ムーンエンド・キャンペーン第一部 第13章 【魔女】

 

DM 「さて、はじめましょうか。 暗鬱とした空の下に海が広がっている。 君達はランカスター王国東部の海岸地帯にいるわけだ。 海沿いに幾つかの丘のようになっている場所があって、君達はそこにいる。 視界のずっと向こうの方には断崖になっている地形も見えるよ。」
フェイグランス 「断崖、絶壁、ウミネコ、波の音〜♪」
エフェ 「たのしそうね、フェイグランス。」
フェイグランス 「はじめて見た海だからね。珍しくて仕方ない。」
DM 「そうだね。 前回君達はシャスターでルードの東120マイルの距離に浮かぶ島に最後のヴィクトリーワンドがあると言う話を聞き、そこへ行く為の特別な船を手に入れて、ようやく海岸線まで辿り着いたと言うわけだ。」
ルイ 「途中、いろいろありましたけどね。」
ファルス 「さっそく、船を浮かべる?」
ルイ 「あっと、待ってください。 このままじゃ船は動きませんよ。 何しろガレー船(沢山のこぎ手が乗船し、大量のオールで進む船。)なんですから、こぎ手がいないと。」
ファルス 「ああ。そうか。 こぎ手を探さないといけないんだね。」
ルイ 「近くに町とか村でも探して、こぎ手を募集しましょう。」
エフェ 「だからと言って、ルードで募集するわけにもいかないわよねぇ。 バレバレになっちゃう。」
ルイ 「敵の本拠地ですからね。ルードは。」
ジョン 「ルードにも行ってみたいけど、仕方ないな。」
フェイグランス 「千里眼の呪文で探してみよう。 ウミネコの目を借りるね。」
DM 「それならば、上空からの様子が見えるね。 海岸沿にいくつか丘が連なって、その向こうにいくつか細い煙が立ち昇っている。 どうやら暖炉か何かの煙のようだ。 ウミネコがそちらの方に飛んでいくと、やがてそれが大きな村だと言う事が分かる。 海岸には幾つも船が停泊している。 また、女性が井戸の周りで何事か作業をしているのが見える。」
フェイグランス 「よしよし、皆に報告。」
ルイ 「村と言う事は、ルードの町とは違うんですね。」
エフェ 「行ってみよう。 実は食料もあと残り少ないのよ。」
DM 「はい。到着までそれほど時間はかからないよ。」
ファルス 「普通に村に入っていいかな?」
ジョン 「衛兵とかがいなければ、いいんじゃないか?」
DM 「衛兵や兵士の類は見当たらない。 村の中で子供が遊ぶ声や、炊事の音が聞こえる。」
ファルス 「のどかな光景だね。 今戦争しているってのに。」
ジョン 「まぁ、村の中に入ってみるか。」
DM 「はい。 村の中ではやはり子供が遊んでいたり、女性が仕事をしていたりする。 あとは海岸に船が幾つも置いてあって、ここが漁師の町と言う事が分かるね。 実際、船が置いてあるあたりには魚をおろす場所とかがあって、その周りに荷車なんかも置いてある。」
ジョン 「男の人はいないの?」
DM 「とりあえず、見当たらないね。」
ジョン 「うーん、おかしいな。」
ファルス 「なんで?」
フェイグランス 「漁に行っているとか。」
ジョン 「ん?いや、そうかとも思ったんだけど、それだったら船が無くてもいいのかな、と。 まぁ、全部の船が漁に行っているわけじゃないのかもしれないけどな。」
ルイ 「なるほど。 DMの描写ミスじゃないですよね?」
DM 「お、おう。 船は沢山おいてあるよ。」
ジョン 「もう少し、歩き回ってみるか。 どこかに集まっているのかもしれないし。」
DM 「そういうジョンに、マリュータが話し掛ける。『いま見回ってきたが、どこにも男はいない様だ。』と。」
ジョン 「お、早いなぁ。」
エフェ 「まぁ、女の人は歩いているんでしょうから、適当に話しを聞いてみましょ。」
ジョン 「だな。」
DM 「君達の近くになら、20代後半くらいの女性が1人、歩いているよ。」
エフェ 「はい、みんなあの人を呼びとめて。」
ファルス 「あのー。」
フェイグランス 「すみませーん。」
ジョン 「ちょっといいですかー?」
ルイ 「ふっ、そこのお嬢さん。 ワタシと一緒に…(エフェ「こらこらっ!」)。 なんですか?もう。」
エフェ 「誰もナンパしろなんていってなーい!(笑)」
DM 「女性は君達をちょっと驚いたような様子で見たあと、そそくさと去って行く。」
エフェ 「ホラ、ルイが怪しいことするから。」
ルイ 「それにしても、驚く事無いじゃないですか。」
エフェ 「仕方ない、他の人を探しましょ。 フェイグランス、ちょっと人を探してきて。」
フェイグランス 「あいあい。 すたすた。」
ジョン 「なんでフェイグランスなんだ?」
エフェ 「人当たりはよさそうでしょ?」
ジョン 「エルフだから、珍しがられて警戒されると思うんだが…。」
エフェ 「ああ、そう言えばそうだったわね。忘れてたわ。」
ルイ 「エルフらしくないと(笑)。」
フェイグランス 「ほっといてくれ(笑)。 エフェに散々影響された結果なんだから。」
ルイ 「なるほど、それで高慢な部分が無いんですね。」
フェイグランス 「そういうのは全部エフェに削り取られたよ(笑)。」
エフェ 「馬鹿言ってないで、さっさとつれてきなさい!」
ルイ 「くわばらくわばら。」
エフェ 「ギロ。(ルイを睨む)」
ルイ 「どき。」
DM 「はい、フェイグランスは村の女性が集まっている所を見つけたよ。」
フェイグランス 「井戸端会議かな? こんにちはー。はじめまして。」
DM 「声をかけたのか。 では、女性達は、やはり驚いたような表情を浮かべて、皆で顔を見合わせて、時々君の方を見たりしながら、ひそひそと話しをしている。」
フェイグランス 「うわっ、苦手な状況。」
DM 「と、その時、どこからか笛の音が聞こえてくる。 祭の時に演奏されるような、軽くて早いテンポで、本当に祭だったら思わず踊ってしまいたくなるような旋律だ。」
エフェ 「その音は、私たちにも聞こえるの?」
DM 「うん、村中に響き渡っているからね。 そして、その笛の音を聞いた村人達は顔色を変え、クモの子を散らした様に逃げ去って行く。」
フェイグランス 「みんなどうしたんだろう。」
DM 「理由はすぐに分かるよ。 村の外から長さが40フィート(約12メートル)程もある巨大な蛇が現れて、君に向かって牙をむくからね(笑)。」
フェイグランス 「あ、あれぇ?(笑)」
DM 「フェイグランスの姿をみると鎌首をもたげるので、蛇の姿は他の皆の所からも見えるよ。 」
エフェ 「あら、蛇だ。」
ルイ 「蛇ですね。」
ジョン 「じゃあ、この笛の音は蛇使いの笛なのか?」
フェイグランス 「冷静に分析していないで、助けにきてよ(笑)。」
ルイ 「はいはい。じゃあゆっくり行きますか。(笑)」
ジョン 「蛇なんかにやられるなよー。」
フェイグランス 「このー。後で見てろよっ!(泣)」
DM 「さ、イニシアチブだ。」
 
この大蛇は「カルカンチア・ロックパイソン」と言い、巻き付き攻撃を得意とする。
 
フェイグランス 「よーし、命中して8ポイント。」
DM 「こっちも命中だけど、ミラーイメージが1体消えるだけか。」
フェイグランス あと1体しか残ってないけどね。
DM 「ふーむ。結構邪魔だな。」
フェイグランス 「巻き付かれてたまるか〜!」
DM 「次のラウンドで、エフェとマリュータが到着するよ〜。 ファルス、ルイ、ジョンは重い鎧を着けているから、さらに次のラウンドね。」
エフェ 「はい、このラウンドから攻撃よ。イニシアチブ〜!」
DM 「む、こっちからか。 蛇は(ダイスを振って)やはりフェイグランスに攻撃して、はずれ。 マリュータはダガー・オブ・フレイム(炎を発生する短剣)を抜く。」
エフェ 「ああ、前回に塔で手に入れた短剣ね。」
ルイ 「野生の動物相手なら、効果的かもしれなせんね。 マスター。 敵は炎に脅えている様子はありますか?」
DM 「いいや。 視界に炎は入っている筈なのに、全く気にも留めていない様だ。」
エフェ 「だれかに操られているのかもね。」
フェイグランス 「うーむ。 聞いてみたって答えてくれる敵じゃないしなぁ。 とりあえず攻撃。外れ。」
エフェ 「様子見でマジックミサイルを溜める。 あとで一気に撃つんだ♪ あと、前回ペットにした豹に攻撃させるわ。 ダメージは2ポイント。」
DM 「では、次のラウンドと。このラウンドからは全員行動していいよ。 イニシアチブはこっちと。」
エフェ 「マスター、イニシアチブ強い〜。」
ルイ 「ですねぇ。」
DM 「ははは、文句はダイスに言ってくれ(笑)。 さて、攻撃。目標はジョン、フェイグランス、マリュータ、ファルス、ルイ、豹かな。 んじゃ、8面ダイスで…豹だ。」
エフェ 「えーっ!? 当てないでよ?」
DM 「あ、当たった。ダメージ6。 しかも巻き付いた。(笑)」
エフェ 「えー!」
ルイ 「蛇とかはこれがありますからねぇ。やっかいです。」
エフェ 「納得していないで、早く助けなさい! ワタシはマジックミサイル合計6本で25ポイント!」
DM 「まだ死なないね。」
ルイ 「攻撃。 あ、外れた。」
ファルス 「同じく。」
フェイグランス 「同じく(笑)。」
ジョン 「あたったけど、4ポイントだ。」
エフェ 「イニシアチブかな? 2!」
DM 「3だ。こっちからだね。」
エフェ 「うわーん、またまけたっ!」
DM 「ダメージは6。」
エフェ 「し、死んでる〜!」


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1991年当時、ノートに書いたフェイグランス