ムーンエンド・キャンペーン第一部 第9章 【ルメイオ村の解放】

 

DM 「さて、前回の続きだ。 君たちはレイド老人がピクシーに託した地図の道筋をたどって、無事に『ビクトリーワンド』を手に入れることに成功し、森の中にあった門に飛び込んだところまで行ったんだったね。」
ルイ 「そうです。そうでした。」
フェイグランス 「ルメイオには確かマスターたちの軍勢がいるんだよな。」
ジョン 「早く行ってあげないと。」
エフェ 「かといって、軍隊全部を相手にするわけにはいかないし、困ったわね〜。」
ルイ 「ようやく、全員5〜6、7レベルってところですからね。」
フェイグランス 「立ち後れているずら。」
ルイ 「あなたは成長が遅いんだから、仕方ないですよ。 でも、5レベルにはなっているんでしょう?」
フェイグランス 「そうそう、なったのよ。だから魔術師3レベルの呪文も使えるわけ。」
エフェ 「今は、何を持っているの?3レベルでは。」
フェイグランス 「ウォーター・ブレッシング。 水中でも24時間の間呼吸できる。」
ルイ 「それはなかなか便利ですね。 今度海に潜ってアワビとかとってきてくださいよ。」
フェイグランス 「港町に行ったらね(笑)。」
ファルス 「漁獲権が無いと。」
ルイ 「それは、問題ですねぇ。」
ジョン 「馬鹿言ってないで、村!村に向かうぞ!」
ファルス 「まぁ、行かないことには始まらないし。 どうする?リーダー。」
エフェ 「うん、まずは村人の救出のメドだけでも立てなきゃいけないから、行くわ。」
ファルス 「おお、まともに考えているんだね〜。」
エフェ 「当然!当然よっ!」
ファルス 「でも、その前に門からまだ出てきていないんじゃないっけ?」
DM 「そうなんだよ。(笑)まだ不思議な空間を通っている最中だったんだ。 さて、やがて光が消えるとどこかの家の庭に出てきた。」
フェイグランス 「もしかして、いきなりルメイオ村にきちゃったとか?」
DM 「いや、違うな。 手入れのされていない庭には草が生い茂っており、周りには森が広がっている。」
エフェ 「もしかして、レイド老人の家?」
DM 「そういうこと。」
フェイグランス 「なんだ、レイド老人の家の裏は畑じゃなかったんだな(笑)。」
ルイ 「驚愕の事実ですねぇ〜。」
DM 「それは、君らが勝手に想像しただけでしょうが(笑)。」
 
一行はレイド老人の家で傷をいやすと、ルメイオ村に潜入する作戦をたてる。
 
DM 「あ、そうそう、余談なんだけど、今回も使った銀の民の門と言うのは、2種類あるんだ。 一つは両方に出入り口がある往復型。 そしてもう一つは片方にしか入り口が無い片道型。 後者の方は、一度移動すると戻れないんだね。 今回つかったのも、その後者の方だ。」
エフェ 「へぇぇ〜。」
ルイ 「折角ですから、村の中心まで飛ばす片道型があれば良かったんですけどね。」
ジョン 「マリュータの話だと軍の主力には、ミラーナイトやガゼリアがいるんだよな。」
エフェ 「まともに当たりたくないわね。」
ファルス 「呪文一発でやられたりピンチになる可能性も大きいわけだしね。」
DM 「その件に関しては『ティアが心配ないわ』と言う。 彼らはどうやら南の方で何かを見つけたらしく、主力をつれてそちらに行ってしまっているらしい。」
エフェ 「早く言ってよ(笑)。 そういうことなら、村に潜入するには今しかないわね!」
ジョン 「賛成賛成!」
ファルス 「で、前回言っていた、村人が集められている場所っていうのは分かるの?」
DM 「うん、村の主要な人物は、村長の家に監禁されている。 ちなみに、ティアが話したその中の一人の特徴が、君の母親のそれと一致した。」
ジョン 「うわー、これはばれてるかな。」
ルイ 「何がです?」
ジョン 「俺のかあちゃんだってことがだよ。 一応、敵対しているからな。」
ルイ 「ふむ。連中ならば、それくらいは簡単に調べてしまいそうですからね。」
エフェ 「だからと言って村に潜入するのは、なかなかホネよ。 したところで解決法がある訳じゃないけど。」
ファルス 「多勢に無勢。」
フェイグランス 「まぁ、手掛かりだけでも。」
ジョン 「おれは、かあちゃんの無事だけでも確認したい。」
エフェ 「あたしだけなら、潜入できるけど…。」
フェイグランス 「おれも、多分できるずらよ。」
ルイ 「どちらにしても、まとめて行けば怪しまれるだけですからね〜。 村の周りに柵やなんかは巡らされているんですか?」
DM 「いや、基本的に無い。 村と言うだけあって家はまばらで、全部を囲もうとすると大作業になるからね。」
ルイ 「ならば、どこからでも潜入が可能と。」
DM 「ところがしかし(笑)、先日のコボルト来襲があってから、同じ事が続かないように町の中心部、これは広場とか教会とか、酒場とか、村長の家が含まれるんだけど、その周りにだけは簡単な柵が巡らされているんだ。(笑)」
ルイ 「おのれ、コボルト…(笑)。 柵なんか作る方も作る方です。」
DM 「や、でも実際はまたいで歩けるくらいの大きさなんだけどね(笑)。気休め程度。」
ルイ 「あんまり、役に立ちそうも無い柵ですね〜。 ちゃんと作らなきゃ駄目じゃないですか。」
ファルス 「言っていることが矛盾しているような(笑)。」
ルイ 「ごほん、と、とにかくまとめて行くと怪しまれるでしょうから、各自バラバラに行って、宿かどこかで落ち合いましょう。」
エフェ 「そうね。 じゃあ夕方に宿で合流。 みんなつかまらないようにね。」
ファルス 「あ、リーダーらしい発言。」
ジョン・フェイグランス 「つかまると、助けるのが面倒だからでしょ。」
エフェ 「二人で言わないように!(笑)」
フェイグランス 「ハッピーアイスクリーム♪」
ジョン 「なんだそりゃ?」
フェイグランス 「言葉がダブった時にいうと、アイス奢ってもらえるんだよ。 昔やらなかった?」
ジョン 「やらんわ!(笑)」
DM 「村の近くまでは来た事にして、順に解決していきましょーかね。 まずはフェイグランスから。」
フェイグランス 「あいよ。 村には生活用の水路くらいあるよね?」
DM 「うん、村の中にはそんなに大きくないけど、飲料水にも使われている川が流れているから。」
フェイグランス 「ならば、村の近くまで行ったらウォーターブレッシング(水中呼吸)の呪文を使って、川の中を移動して村に入る。」
DM 「それには、マリュータもついていこう。 その呪文は2回使える?」
フェイグランス 「いんや、俺のレベルではまだ無理。」
DM 「ならば、ライトが代りに呪文を使う。」
ジョン 「ライトには、そんな力が?」
DM 「そう。でも今回はマリュータだけね。」
ジョン 「あんまり無茶させるのも悪いしな。」
エフェ 「謎の剣よね〜。他にも魔術使っていたような。」
フェイグランス 「ただのインテリジェンスソード(知能・自我を持った剣)じゃないな。」
ルイ 「マジックアイテムは、普通ならば、使う事を目的として作るものです。」
ファルス 「それゃ、そうだけど。」
エフェ 「ルイは使う事が目的じゃないっていうの?この剣が。」
ルイ 「多分…。 使う事が目的ならば、分かりやすいよう、どんな能力があるのか決めておかれるものです。 じゃないと使おうにも使えませんからね。」
ジョン 「じゃ、誰がなんでこんな剣を使うんだ?(考)…って、なんかわかったぞ。 目的はこの剣を誰かが使うというのではなくて、何か目的があってこの剣を作ったんだと言いたいんだな?」
ルイ 「はい、そのとおりですよ。ジョン。 だから目的を達する為に色んな能力を持っていて、でもちょっと分かり難いんでしょう。 もっとも、単に酔狂な人が作っただけなのかもしれませんが。」
ファルス 「みんな、ちゃんと考えているなぁ。」
DM 「うん、悪くないね。 プレイヤー同士の会話で話が突っ込まれるのは良い事だ。」
ファルス 「じゃ、潜入する方法も考えてあるとか?」
ルイ 「ポケットに手を突っ込んで、あさっての方向を見、口笛なんか吹きながら誤魔化して入り込むってのはどうでしょう?」
ファルス 「前回も失敗したじゃないか(笑)。」
フェイグランス 「さっきまでは冴えていたのにね(笑)。」
ルイ 「ふふっ、何とかなりますとも。」
DM 「じゃ、潜入行こうか。 川の中を通っているフェイグランスとマリュータは、特に何事も無く村の中央付近までやってきた。」
フェイグランス 「今は昼?」
DM 「夕方。」
フェイグランス 「じゃあ、一旦上陸して橋の下にでも身を隠して日が落ちるのを待とう。」
DM 「OKだ。 マリュータも特に異議はないらしい。 で、すぐに日が落ちるけど?」
フェイグランス 「あたりの安全をマリュータに確認してもらって、こっそりと宿の方に近寄ろう。」
DM 「マリュータは周辺の様子を探って、OKのサインを出す。」
フェイグランス 「よーし、コソコソと行こう。」
DM 「一応、敏捷でチェック。 マリュータは成功している。」
フェイグランス 「成功だべさ。」
DM 「宿屋の近くまで来たよ。」
フェイグランス 「窓からこっそり、中の様子を伺ってみる。」
DM 「宿の1階部分は酒場になっているんだけど、中には兵士が2人いて酒を飲んでいる。」
フェイグランス 「うっかり入っちゃわなくて良かった。 とりあえず、この辺に隠れていよう。」
DM 「はいはい。 マリュータも賛成のようだ。 では、次の人。ジョン。」
ジョン 「俺の家の周りは柵とか作られてないよね?」
DM 「うん、なんせ村の外れの方だから(笑)。」
ジョン 「良い事だ(笑)。 木こりの通る山道を使って自分の家に向かう。」
DM 「ふむふむ。 ジョンにはピクシーのティナもついてくる。」
ジョン 「ディズニーの妖精みたいにきらきら光って目立ったりしないだろうね? もしそうなら、袋に入れて持ってっちゃうよ。」
DM 「それはないから、安心してくれ(笑)。 さて、木こりの間道を抜けてから家に行くまで、少し村の中を通らなきゃいけないよ。 もちろん、兵士達もうろついているけど、どうする?」
ジョン 「ここは堂々と正面から。 ティナは盾の裏にでも隠そう。 ちょっと酔っ払ったような演技をしながら。」
DM 「正面から、2人の兵士がスピアを構えて近づいてくる。」
ジョン 「うっ、ちょっと不味かったかな〜。 でも、まだ酔ったふり。」
DM 「兵士達はじろじろと君の方を見ているけど?」
ジョン 「かまわず、真っ直ぐ歩く。」
DM 「ならば、1人は後ろに戻って、もう1人は通り過ぎていってしまった。」
ティナ 「ジョン、あれ(兵士達)大丈夫?」
ジョン 「うーむ。家に入ったら隠れる準備だけはしておこう。」
DM 「家に入るとね、中がメチャメチャに荒らされている。 もちろんのことだけど、人影はない。 様子から見て、兵士達が踏み込んできたようだね。 こちらの方もそろそろ夜になろうとしている。」
ジョン 「やはりな〜。 完全に暗くなるまで身を潜めていよう。 さっきの兵士の事もあるから、天井裏に。」
ティナ 「ジョン、かくれんぼ?」
ジョン 「そうそう、だから静かにしていようね〜。」
ティナ 「分かった。」
ジョン 「昔、かあちゃんに怒られた時によくここに隠れたもんだったな。」
ティナ 「フーン、やっぱり。」
ジョン 「やっぱりとはなんだぁ〜!(笑)」
DM 「そうして漫才をしながら(ジョン:してないわい!)君が身を潜めていると、下の方から『おい、ここだ。ここに怪しい奴がいたぞ。』と言う声が聞こえる。」
ジョン 「あー、やっぱり来たか。」
DM 「ドアをドンドンと叩く音に混じって、『おい、誰かいるか?!』と言う声が聞こえてくる。」
ジョン 「まだ、隠れてる。」
DM 「兵士達は、扉を壊して家の中に入ってきたようだね。 あちらこちらの扉を開く音が聞こえ、それに混じって物の壊れる音が聞こえてくる。」
ジョン 「あいつらぁ〜。」
ティナ 「短気は駄目よ、ジョン。」
ジョン 「分かってるよ。 …あー、まさかお前さんに言われるとはな〜。」


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