ムーンエンド・キャンペーン第一部 第12章 【旅】

 

DM 「飛び出してきたのは黄色に黒の斑文が美しい、豹と呼ばれる肉食獣だ。」
フェイグランス 「豹か…。」
エフェ 「フェイグランス。できれば、生かして捕らえてくれる?」
フェイグランス 「いいけど、どうして?」
エフェ 「さっき塔で手に入れた、『アニマルコントロールリング』をつかってみたいの。 豹を連れて歩くなんてカッコイイじゃない♪ 戦力にもなるし。」
フェイグランス 「なるほどね。」
DM 「では、イニシアチブー。」
 
豹は、既に一行の相手にはならなかった。
 
ジョン 「うりゃ、みねうちで6ポイント。」
フェイグランス 「同じくみねうちで6ポイント。」
DM 「はい、豹は気絶しました。 あっけなかった〜。」
フェイグランス 「不意さえうたれなきゃね。」
DM 「『あ、あなた方は一体…』とか、執事が震えているけど(笑)。」
エフェ 「私たちは、只の旅の冒険者だってば(笑)。 さて、アニマルコントロールリングをつかお♪」
DM 「ふむ。 コントロールされた。 豹はAC6で、ヒットポイントは12だ。」
エフェ 「やったー!」
DM 「通路は行き止まりになって、10フィートほどの上に続く梯子があるよ。」
ルイ 「注意して出ましょうね。一応。」
ジョン 「じゃ、俺から。」
フェイグランス 「2番〜。」
DM 「はい、ジョンが上についた。 落とし蓋があるよ。」
ジョン 「そっと開けて、外を覗いてみよう。」
DM 「残念、鍵がかかっているんだな(笑)。」
ジョン 「なにー! マリュータ、来てくれ。 おい、フェイグランス、一旦降りるぞ。」
フェイグランス 「面倒な作りになってるなぁ。」
DM 「マリュータが落とし蓋の所で針金を取り出してしばらく作業すると、やがてピーンと音がして鍵が開いた。 マリュータはジョンに小さく頷いてみせて、ひらりと階段から降りる。」
ジョン 「結構渋い役どころだな、マリュータって。」
エフェ 「そうね、NPCならではの寡黙さも(笑)。」
フェイグランス 「プレイヤーがいると、どうしても話したくなるからね。」
DM 「そういう時は、行動だけ言ってもいいんだよ。」
ルイ 「寡黙なフェイグランスなんて想像もつきません。カンベンしてください。」
フェイグランス 「君もね、ルイ(笑)。」
ジョン 「さ、あけるぞー。 ゆっくりと。」
DM 「はいはい。落とし蓋を少し持ち上げると、外の月明りと、館の火事の明りが入ってくる。」
ジョン 「周りに人の気配は?」
DM 「(ダイスを振って)感じられないね。」
ジョン 「おっし、素早く飛び出して、剣を構える!」
フェイグランス 「ジョンに続く!」
DM 「OK。 しかし周囲に人や動物の気配はない。 君達が出てきたのは館の裏にある森の中だね。 背後で赤い炎を上げながら館が崩れていく。」
フェイグランス 「猫達はどうしたんだろう?」
DM 「普通の猫は火事になったと見るや、いち早く逃げ出しているよ。 安心してくれ。」
フェイグランス 「ほっ。 周りを探索してみて、危険が無いようだったら皆を呼ぶ。」
DM 「うん、特に危険はなさそうだね。」
ルイ 「はー、やれやれ。どっこいしょ。 大変な目に遭いました。」
ファルス 「今回はルイのセクシーショットが見れたと(笑)。」
ルイ 「カンベンしてくださいよ。まったく(笑)。」
ジョン 「麻薬の産地とか、送り先とか詳しく調べたかったんだがなぁ。」
ルイ 「先に燃やされてしまいましたからね。 なかなか用意周到な連中です。」
エフェ 「あそこでガゼリア本人とかが出てくるよりはいいんじゃない?」
ジョン 「まぁな。 一応、火をつけたと思われる奴を探してみる。」
DM 「残念ながら、とっくに逃げ出したようだね。 馬の蹄の跡だけが残っている。」
ルイ 「馬で逃げ出したんなら、もう追いつけませんね。 それに、馬で移動するくらいだから下っ端なのでしょう。」
ジョン 「連中なら、テレポートだろうからなぁ。」
エフェ 「執事さんは無事?」
DM 「エフェがコントロールした豹に脅えつつも(笑)、無事だよ。」
ジョン 「それじゃ、海に向かおうか。」
エフェ 「そうね。 執事さんはどうする?」
ジョン 「俺達と一緒に来ても危ないかもしれないからな。 どこか街道まで送って別れよう。」
ルイ 「キチンと、食料も渡してあげますよ。 あと、私の予備のマントと。」
フェイグランス 「それじゃ、俺は路銀を100GPほど。」
ジョン 「護身用にダガーをあげよう。」
ファルス 「僕は聖水をあげよう。 水が無くなったら飲んでもいいし(笑)。」
エフェ 「それじゃ、さよーならー。」
DM 「『ありがとうございます。お達者で〜!』と言って執事は行ってしまった。」
エフェ 「そういえば、もう夜なんだけどどうしよう。寝る?」
ジョン 「いや、すっかり目がさえちゃたからな。」
フェイグランス 「だねぇ。 暫く歩こうか。」
DM 「はい。 月と星の明りに照らされつつ、海岸へ向かって進むと、やがて君達の目の前に雄大な海が姿をあらわした。。」
ルイ 「おおー。遂に来ましたね。」
フェイグランス 「海なんてはじめて見た。」
エフェ 「はじめてー。」
ジョン 「珍しいよな〜。」
ファルス 「僕は前にも見たかな。」
DM 「ファルス以外ははじめてなんだ(笑)。」
ジョン 「ファルスって生まれはどこなの?」
ファルス 「ハーディアルの山の方だよ。 あ、ハーディアルって言うのは北西にある、隣の国ね。」
ジョン 「ふーん。 初めて知った。」
フェイグランス 「うわっ、この水しょっぱいぞ!」
ルイ 「本当ですね。 海の水がしょっぱいっていうのは本当だったんですねぇ。 塩がどのくらい作れるでしょう…。」
フェイグランス 「時間さえあれば、結構作れるんじゃないか?」
ルイ 「時間か…。時間はないんですよねぇー。」
ファルス 「戦争が始まる前に、海に漕ぎ出して島に着いて、ヴィクトリーワンドを手に入れて、あとはなんとかマスターを倒して(笑)、ヴィクトリーワンドをそろえると。」
ルイ 「やれやれ、難関もいい所です。」
エフェ 「なんとかなるわよ。きっとね。」
ジョン 「そうだな。」
DM 「と、いうところで今回は終わり。 次回をお楽しみに〜。」
一同 「ぱちぱちぱち(拍手)。」
  
ムーンエンドキャンペーン
第一部 第12章・完


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