ムーンエンド・キャンペーン第ニ部 第10章 【炎の丘の小人と魔剣】

 

DM 「さーて、前回から間が開いちゃったけど、始めるよ〜。」
エフェ 「おー!」
イーグル 「確か、どこかの地下に入ったところで終ったんじゃないっけ?」
DM 「”炎の丘”の地下だよ。 前回君達はテレポートストーンの暴発で離れ離れになってしまったところから始まって、エフェ達は沈黙の森から”サーチ”の呪文で、ルイ達は廃虚となった月の女神の神殿から、女神の導きで、ともに”クラカトス湿地帯”に辿り着き、そこで合流したんだ。 そしてタレスティウスからの情報を元に”夜明けの剣”を手に入れるべく旅をしていたんだけれど、ジルワンとタルシスの計略によって囚われてしまった。」
イーグル 「そこで散々な目に遭って…」
DM 「そうそう、瞬間移動で脱出させられたエフェ以外は、そのエフェの助けが来るまで拷問に耐え、救出されたあとは陣地を壊滅させる事ができたわけだけれど、タルシスやジルワン達と一緒に”炎の丘”に向かっていた主力7人が引き返してきた事もあって、再び危機に陥る。 これを助けたのが、エルシアとジェルフィンデルというわけだ。」
エフェ 「そうだったわね。 んで、”炎の丘”に辿り着いて、秘密の入り口を発見したのよね。」
DM 「そう。 その中でガーディアン・ウォリアーを倒したところまでで前回は終ったんだ。」
フェイグランス 「今回は、最初からダンジョンかー。」
ジョン 「同じ3大魔剣の”ダークスレイヤー”を見つけたのは銀の民の遺跡だったから、今回も遺跡の中ってことになるのかもな。」
エフェ 「そうかもね。 慎重にいきましょ。」
ジョン 「フェイグランスは、エルシアについててあげなくてよかったのかな〜(笑)。」
フェイグランス 「まだ言うかね(笑)。 それよりも、話によるとジャレスもあと1日か2日で陣地に到着する予定だったんだから、陣地が壊滅しているのを見たら急いでこっちに来るかもしれないよ。」
エフェ 「そうね。 あまり時間がないのは確かだわ。 ジャレスに追いかけられつつ、タルシスとジルワンを追う展開ね。」
イーグル 「実は、とっても不利なのかもな(笑)。」
ルイ 「うーん。(メモを見て)『火に背きし者、死者を眠らせ、恐怖の橋を渡り、賢さを示し、欲望に打ち勝てば道は開かれる。』って、何でしたっけ?」
フェイグランス 「たしか、タレスティウスからの伝言だったんだよ。 このダンジョンの攻略に関係あるんじゃない?」
ルイ 「ふむ。 覚えておきましょう。 それと、前回も話がでましたが、タルシスとジルワンがここへ来た目的ですが。」
イーグル 「”夜明けの剣”が目的じゃなかったっけ?」
ルイ 「そう推測してはいたのですが、我々は女神やタレスティウスからヒントを貰って探し出したのに、あの人達はどこからその話を聞いてきたんでしょうねぇ?」
エフェ 「古文書を解読したり、あっちの神様のお告げだったりとか?」
ルイ 「まぁ、向こうの陣営には優秀な人が随分いるようですから、古文書の解読もありえるとは思いますが…。」
ジョン 「他に目的があるって言いたいわけ?」
ルイ 「ええ、推測ですが。」
イーグル 「推測って、何?」
ルイ 「うーーーーーーーん…(10秒)…や、実は…」
イーグル 「(遮って)早く言えー!」
ルイ 「あいたた、これから言うところでしたのに。」
イーグル 「スマン。 いつもの気を持たせて黙り込むパターンかと思っちまった(笑)。」
フェイグランス 「日ごろの行いが、物を言うね!」
ルイ 「そんなに行いが悪いですかねぇ。」
エフェ 「悪いわね。」
ジョン 「悪いな。」
イーグル 「悪いよ。」
フェイグランス 「悪いねぇ。」
マリュータ 「…そうだな。」
ルイ 「ま、マリュータまで!!(一同笑) いいですよ。 ふんだ。」
エフェ 「で、何が目的ですって?」
ルイ 「あ、ええ、実はですね。 我々が前回テレポートの暴発で飛ばされた場所は、月の女神の神殿の遺跡だったわけですよ。」
フェイグランス 「そうだったね。」
ルイ 「そこは丘になっていて、その上に神殿が建てられていました。 ここは丘の上には岩しかありませんでしたが、地下には”何か”ありそうです。」
エフェ 「その”何か”が月の女神の神殿だって言いたいわけ?」
ルイ 「ええ、ただ単に”丘”のつながりでしかありませんので、確たる事は言えませんが。」
エフェ 「”丘”だけとは限らないわよ〜。 今あちこちの月の女神の神殿を壊して回っているのは、おそらくジャレスの一党なんだから、もしも”丘”に神殿があるのであれば、あの2人の目的はそれを壊す事になるわね。」
ルイ 「ええ、それに古代の月の女神の神殿であれば、ムーンエンドの三大魔剣の一つが収められていても、不思議はありません。 仮に連中の目的が神殿の破壊でも、先の破壊された神殿を見れば分かる通り、連中は徹底的に破壊しようとしますから、剣を見つける可能性も高いと。」
エフェ 「その方がしっくりとくる考察ね〜。 じゃあ、その考えを元に行動しましょうか。」
ジョン 「ダンジョンを進む事は一緒なんだけどな(笑)。」
イーグル 「たしか、ジョンはデカいダメージをうけて、しかも体力が回復しづらくなってなかったっけ?」
ジョン 「がーん、そうだった!」
DM 「ジョンの体力は18/65か。 ダメージの回復は通常の半分しか効果がないんだ。 今は。」
ジョン 「ううっ、身体が重い(笑)。」
イーグル 「代わりに、前に立ってやるから…って、前回も言った記憶があるな(笑)。」
DM 「さて、前回のおさらいと考察は済んだ?」
エフェ 「オーケーよ。 もっとも、タルシス達の方が何日も先行しているんだから、もう神殿は壊されて、剣も持ち出されているかもしれないけど。」
フェイグランス 「俺達みたいに、ヒントを貰っていなくて足止めを食らっている事を祈ろう。 うん。」
エフェ 「そう言う事ね。」
ジョン 「んじゃ、進もうぜ〜。」
DM 「ほい。 今君達がいるのは、地上から入ってすぐの、3×3の部屋。 前回ガーディアン・ウォリアーを倒した事によって、南壁に扉が現われている。」
ジョン 「扉を開いて、レッツゴー!」
フェイグランス 「君は後ろだよ。(笑)」
ジョン 「がーん、しまった。(笑)」
イーグル 「代わりに俺が。」
DM 「隊列はイーグル、フェイグランスが前で、エフェとマリュータが中央、ルイとジョンが後ろか。」
エフェ 「うんうん。」
DM 「扉を開くと、しばらく通路が続いていて、やがて直線と東に折れる道に別れている。 この分かれ道のところに、メッセージボードがあるね。」
イーグル 「メッセージ?」
DM 「そう。 『前に進めばワナが待っている。 だから東に折れろ。 良き友人からの忠告。』と。」
エフェ 「どうしようかな。」
ジョン 「タルシスとジルワンの意地悪かもしれないけど、まぁ連中はこんな事しないよな。」
ルイ 「そんな暇な事はしないでしょう(笑)。」
エフェ 「じゃあ、東に折れる。」
DM 「では、1ブロックいって、その次で左右に通路が伸びる、T字型の通路になっているね。」
ルイ 「さっきの場所もT字でしたから、ここはH型の通路になっているんですねぇ。」
DM 「そういういこと。 そしてこのH字型の道の真ん中あたりで、声が聞こえてくるんだ。 『お前は猫だ、猫なんだー!』と。」
ルイ 「何を。 私は人間ですよ!」
DM 「全員、対呪文のセーヴィングをどーぞ。」
ルイ 「あら、失敗です。」
エフェ 「あとは、全員成功よ。」
DM 「失敗はルイだけか。 ならばルイは猫になってしまった。」
ルイ 「ニャンですって?!」
エフェ 「喋りが変わってるわよ(笑)。」
ルイ 「そんニャこと言われても。 …ああっ、何故かすごく顔を洗いたいです。 おててなめなめ。 顔フキフキ。」
イーグル 「心までネコ化しているようだな(笑)。」
DM 「言葉も話せるから、安心してくれたまえ(笑)。」
フェイグランス 「おやー。 まぁいいんじゃない。 便利な事もあるよ(笑)。」
ルイ 「それ、慰めてるつもりなんですかニャ?(苦笑)」
イーグル 「このゲームって、カエルになったり、ネコになったり、イヌになったりと、大変だなー。」
ジョン 「待て待て、俺は犬になった事はないぞ(笑)。」
イーグル 「ありゃ、そうだっけ?」
ジョン 「同じ名前の犬が出てきただけだよ(笑)。」
イーグル 「ま、ただの呪いなら、後で解除してやるよ。」
ルイ 「よろしくお願いします。」
フェイグランス 「通路の方はどうなってる?」
DM 「北側に扉、南は3ブロックで東に折れているね。 折れるところに扉。」
エフェ 「そいじゃ、先に北の扉に。」
DM 「扉を開けると、2ブロック四方の部屋になっている。 この部屋の床にはカーペットが敷き詰められ、ダブルのベッドが3つ並んで置かれているよ。」
ルイ 「おお、寝心地がよさそうです。 ベッドに丸まって寝てしまいましょう。」
イーグル 「こらこら(笑)。」
フェイグランス 「いや、フトンで包んでしまおう(笑)。」
ルイ 「フニャー!」
フェイグランス 「このまま”持って”行こう。 ふふふ。」
ルイ 「ああ、悪夢です。」
エフェ 「次は南の扉ね。」
DM 「ほい、ここも2×2。 地面がむき出しの土になっている。」
エフェ 「あ、なんだか嫌な予感。」
DM 「予感的中で(笑)地面から思いがけない速さで、4体のアンデットが現われる。」
イーグル 「ゾンビか?!」
DM 「いや、見た事がないタイプのアンデットだ。 見た目は人型の2足歩行の哺乳類のようでもあるけれど、禿げ上がった頭のあたりが不気味に緑に光っている。」
エフェ 「不気味〜。」
DM 「そのまま、問答無用で襲い掛かってくるので、イニシアチブだ。ええと、こっちからだな。 アンデットとは思えない俊敏さで攻撃してくるが…ありゃ、当たらないな。」
フェイグランス 「よかった。」
イーグル 「アンデットなら、ターン・アンデットだ!」
DM 「ターンは、”レイス”の欄でやってれ。」
イーグル 「意外に、レベルが高いな。 8HD破壊だけど?」
DM 「1体が神聖な力によって破壊され、土に還る。」
イーグル 「よっしゃ!」
エフェ 「ルイはターンは使えないんだっけ?」
ルイ 「使えませんニャ〜。 僧侶じゃなく、ドルイドになってしまっていますからね。 こういう場面での強さはなくなってます。 ついでにネコですしね。(苦笑)」
フェイグランス 「これは、無理しないでイーグルが破壊していくのを支援していけばよさそうだね。」
 
その言葉どおり、4ラウンド目にはイーグルのターンによって全てのアンデットが破壊される。
 
エフェ 「さっすがイーグル!」
イーグル 「ふっふふふ。」
DM 「アンデットが破壊された地点に、それぞれ1つずつアメジストが落ちているよ。」
ジョン 「合計4個か。」
エフェ 「もらっておきましょ。」
 
扉を出て、東への通路を進むと、地面に幅が50ヤードにも及ぶ亀裂が走っており、3つの橋が架けられている。
 
DM 「木の橋と、石の橋と、縄の橋。」
ルイ 「『火に背きし者、死者を眠らせ、恐怖の橋を渡り、賢さを示し、欲望に打ち勝てば道は開かれる。』の”恐怖の橋”の部分じゃないですか?」
エフェ 「なるほど、さっきのは”死者を眠らせ”だったのね。」
ジョン 「”火に背きし者”はなんだったんだろう?」
ルイ 「何だったんでしょうね(笑)。 亀裂のから下を覗いてみますが、底は見えそうですか?」
DM 「いや、光が届く範囲内は底が見えない。」
ルイ 「結構ふかそうですにゃ。」
エフェ 「恐怖の橋なんだから、一番コワソウな橋を渡ればいいのよ!」
ジョン 「石は外すとして、木と縄、どっちが怖いかなぁ。」
ルイ 「縄の方が怖そうですが、私は敢えて木を行きますよ! ネコだーっしゅ!!(笑)」
フェイグランス 「快適なネコライフをおくっているね、君は(笑)。」
ルイ 「送ってませんて(笑)。」
DM 「ネコライフはともかく(笑)無事に渡りきったよ。」
フェイグランス 「おー。 じゃあ俺も木にしよ。」
DM 「途中で燃え上がった(笑)。 そのまま橋が折れて、君は底に向かって落下する。」
フェイグランス 「あーれー!!」
エフェ 「あっははは、さらばフェイグランス(笑)。」
イーグル 「笑ってていいのか?」
エフェ 「あれくらいで死なない死なない(笑)。」
DM 「フェイグランスはずーーーっと落ちていくよ。 何かする事はある?」
フェイグランス 「うん、レビテート(空中浮遊)の呪文だ!」
DM 「ほい。 君が呪文を唱え終わった時、突如底の方から炎の柱が吹き上がり、ダメージを食らう。 9ポイントね。」
フェイグランス 「あちち。」
DM 「んで、気がつくとカーペットが敷かれた部屋の、ダブルベッドに寝ている。」
フェイグランス 「なるほどね、こういう仕掛けか。 急いで戻るよ。」
DM 「エフェ達の後ろからフェイグランスが現われる。」
イーグル 「なんで後ろから現われるんだ? わけわかんねーな(笑)。」
エフェ 「まるで、落ちコントみたいね(笑)。 定石だと落ちた人がまた上がってくるんだけど(笑)。」
フェイグランス 「それをやろうとして呪文を唱えたんだけどね(笑)。 仕掛けにやられたよ。」
ジョン 「つーことで、恐怖の橋ってのは縄の橋のことでよかったんだな。」
エフェ 「渡ろう渡ろう。」
DM 「はい、全員無事に渡りきった。」
ルイ 「あとは、”賢さを示し、欲望に打ち勝てば”のみです。」
ジョン 「賢さか…リドル(謎かけ)でもあるのかな?」
ルイ 「あったら、また頼みますよ〜。」
ジョン 「任せとけ!」
DM 「橋を渡りきったところから2ブロックで、3ブロック四方の部屋になっており、北に黒い扉、東に赤い扉、南に黄色い扉がある。 あと、ルイのネコ化の効果が切れて人間の姿に戻る。」
ルイ 「なんですか、折角快適なネコライフを満喫していたというのに(笑)。」
フェイグランス 「やっぱり、してたんじゃないか(笑)。」
イーグル 「解呪の手間が省けたな。」
エフェ 「しかし、思わせぶりな扉よねー。 何か謎かけの言葉とかが聞こえてこないの?」
DM 「聞こえてこないね。」
エフェ 「うーん。 それじゃあ適当に、黒にしましょ。」
DM 「北に続いていて、3ブロック目でT字路だ。」
 
黒い扉の中の通路をくまなく探し回ってみたものの、先に進む通路や扉はまったく見当たらない。
 
イーグル 「シークレットドア(隠し扉)かな?」
DM 「(ダイスを振って)見つからないねー。」
エフェ 「ただの通路だけっていうのも、怪しいわよね。 まぁ、とりあえず今度は東に。」
DM 「扉を開けると、1ブロックだけ行って行き止まり。」
ルイ 「1ブロック四方の部屋があるだけ、みたいな感じですか。」
DM 「そういうことだね。」
ジョン 「うーん、怪しい。」
ルイ 「シークレットドアを探ってみましょう。」
DM 「ドアの代わりに、罠があるんだな(笑)。 アロースリット(小さな穴から矢が飛び出す仕掛け)があって、それがイーグルとルイに向かって飛んでくる。 ルイが4、イーグルに2のダメージ。」
ルイ 「あいたたた、陰険です。」
エフェ 「銀の民の遺跡って、罠が多いのね。」
ジョン 「ここって、そうなんだっけ?」
エフェ 「推測ではね。」
ルイ 「さて、南に行ってみましょう。 黄色い扉を開けます。」
DM 「南に2ブロックいって、西に折れる。」
フェイグランス 「また何かあると悪いから、通路の角からそーっと覗いてみよう。」
DM 「通路を曲がって、少し行ったところに長さが1.5mくらいの細長くて黒い何かが床に転がっている。」
フェイグランス 「何だろう? ちょっと近寄って見るか。」
DM 「それは、焼けこげた人の死体だね。」
フェイグランス 「うぉあー。 カクカクシカジカ。 戻って報告。」
エフェ 「この先に、なにか火を操る敵でもいるのかしらね〜。」
ルイ 「その死体が最近のものならば、ジルワンやタルシスの一行の人が、先にここを通った事になりますが…。」
エフェ 「ともかく、行ってみるしかなさそうね。 皆戦闘の準備だけはしておいてよ。」
イーグル 「OKだ。」
 
クネクネと曲がる通路の先を進んだ先で、一行はサラマンダー(火トカゲ)の襲撃を受ける。
 
DM 「地面の亀裂から、炎を纏ったトカゲのような怪物が現われる。」
ジョン 「こいつが、さっきの死体の答えか!」
ルイ 「サラマンダーは、近寄るだけで炎によるダメージを受けますから、なるべく離れて戦って下さい。」
エフェ 「ファイヤー系の呪文は効かないんだろうなぁ。 苦手だわ、こういうの。」
DM 「イニシアチブはこちらから。 離れたがっているところ悪いんだけど、コイツは突撃してくるから(笑)。」
エフェ 「うわーん!」
DM 「フェイグランスに当たって、3ポイント。」
フェイグランス 「ダメージ自体はたいしたことがないのかな?」


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