イーグル 「兵力分散になって、補給経費も馬鹿にならないか。」
エフェ 「でも、よくそんな過去のメモまでさかのぼって考えたわね。」
ルイ 「や、前回イリスから考えてみるように言われましたからね。 あの男に言われたから調べたというよりも、あの男がそれ程に重要視していると思えたことが参考になりました。」
フェイグランス 「えらいぞ、ルイ! 今回は。」
イーグル 「今回はな(笑)。」
ジョン 「今回はね(笑)。」
エフェ 「そうそう、今回はすごいわ(笑)!」
ルイ 「最近、これがパターンになってませんか?(笑)」
イーグル 「さーて、俺はマリュータに付き合ってビールでも飲もう。」
DM 「ほい。 1SPね。 気が抜け気味だが、まぁビールとして飲めない事も無い味だ。」
イーグル 「たまにはこういうのも飲んでおかないと、旨いビールの味が分からなくなるからな。」
マリュータ 「これはこれで、味わって飲めば旨いものだぞ。」
イーグル 「そう言うもんなのか? じゃ、マリュータと同じつまみを注文して、飲み方でも教わってみるか。 いい経験になりそうだ(笑)。」
マリュータ 「ああ、こういう所では、味と雰囲気を一緒に味わうんだ。 そこの、穴の空いたテーブルを見ながら酒を楽しむのも、他のテーブルのばか騒ぎの雰囲気を楽しみながら飲むのも、独特の味わいがある。」
エフェ 「向こうは仲良くやってるわねー。」
フェイグランス 「俺はしなびたサラダをむさぼっているずらよ。 味はともかく、安いのが救い(笑)。」
エフェ 「ワインとかだと、あまり味が変わらないかしら?」
DM 「まぁ、安ワインだけどね。」
エフェ 「いいのいいの。 私もマリュータに倣って楽しむことにするわ。」
 
思い思いに酒場での一時を楽しんだ一行は、部屋に引き揚げる。
 
DM 「エフェは個室だからいいけど、君達の部屋は6人部屋だから、砂漠地帯からやってきたらしい商人と相部屋だよ。」
ジョン 「仲間5人の中に他人1人だと、居心地がわるいかもな(笑)。」
フェイグランス 「話し掛けてみよう。 『砂漠からきたんですか?』って。」
商人 「ああ、砂漠のオアシス地帯で採れる砂蟹を卸しにきたんだ。 砂蟹は高級食材だからな。」
ルイ 「ほほう。 このあたりで食べられるんですか? それは。」
商人 「たしか、町の中心付近にいけば、砂蟹を出す店もあった筈だな。」
フェイグランス 「オアシスから蟹をとってくれば、高い金になるのかー。 いい商売かも。」
商人 「バカいっちゃいけないよ。 高級食材で使われるような、身のいい蟹はなかなか採れないんだ。 砂漠の暑い中を活かしたまま持ってくるのも気を使うし、卸価格なんて店で売られている価格からは想像もつかないような安さなんだぜ。」
フェイグランス 「そっかー。」
商人 「ま、蟹ばかりに頼っていたら商売にならないってので、他にもいろいろ売り歩いているがな。 得にあんたはエルフだろ?」
フェイグランス 「う、うん。」
商人 「エルフみたいな肌の弱そうなのが砂漠にいったら、虫に刺されて大変だぜ。 過酷な環境で生きている分、強い虫が多いからな。 それに砂漠の虫は夜に活動する奴が多いから、寝ている間に刺されたりもする。」
フェイグランス 「うわ、嫌な感じ。」
商人 「そこで、これだ! 砂漠に自生する植物の中でも、虫どもがよりつかない植物から抽出したエキスで作り上げた虫除けクリーム。 その名も”ムシヨラーズ!”」
フェイグランス 「…途中まではよかったけど、名前が怪しいから買わない(笑)。」
ジョン 「うん(笑)。」
商人 「分かった! じゃあ”ササレーズ!”」
フェイグランス 「なんだ、名前は適当なのか(笑)。」
ジョン 「余計に怪しくなったな(笑)。」
商人 「や、効果は確かですから。 ね?」
フェイグランス 「分かった、買うよ(笑)。」
ルイ 「あ、私も〜。」
イーグル 「俺も(笑)。」
ジョン 「結局、全員買うのか(笑)。」
ルイ 「砂漠の虫って、病気をもってそうですし。」
ジョン 「そうだなー。 エフェの分も買っておいてやるか。」
 
翌朝(11月7日)
 
エフェ 「今日は1日自由行動だからね。 揉め事だけは起こさないように。」
ジョン 「それは分からないな(笑)。」
エフェ 「こら(笑)。」
ジョン 「そうそう、エフェに虫除けを渡しておこう。」
エフェ 「あら、気が利いているじゃない。」
ジョン 「名前は”ムシササレーズ”だったかな?(笑)」
エフェ 「名前があやしいんですけど(笑)。」
ルイ 「私は砂蟹を食べにいきますよー! 誰か一緒にいきません?」
フェイグランス 「ハラ壊しそうだからいいや(笑)。 代わりに町をうろついてみるよ。」
イーグル 「俺はいくぞ!」
ジョン 「俺は、武器屋でもまわってみよう。」
エフェ 「私はお茶でも飲みに♪」
DM 「では、ルイとイーグルから。 昨日の商人に聞いた通り、町の中心部にはちょっと高そうな料理店があるよ。」
ルイ 「宿にまでお金はかけていられませんが、こうした、その土地でしか出来ないような事には、ケチる必要はありませんとも!」
イーグル 「応よ! ごめんくださーい。」
DM 「『いらっしゃいませ』とボーイが君達を出迎える。」
イーグル 「ありゃ、スーツでも着てこないとまずかったかな?」
DM 「いや、そこまでしなくてもいいけどね。 旅の商人達もくるから、服装には特にこだわらないようだけど、君達のような冒険者の格好の人はいない(笑)。」
ルイ 「おお、武器とか装備はホールディングバックに隠しておきましょう。」
イーグル 「(店員に)ち、ちょっとタンマな。(笑)」
DM 「店員がちょっと安心したような顔をしている。 そのまま入ってこられたらどうしようとか考えていたようだ(笑)。」
ルイ 「流石に、武装した格好ではまずかったですネ。」
イーグル 「今度は、武器も鎧も盾も持ってないぞ。」
DM 「では、君達は中のテーブルに案内される。 テーブルには清潔なクロスがかけられており、目の前にはナプキンまで置かれている。」
イーグル 「えーと、テーブルマナーはどうするんだっけなぁ。」
ルイ 「私が教えてあげますよ。 ふふふ。 まずはナプキンを広げて。」
イーグル 「ふむふむ。」
ルイ 「片方の頂点を、反対側の頂点にあわせて折ります。 これで三角形になるでしょう?」
イーグル 「なるな。」
ルイ 「そして、こうして、こうして、こう。 はい、鶴さんの出来上がり〜!」
イーグル 「こ、これがマナーってやつなのか?!」
ルイ 「そうです。 この鶴の尻尾の部分を首のところに入れて食事するのですよ。」
イーグル 「知らなかったなぁ。 異国のマナーなんだろうか。 はい、鶴さん。」
DM 「周りの人達が君達をみてクスクス笑ってるよ(笑)。」
イーグル 「なんだなんだ、わけわかんねーな。 それよりも、砂蟹をくれ。」
DM 「ここはコース料理なんだ。 その中に、砂蟹がメインディッシュのコースがあるけれど、1人100GPだからね。」
イーグル 「たけぇ…。 でもここは頼もう。」
ルイ 「そうです。 くわなきゃソンソン! で、まずはスープがでたら、スプーンを使わずに、お皿に口をつけてイッキ飲みです。」
イーグル 「こ、こうか?!」
ルイ 「2秒以内に飲まないとマナー違反デスヨっ!」
イーグル 「むずかしー!」
DM 「そんな感じで(笑)食事をすすめて、いよいよ砂蟹料理だ。 ここで出される砂蟹は、甲羅の大きさが20cm四方くらい。 足は太くて身が入っていそうだよ。 これが蒸された状態で、1匹丸ごと出される。」
ルイ 「お味は…いかがです?」
DM 「うん、身はプリプリと弾力があってカニ独特の味わいと、砂蟹ならではのほのかな甘さがある。 この蟹は甲羅が薄くて、身はたっぷりの一級品だ。 また、蟹の身体の部分には蟹の身と一緒に炒めたライスが入っており、ライスに蟹の旨みが染み込んでいて、口に入れるとふわりと味がひろがる。」
ルイ 「うまーーーーーーいぞぉーーーーーーーー!!!(笑)」
イーグル 「ぶらーぼーぉーーーーーーーーーーーーー!!!(笑)」
エフェ 「楽しそうねぇ(笑)。」
DM 「そして、デザートは”砂漠の蟹ミソ”といって、つめたく冷やした砂蟹のミソがココナツを半分に割ったものを容器としてサービスされる。」
ボーイ 「このココナツのエキスが、蟹と混ざり合い、独特の風味をだします。 このあたりの珍味として親しまれているのですよ。」
イーグル 「なるほど。 じゃあパクッと。」
DM 「身はドロッとしており、非常に、ねっとりしつこいまでに濃厚で、ちょっと生臭く、ココナツの風味と溶け合ってなんとも微妙な味わいだ(笑)。」
イーグル 「それって、マズイってこと?」
DM 「そう。 マズイというか微妙の100乗くらいの表現か。」
ルイ 「ううっ、そういえば美味ではなく、”珍味”なんでした〜!」
イーグル 「ウマイとはかぎらないってことか。 これだから、高級食材は〜。」
ルイ 「でも、この時代の、砂漠の近くの町で”冷えた”ものを出すというのは大した物です。」
イーグル 「ああ、コストがかさんでるって事だな。 しかし、デザートが一番マズイとは(苦笑)。」
ルイ 「ま、まぁこれも経験ですよ、経験。」
イーグル 「…全部出たようだし、帰るか。」
ルイ 「そうですね(笑)。」
イーグル 「ところで、さっきからのマナーはランカスター王国流なのか? 笑われてたよーだが。」
ルイ 「アルカート流ですよ。 ふふ。」
イーグル 「アルカート?」
ルイ 「私の名前です。」
イーグル 「る、ルイ流だったのか〜!! うわー、恥かいた(笑)。」
DM 「はい、次はジョン(笑)。」
ジョン 「随分、向こうは楽しそうだけど、俺は真面目に武器を見にきたんだぞっ!(笑)」
DM 「ほいほい。 砂漠地帯は盗賊達も多く出現するからね。 護身用をメインに、いろいろな武器が売りに出されている。 とくに目に付くのが”斬る”ことを主体とした刃の薄い曲刀と、レザー・アーマーだね。」
ジョン 「ほうほう。」
DM 「砂漠地帯では重い鉄の鎧なんかを着ていると、その上で目玉焼きが焼けるくらいに熱くなるし、体力を消耗してしまって危険なので、砂漠で活動するにはレザー・アーマーあたりが限界なんだ。 そうなると、鉄鎧を叩き壊すような重い剣や、その隙間を貫くような刺突武器よりも、アーマーごと切り裂けるような、軽くて薄い刃の刀が有利なんだ。」
ジョン 「なるほど。 俺もレザーアーマーを用意した方がいいのかもな。 よし、一応買っていこう。」
DM 「ほいほい。 『砂漠では日差しや水不足はもちろんだが、盗賊と砂漠狼には特に気をつけた方がいいよ。』と、助言してくれる。」
ジョン 「盗賊って、そんなに活発に動いているわけ?」
武器商人 「どうも最近、砂漠の部族同士の仲がよくないらしくてね。 全体的に治安が悪くなっているらしいよ。 まぁ、うちとしては護身用の武器が売れてありがたいことなんだけど、困ってる人達も多いだろうね。」
ジョン 「なるほどなー。 や、ありがと、おやっさん。」
武器商人 「ああ、無事でもどっておいで。」
ジョン 「あ、そうだ。 帰る前に夜明けの剣をみせて、修復できないかどうか聞いてみよう。」
武器商人 「いや、これは傷んでいるというよりも、壊れているといった方が…。 直すのは無理だね。」
ジョン 「やっぱりか。 いや、俺もそう思ってたんだ。 と言って帰ろう。」
DM 「次はフェイグランス。 町中を歩くんだっけ?」
フェイグランス 「いや、久し振りに笛でも吹こうかと思ってね。 町の外れで笛を楽しんでるよ。」
DM 「この前買った笛か。(ダイスをふって)では、君は町の外れ、砂漠に近いあたりで笛を吹いていたんだけれど、周りにだんだんと人が集まってくるよ。」
フェイグランス 「あ、あれ? 大道芸じゃないんだけどなー。」
DM 「『このあたりで聞かない笛だ。』だとか『こんな所にエルフがいるぞ。』とか、そういった声が聞こえる。」
フェイグランス 「そっか、砂漠にエルフだし、東の音楽だから珍しいのか。」
DM 「そのようだね。 演奏が終ると全部で5GP分ほどお金が飛んでくる。」
フェイグランス 「うほー、儲けちゃった♪ アンコールでもしてよう(笑)。」
DM 「はい(笑)、次はエフェ。 お茶を飲める場所ということだったけど、この町では食堂のようなところしかないね。」
エフェ 「オシャレなカフェってわけにはいかないか。 じゃ、手近なところに。」
DM 「ほい。 砂埃が舞う町中でも、店内はキレイに清掃されている店を見つけたよ。 昼間しか営業していない食堂なので、酒を飲んで騒ぐ人がいないのも店内がキレイな要因だね。『いらっしゃいませ、お好きな席にどうぞ!』と、店員の女性の声がとぶ。」
エフェ 「じゃあ、椅子に座って、ちょっとくつろがせてもらおうかしら♪」


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