ムーンエンド・キャンペーン第一部 第15章 【勝利の眠る島】

 

DM 「さぁ、皆さん最終回ですよ。」
ルイ 「最終回ですねぇ。」
ジョン 「最終回だねぇ。」
エフェ 「マスター、気になることがあるんだけど?(挙手)」
DM 「はい、エフェさん。」
エフェ 「これまでに、未解決の伏線が随分あるように思うんだけど、気のせい?」
DM 「気のせいじゃないよ。」
エフェ 「今回だけで全部解決するくらい、このシナリオは長いのかしら?」
DM 「いーや、長くないね。 正直に言うと、未解決のまま残る伏線もあるよ。」
エフェ 「それって…。」
DM 「そう。 このキャンペーンは第一部が終わっても、第二部が予定されているんだ。」
ジョン 「おおー!」
ファルス 「キャラはこのまま?」
DM 「その予定だけど、今回で死んだりしたら新キャラになる事もあるかもしれないから、気をつけて。」
フェイグランス 「マリュータみたいな死に方をすると、復活できないもんね。」
ルイ 「ええ、死ぬなら復活できるように、遺体を残してください。 あなただって、前回デスインテグレイト(原子分解)の呪文を食らって、復活できなくなる所だったじゃないですか。」
フェイグランス 「リングの力で助かったけどね。気をつけるよ。」
ルイ 「二部まで行くのが正式に決定したとなると、私もドルイドに転職してプレイできそうです。 僧侶のファルスと一味違った支援ができますよ。」
ジョン 「それなら、俺も聖騎士(パラディン)になりたいなぁ。 僧侶の呪文も使えるようになるし。」
ルイ 「夢が膨らみますね(笑)。」
エフェ 「そうね(笑)、さぁ、DM、始めちゃって。」
DM 「了解だ。 君達は最後の『ビクトリーワンド』が眠るという島に辿り着くべく、ゲルガランの塔で手に入れた魔法のガレー船で航行中に海賊に襲われ、君達が持っていたビクトリーワンドを盗まれてしまうが、なんとかその海賊を撃破して、ビクトリーワンドを取り戻すのに成功している。 しかし、途中の戦闘でガレー船の一部を破壊されてしまい、5日のタイムロスとなってしまった。」
ルイ 「ガゼリアの話では、島に行く方法はこの船を使うだけではなく、別の危険な方法もあるとの事でしたね。」
DM 「そのとおり。 従って、向こうでマスター達と鉢合わせする可能性は充分にあるので、気をつけようね。」
ルイ 「その、危険な方法をつかって、マスター達が消耗してくれていれば言う事ないんですがね。」
エフェ 「それはどうかしらね〜。 悪役は悪運が強いものと決まっているのよ。」
ルイ 「もっともです。」
DM 「そんなわけで、前回から比べると少し薄くなったものの、相変わらず立ち込める霧の中、島を目指して航海しているわけだ。」
ジョン 「前回の戦闘で漕ぎ手が減ってるだろうから、俺も手伝うぞ!」
ルイ 「私は釣り。」
フェイグランス 「俺も釣り。」
ルイ 「あなたは素潜りで魚を捕ってくるんですよ!(ぐいっ)」
フェイグランス 「あーれー、落とされる〜!」
DM 「このあたりにはサメがうようよいるよ。 海面に背ビレがいくつか(笑)。」
ルイ 「今日はサメのスープですね!!(ぐいぐい)」
フェイグランス 「ばっ、馬鹿、やめろ〜!(笑)」
ジョン 「最後まで緊張感のない奴等(笑)。」
ファルス 「僕はマストの上から見張りだ。 下でなんか遊んでいる人達も見えるけど(笑)。」
エフェ 「私は船室で休んでるわ。」
DM 「海の方は、大分陸から離れた事もあって、それなりに波はある。 しかしそれも問題になるほどではなく、船旅は順調に進んで行くよ。」
ジョン 「もう、船の上では襲われないような気がするな。」
ルイ 「敵も、そこまで根回ししている時間はないでしょうしね。」
ジョン 「島にあるビクトリーワンドって、どんな場所に保管してあるんだろうな?」
ルイ 「そりゃ、おそらく建物の中でしょう。」
ジョン 「そんな辺境の島に建物なんてあるか?」
ルイ 「昔、銀の民の神殿があったとか。」
ジョン 「なるほど。それなら考えられるな。 しかし、銀の民の遺跡と言うと、嫌な思い出しかないんだよなぁ〜。」
フェイグランス 「そうそう、毎回罠だらけでねぇ〜。」
ジョン 「ダークスレイヤーみたいな、魔法の物品があったりもするけど。」
ルイ 「そのダークスレイヤーですが、そろそろその剣の作られた『目的』とやらに近づいている気がしませんか?」
ジョン 「目的?」
ルイ 「ええ、前に思った事なんですけど、その剣は使う事が目的なのではなくて、何か果たすべき目的の為に作られたのではないかと。 剣だから、何かを倒すとか。」
ジョン 「マスター相手だったら、普通の剣でも何とかなりそうな気がするけど…いや、まてよ。 マスター自体、何かに操られているかもしれないって事か? もっとデカイ敵がいるとか。」
ルイ 「ええ、流石ですね。そういう事だと思いますよ。」
フェイグランス 「これまでに出てきた大物の敵の名前を挙げてみると…えーと(リプレイのノートをめくって)ガリュバナ、マルドール、悪霊、マスター、ガゼリア、ジャレス、ミラーナイト、銀の民?他にもいたっけ?」
ルイ 「ジョンの持つのはムーンエンドの3大魔剣の一つ、ダークスレイヤーですからねぇ。きっとかなりの大物ですよ。 ふふふ、楽しみ♪」
フェイグランス 「まともに戦いたくないような相手なんだね、きっと。」
ルイ 「まぁ、2部以降に出てくる様、DMが変更しているかもしれませんから(笑)。」
DM 「お楽しみに(笑)。」
ジョン 「今の会話を聞いて、ライト(ダークスレイヤー)は何もいわないの?」
DM 「うん、何も。」
ジョン 「うーむ。 フェイグランスの『シルバー』が3大魔剣の残り2つのうちどっちかと言う事は?」
DM 「さてね。」
フェイグランス 「3大魔剣と言うには、ちょっとインパクトに欠ける気がするなぁ。 良い剣ではあるけど、エルフ以外が使うと弱くなっちゃうし。」
ルイ 「さしずめ、今は釣竿の代りですか。」
フェイグランス 「うん、手ごろな棒がなかったんでね。横向きに使えばしなりそうだし(笑)。」
エフェ 「ありがたみのない使い方ね(笑)。」
DM 「さて、見張りをしていたファルスは小さな島を発見した。 森に覆われていて、中央には岩山がそびえている。 そして何と言っても特徴的なのは、紫色の光に包まれている事。」
ファルス 「ルイ、島がみえたぞーぉ。 しかも、紫だ!」
ルイ 「なんですか? 面妖な。 紫のシマだそうですよ、フェイグランス。」
フェイグランス 「紫のシマシマだってさ、ジョン。」
ジョン 「村のシマウマがどうしたって?」
エフェ 「アンタ達の伝言ゲームは最悪ね(笑)。」
フェイグランス 「で、実際は何だって?」
エフェ 「自分で見て確かめればわかるでしょ(笑)。」
フェイグランス 「あら、島だ。 思うに、あの紫の光が…」
ジョン 「この船が必要な理由なんだろうな。」
DM 「そういう事。 船はその紫の障壁に触れる事になるんだけど、船が触れた部分から障壁が解除されて、君達が通り過ぎた後にまた閉じている。」
ルイ 「ふーむ、本当に何事もなく済みましたね。」
ジョン 「その為の魔法の船だからな。」
DM 「島に近づくに従って分かる事なんだけど、この島を覆っている森の木の高さは、一番高いものでも10フィート(約3メートル)程もない。」
ファルス 「高山植物みたいなもの?」
DM 「いや、本来は30フィート(約9メートル)に届く様な木の種類なんだけど、木の幹が真っ直ぐに伸びず、複雑に捻じ曲がって伸びている為に、幹の長さに対して高さがないんだ。」
エフェ 「不気味よね〜。 何かありそう。」
DM 「木々の葉も心なしか黒ずんで見える。」
ファルス 「岩山の上に、神殿や遺跡は見えない?」
DM 「残念ながら、霧のせいでそこまで見る事ができないよ。」
ファルス 「あ、そうか。」
DM 「島の周りはごつごつとした岩場になっている為、船長が停泊できそうな場所を探して船をすすめると、来た方向と反対側の海岸に砂浜を見つけたよ。 船長はここで船を停泊させて、上陸用の小船を用意する。」
ジョン 「ありがとう。 ●×▽船長。(笑)」
DM 「そういえば、名前がなかったな(笑)。 レオン船長と言う事にしておいて。」
ジョン 「ありがとう、レオン船長(笑)。」
フェイグランス 「それじゃあ、行こうか。」
ジョン 「あ、待って。 レオン船長、もしもここが危険になったら、俺達にかまわずに島を離れてください。」
ルイ 「いいんですか? そんな事言っちゃって。」
ジョン 「俺達だって、絶対に勝てる保証はないんだし、仕方ないだろ?」
エフェ 「ま、いいでしょう。」
ジョン 「おーし、行くぞ!」
DM 「船長は『必ず無事で戻ってこいよ〜!』と言って、手をふっている。」
ジョン 「おーう!」
DM 「そうして、君達は砂浜に向かって船を進めていると、砂浜の奥の森から人影が現れる。」
ジョン 「む!早速敵か?! 立ち上がって剣に手をかけるぞ!」
ルイ 「あ、それは…!」
ジョン 「どうした?」
ルイ 「いえ、でも、それはやっぱり…!」
ジョン 「相変わらず、もどかしいぞ!(笑)」
DM 「小船の上で立ち上がったんだったら、敏捷のチェック。 失敗すると、小船ごと転覆ね。」
ジョン 「うわー、シマッタ! 転覆〜。」
フェイグランス 「ざっぱーん!」
エフェ 「な、なにやってるのよー!」
フェイグランス 「人影の方はどう?」
DM 「呆然と立ち尽くしているよ(笑)。」
エフェ 「敵じゃ…なさそうね?」
フェイグランス 「水から上がって、確かめてみるよ。 知ってる人?」
DM 「うん。エルムさんだ。」
エフェ 「うっわー、情けない所を見られちゃったじゃないの。」
ルイ 「いえ、これが私たちのカラーなんですよ(笑)。」
フェイグランス 「間違ってないけど、ちょっと否定したくなるよね(笑)。」
ジョン 「みんな、最終回なんだから、しっかりしようぜ!」
エフェ 「今のは、あんたの所為でしょうが(笑)。」
ルイ 「(エルムに)エルム様、こ、こんにちは。 こんな所でお会いするとは。」
エルム 「ああ、君達も元気そうで(笑)何よりだ。 落ち込んでいるのではないかと、心配していたのだが。」
ルイ 「ええ…って、ああ、ラルフさんから聞いたんですね。 マリュータは残念でしたが、ここでめげていては彼の死が勿体無いですからね。」
エフェ 「でも、どうしてエルム様がここに? 軍の方は大丈夫なんですか?」
エルム 「ガゼリアが倒れた事で、反乱軍のうち、アンデットの軍が消滅したのでね。 戦いは我が軍に有利に動き始めた。 軍の方はラルフとウィリアムに任せておけば大丈夫だろう。 おそらく、今はルードの町付近で戦っている筈だ。」
ジョン 「やっぱり、アンデットは止まったのか。」
ルイ 「良かったですよねぇ〜。」
エルム 「しかし、ルード攻略が終わったとしても、未だに予断は許さない状況だ。 南の貴族連合軍がルードの軍と呼応して不穏な動きを見せているし、マスターがビクトリーワンドを3本そろえてしまえば、どのような状況でも戦局は彼に傾く。 そこで、私は君達に加勢するべく、この鎧の力を使い、別プレーンをとおってここまで来たのだ。」
ジョン 「なるほど。」
エフェ 「別プレーンって、普通の人間でも入れるの?」
DM 「いいや、エルムの着ている特別な処理を施された鎧がなければ、入れないよ。 但し、この鎧を着て入ったとしても、別プレーンには強力なモンスターや、こちらの世界と異なる常識などに支配されている為、大変危険なわけだけど。」
エフェ 「それで、ガゼリア達も船を使おうとしたわけね。」
DM 「そういうこと。 他になにか聞きたい事があれば、今のうちにエルムさんがこたえてくれるよ。」
ジョン 「王女のスリーサイズとか(笑)。」
エフェ 「馬鹿〜!」
ルイ 「し、知りたいですね…。」
エフェ 「こら(笑)。」
DM 「あいにくエルムは王女のスリーサイズは知らないそうだよ。」
エフェ 「うわーっ、今のなし、今のなし! 真面目に答えなくていいから(笑)。」
DM 「はいはい(笑)。」
ルイ 「さて、確認なんですが、ラルフさんは無事にそちらに合流されたのでしょうか?」
DM 「うん、先程のエルムの話にもあったとおり、海岸の村で手当てを受けた後、無事に王軍に合流しているよ。」
ジョン 「マスターの正体は、ホバートさんで間違いないんだよね?」
DM 「その通り。」
ファルス 「ホバートさんって、誰なんだっけ?」
ジョン 「エルムさんのお兄さんで、第二王位継承者。」


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