ムーンエンド・キャンペーン第一部 第10章 【銀の民】

 

”彼等は出来るでしょうか?” 鈴のような声が響いた。”彼等にそのような心があるでしょうか?”
”試してみよう”落ち着きのある声が答えた。 ”彼等がどのような決断を下すのか、試すのだ。”
男は赤い羽飾りのついた帽子をかぶった。 白い髭が胸までたれていた。
”わしが山を下りて導いてやる価値があるかどうか。彼等には試練が必要だ。”
 
DM 「さて、君達の活躍でルメイオ村は解放された。 しかし君達には問題が残されたのであった。 すなわち、ルイとフェイグランスが石になっちゃったこと。」
ルイ 「それは、DMが無理矢理に…」
フェイグランス 「そーだそーだ。」
DM 「無視。 さぁ、どーする?」
フェイグランス 「おおぉーい!」
DM 「石像は口をきくな。 えー、村では勝利を祝っている。 君達はその辺で適当に楽しんでいると。」
ルイ 「ふふふ、私は楽しんでいませんが?」
DM 「えぇい、しつこいな。 さぁ、君は今日休みのファルスの代り。 フェイグランスはマリュータね。 これで文句はあるまい。」
フェイグランス 「ある。」
エフェ 「3人で会話を楽しまないでよ。」
ジョン 「楽しんでいるようには見えないけどな。」
DM 「ぇぇい、すすめちゃうよ。 さて、ジョン。 使いの者がやってきて、『村長の家へ来て欲しい』だそうだ。 ちなみに石像は村長の家にある。」
ジョン 「じゃあ、行こうか。 エフェとファルス、マリュータも一緒に来てくれ。」
DM 「村長の家には『会議室』と呼ばれる大き目の部屋があって、そこにはムーンガード、村長、アレク司祭、レイド老師、そしてウィリアムが集まっている。」
ジョン 「(一同を見回す仕草をして)ん?皆集まってどういうわけですか?」
ムーンガード 「まぁ、座ってくれ。 …あるいはもう知っているかもしれないが、ガゼリアとミラーナイトの軍はまだ残っており、多分のこの村を目指して北上して来ているものと思われる。 その数およそ3000。 あるいはもっと増えているかもしれない。」
エフェ 「それは、例の宝石のせいですね。 あの、死者を操る力を持つとか言う。」
ムーンガード 「そう。 そして私の兵は1500しかいない。 私の目的はむろん奴等反乱軍を倒すことだが、兵力の差があり、うかつに手が出せない。 また、折角平和を取り戻したこの村を戦場にするわけにもいかない。 そこで私は港町ルードを制圧し、反乱軍の注意を引きつけたいと思う。 ルードは彼等の本拠地であり、そこを制圧できれば断然こちらに有利だ。」
エフェ 「なるほどね。」
ムーンガード 「私は明日にでも出発するが、君達はどうするつもりなのか聞きたい。 フェイグランスとルイのことは聞いている。彼等を元に戻すことは出来るのか?」
エフェ 「できない。(笑)」
フェイグランス 「だーっ!やめんか。」
DM 「君はマリュータだよ。」
マリュータ 「戻るに決まってるでしょ。 あの2人がいないと寂しいよ。」
ジョン 「相変わらず、マリュータのイメージが崩れる言葉づかいだなぁ。」
DM 「エフェは知識でチェックだね。」
エフェ 「知識? まかせな……(ダイスを振って)……いで。」
ジョン 「コイツ、20出してるぞ(笑)。」
エフェ 「ふぅ、分からないわ(笑)。」
ムーンガード 「では、2人はずっとこのまま石のままか。」
ジョン 「ちょっと待った!」
マリュータ 「おおっ♪ちょっと待ったがでましたー!」
DM 「あんまり、マリュータのイメージを崩さないで欲しいなぁ。 マリュータは寡黙なの。無口なの。落ち着いてるの!」
マリュータ 「ふっ、…寡黙だぜ。」
エフェ 「そう言っている時点で、既に寡黙じゃないわね。」
マリュータ 「うむぅ。」
ファルス 「どうでもいいですが、ジョンの話を聞いたらいかがです?」
マリュータ 「あー、はい、聞くずらよ。」
ファルス 「なまっちゃ駄目ですよ。」
マリュータ 「うっ…。ま、まぁジョンどうぞ。」
ジョン 「ん、ダークスレイヤーならなにか知っているんじゃないの? 前回何か長々と説明しそうな感じだったし。」
DM 「OKだ。 ダークスレイヤーこと、ライトは次のような話をしてくれる。」
ライト 「この魔法、『ゴーゴンの瞳』はただの石化ではない。 これは銀の民が罪を犯したものに対して使った魔法で、2種類ある。 1つは永遠に石像と化したまま生き、なにかしようとしてもどうしようもない。 もう一つは7日7晩の間、最初の者と同じ苦しみを与え、8日目になると生命を持たぬただの石像となってしまう。」
マリュータ 「うわぁ。だぜ。」
ジョン 「だぜ、をつければいいってもんじゃないぞ(笑)。」
ライト 「ルイとフェイグランスにかけられたのは、後者の方だ。 この魔法を解くには生命無き石像となる前に『生命の泉』の水をかけることだ。」
エフェ 「生命の泉って、たしかエルフの都になかった?」
ジョン 「ん?ルーンホールドか?」
ファルス 「いえ、あそこは遠いですから、8日ではとても往復できません。 カーペットももうありませんし。」
DM 「ファルスの言葉にレイド老人が頷いて話し出すよ。」
レイド 「ネバーレス山の頂上に1つ、銀の民の神殿がある。 そこに生命の泉が湧いていると聞いたことがあるが…。」
ファルス 「あるが…。 ですか。保留付きなんですね?」
レイド 「うむ。 だが山の麓まで1日。 そこから頂上に着くまでには相当な日数がかかるだろう。」
エフェ 「諦めましょう。」
マリュータ 「そんなの、イヤン。」
エフェ 「マリュータ、言葉!(笑)」
マリュータ 「イヤンだぜ。」
ジョン 「駄目だこいつ。」
DM 「そこにティナが飛んでくる。 彼女は酒を飲んでいるらしく、ふらふらとして呂律のまわない口調で話し掛ける。『頂上に行きたいなら、あらし(私)があんらい(案内)してあげるわよぉ。』と。」
ジョン 「案内はいいけど、時間がなぁ。」
ティナ 「門のありかを知っているわよぉ。」
ファルス 「門? 門って、銀の民が作った…」
マリュータ 「ワープする門か。だぜ。」
ファルス 「だよ。」
エフェ 「なの?」
ジョン 「かな?」
DM 「語尾だけで会話しないように(笑)。 彼女の話をまとめると、ネバーレス山の麓近くに門がたっているらしく、その門をくぐると山の中腹頃につくらしい。 そこからは洞窟が伸びており、頂上につづいているらしい。」
ジョン 「また、洞窟か。」
DM 「でも、彼女は洞窟の入り口までは行ったことがあるけれど、中に入ったことはない。 それから、なぜ門があるのかというと…。」
ファルス 「神殿があるからですね。そうでしょう?」
DM 「そう。そのとおり。 通路になっているからね。」
マリュータ 「門は一方通行のタイプ?」
DM 「いや、往復可能だそうだ。」
エフェ 「キマリね。 それしかないんでしょう?」
ジョン 「多分ね。」
ファルス 「ゆっくりもしていられません。 早々に出発しましょう。」
エフェ 「まだ、昨日戦ったばかりで魔法も体力も回復していないのよ?それにもう夜なんだから、明日の朝まで待ってから出発しましょう。 それでもHPは回復しないけど、到着まで1日あれば回復できるでしょ?」
マリュータ 「んだねぇ。」
エフェ 「言葉!」
マリュータ 「んだぜ!」
エフェ 「ちょっと違うよ(笑)。」
ファルス 「しかたないですねぇ。 では出発は明日の朝ということで。 それまでお酒でも楽しんでいてください。ふっ。」
マリュータ 「ちっ。」
エフェ 「あーあ(笑)。」
DM 「うんうん、愛着のあるキャラが突然石にされたら、がっかりもするよねぇ。」
マリュータ 「誰の所為だ、誰の!」
DM 「バリアス。(笑)」
ファルス・マリュータ 「がーん。」
エフェ 「うまいな(笑)」
DM 「さて、ムーンガードも君達と同じく、朝に出発する。」
エフェ 「あ、待った。 生命の泉の水って、運んできても効果がつづくものなの?」
DM 「それについては、普通は効果が無くなるけど、老師が専用の水筒を持っているよ。 それを貸してくれるそうだ。」
エフェ 「わーぁ、便利。」
 
翌日
 
DM 「ジョン、ファルス、エフェ、マリュータ、ティナの5人は森の外れにある、門に向けて出発した。 3月になったということもあり、君達はあたたかい木漏れ日の中を進んでいく。 ティナは君達の周りを飛び回りながら、『もうすぐよー。』と言っているね。」
ファルス 「ピクシーは元気ですねぇ。 まぁ、旅は平和が一番ですよ。」
DM 「その時(笑)、近くの木の影から人間の上半身に馬の下半身を持つ生物、ケンタウロスが現れた。数は6。 手にはランス(馬上で使う長槍)を持っている。」
ジョン 「前の方に出るぞ。」
DM 「OK。 彼等の代表らしき人物が話し掛けてくる。『お前達は、なぜこのような所を通っているのだ?』」
ジョン 「なぜって…うーん、理由を正直に説明しよう。」
DM 「(話を聞いて)『そちらの都合は分かった。だがここは我らの狩り場。 邪魔をするな。』だそうだよ。」
マリュータ 「通り抜けるだけだ。 あなたがたに害を与えるつもりはない。」
エフェ 「そうそう、その調子。」
マリュータ 「だから、許してくれないかなぁ。」
エフェ 「ええぃ、戻ってる(笑)。」
ファルス 「ふふふ、私が…」
エフェ 「こじれるから、駄目。」
ファルス 「心外な。(笑)」
ジョン 「ならば、50gほど渡して、説得してみよう。」
ケンタウロス 「我らは金品などの興味は持たぬ。 即刻立ち去るがよい。」
エフェ 「待った待った。 金品よりも、魔法のスタッフならいかがでしょう?」
ケンタウロス 「それは凄い。 どんな魔法だ?」
エフェ 「ライトニング・ボルト。 但し、1回しか使えないから実験してみせることはできないけど。」
ケンタウロス 「ふむ…。」
DM 「魅力度でチェックをどうぞ。」
エフェ 「魅力! うん、成功よ。」
ケンタウロス 「良かろう。特別だ。」
エフェ 「よーし、よかった。」
マリュータ 「エフェ、いつの間にそんな物を?」
エフェ 「そんな物は…持ってないわよ(笑)。あれは只の棒切れ。」
マリュータ 「悪ですな。(笑)」
エフェ 「なんとでも言って。皆の為よ(笑)。」
ジョン 「悪ー。」
ファルス 「悪党ですね。」
エフェ 「…ぐすん。」


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