ムーンエンド・キャンペーン第一部 第9章 【ルメイオ村の解放】

 

DM 「暫く下の方でなにかがちゃがちゃとやった後、『誰もいないようだ』という声が聞こえて、家の中が静かになった。」
ジョン 「ふー。 ティナ、念の為偵察してきてくれ。」
ティナ 「分かったわ。(少しして、戻って来て)誰もいないみたい。」
ジョン 「よし、もうチョイしたら宿屋に行こう。」
DM 「はい、次はルイとファルス。」
ファルス 「僕たちは、先ず教会に行って情報を集めるんだよね。」
ルイ 「私達の場合は、魔法で何とかできないですからね〜。 隠れながら行くしかないでしょう。」
ファルス 「だね。 一応、インビジビリティ(透明化)のポーション(薬)ならあるけど。」
ルイ 「1本しかありませんからね〜。 しかし、自分の生まれ育った村を、こんな風にこそこそと訪問しなければならないとは。」
ファルス 「仕方ないさ。」
DM 「ルイは村の中を良く知っている筈なので、広場までは無事にこられた事にしようか。 でも、広場には兵士が4人立っているよ。」
ファルス 「迂回できない?」
DM 「教会は広場沿いにあるからね。 広場は松明で明るく照らされているので、見つからないようにするのはむずかしいかな。」
ファルス 「うーっ。」
ルイ 「まぁ、教会は最終目的地じゃありませんからね。 行くのはどっちか1人で大丈夫でしょう。」
ファルス 「そうだけど。」
ルイ 「ファルス、あなたがインビジビリティポーションを使って行ってきてください。」
ファルス 「ん、わかった。 ポーションを飲む。」
DM 「ファルスの姿がたちまち透明になった。 あ、一応広場は明るいからね。」
ファルス 「?? まぁ、透明になっている事だし、行くよ。」
DM 「インヴィジビリティは見えなくなるけど、影はできるんだよね〜。」
ファルス 「シマッター!」
DM 「だから、わざわざ言ったのに(笑)。」
ルイ 「ふっ。」
ファルス 「君は知っていたのか?」
ルイ 「知っていたけど、忘れていました。」
ファルス 「同じだ〜!」
ルイ 「違いますよ。(笑)」
ファルス 「どーしよ。」
DM 「兵士がファルスを見つけるかどうかのチェック。 (ダイスを振って)…よかったね。見つからなかったようだよ。」
ルイ 「ラッキーでした。」
ファルス 「よかった。まずは窓から教会の中を覗いてみようか。」
DM 「君が覗いた窓は、食堂のところだったんだけれども、今は誰もいないようだね。」
ファルス 「こっそりと、中に入ってみるか。 開いている扉とか窓はないの?」
DM 「二階の窓が開いているよ。」
ファルス 「よーし、レビテート(空中浮揚)リングで上って入る。」
DM 「はいはい。ここは寝室だね。」
ファルス 「誰もいないよね…?」
DM 「うん。」
ファルス 「こっそり廊下に出て…」
DM 「廊下を出ようとしたとき、そこに見知った顔の僧侶。 サルーキだね。」
ファルス 「ああ、2話だかで登場した…。」
DM 「彼は一旦立ち止まってキョロキョロしている。 何かに感づいたようで、呪文を唱えだした。」
ファルス 「あぅ。」
DM 「インビジビリティが破られちゃったね(笑)。」
ファルス 「ど、ども、サルーキさん。(笑)」
サルーキ 「誰かと思ったら、ファルスじゃないか。 よく戻ってきたなぁ。」
ファルス 「うん、村がこんな様子だからね。 3つの丘から急いで来たんだ。」
サルーキ 「そうか。まだ状況が良く分からないんだろう?」
ファルス 「そう、それでここでならなにか聞けるかもしれないと思って。」
DM 「あ、そうそう、サルーキはここの副司祭だから。」
ファルス 「うわ、そんなにえらかったのか、この人。」
DM 「そう。 サルーキの話によると、ここの司祭であるアレクは村長達と一緒に村長の家に閉じ込められているそうだ。 その村長の家は、現在はここの司令官が使っている。 また、村の近くに新しく兵士達の詰め所が建てられたそうだ。」
ファルス 「長くここにいるつもりなんだ〜。」
DM 「そのようだね。 それから村の男達は村の外のどこかに連れて行かれたらしい。」
ファルス 「それも助けなくちゃ、か。 ちなみに、僕たちはここに隠れていられそう?」
サルーキ 「いや、僧侶はそれなりに警戒されているからな。 毎日見回りの兵士達が来ているし、ここはかえって危険だろう。」
ファルス 「そっかー。じゃ、まずは宿屋に行こうかな。 2階に上って、窓からこっそりルイに合図を送る。」
ルイ 「お、やっとですか。」
ファルス 「教会の裏からでて、宿屋に向かおう。」
DM 「(ダイスを振って)一応、2人とも見つからずにすんだようだ。 では、次はエフェ。」
エフェ 「やっと私かぁ。 インビジビリティの呪文を使って、道を歩いていく。」
DM 「村の中で数人の兵士達とすれ違ったけど、誰も気づかないね。 やがて広場についた。 ルイが隠れているのが見える。」
エフェ 「うふふ。あれで隠れているつもり?」
ルイ 「ああ、こっちは気づいていないのが悔しいです(笑)。」
DM 「やがて、橋を渡ろうとすると、橋がぬれているのに気づいた。」
フェイグランス 「シマッター。」
エフェ 「馬鹿ねぇ。(笑)」
フェイグランス 「ふんだ。」
エフェ 「フェイグランス達は見えるの?」
DM 「いや、シーフもいる事だし、キチンと隠れているよ。」
エフェ 「ま、いいか。私も暫く隠れていようっと。…なんか、簡単だったなぁ。」
ルイ 「魔法は、偉大ですネ。」
DM 「はい、ジョン。」
ジョン 「ライトはインビジ…なんとかはかけられないの?」
ライト 「かけられない事もないが…。」
ジョン 「なんか、気が進まないみたいだね。」
ライト 「特に力を使いすぎる事は、好まないのだ。」
ジョン 「なら、いいか。 普通に道を行こう。」
DM 「ふむ。道を歩いていると、突然後ろから声をかけられる。『おい、お前!』とか言っているよ。」
ジョン 「振り向く。」
DM 「酔っ払った兵士が君を見ている。『見かけねぇ顔だな。』」
ジョン 「新入りなんでさぁ。」
DM 「『新入りなら、酒を奢れ!』」
ジョン 「はい、奢らせて頂きます、先輩! といって、一緒に集合場所の宿屋に向かおう。」
DM 「はいな。でも、兵士は歩きながら君にからんでるよ(笑)。『おまえ、新入りのくせに立派なヨロイをきてるじゃねーか。』」
ジョン 「ぬ、盗んだんでさぁ。」
DM 「『ほーか、盗んだのか。』ちなみに、この兵士はレザーアーマーを来ているんだけど、酔っ払っているのでその矛盾に気づいていない。」
ジョン 「危ない危ない。 宿に着いたら、オヤジに酒をどんどん持ってきてくれるように言う。 多分顔見知りだから。」
DM 「ここのオヤジはボムという名前で、白髪気味の頭をした、恰幅の良い中年男性だ。ジョンとは知り合いでいいな。 君のオヤジさんが、ここの常連だった。」
ジョン 「オヤジに目配せして、この兵士を酔いつぶさせる。」
DM 「どーぞ。兵士はすぐに酔いつぶれてカウンターに突っ伏している。 ボムは『そこらへんにほっぽっとけ』だそうだ。」
ジョン 「ん、ほっぽっとこう。」
エフェ 「私も中に入る。そろそろ魔法も切れているだろうし。」
フェイグランス 「俺達はどうする?マリュータ。」
マリュータ 「そろそろ、いい頃合いだろう。」
フェイグランス 「じゃ、入る。」
ジョン 「なんだ、皆来てたのか。」
エフェ 「フェイグランス、橋がぬれてたわよ。」
フェイグランス 「あうっ。(笑)」
DM 「最後、ルイとファルス。 なんとか宿屋のちょっと手前の橋まで辿り着いたよ。」
ルイ 「難儀ですねぇ。我々は。」
ファルス 「橋、どうやってわたる?」
ルイ 「泳いだらかえってうるさいですからね。 橋を渡るしかないでしょう。」
DM 「見つからないように渡れるかどうか、DEXチェックしてみて。」
ルイ 「苦手なんですって、それ。…おっと、成功です。」
ファルス 「僕も成功だよ〜。」
DM 「うまくいったようだね。宿に辿り着いたよ。」
ルイ 「ふふふ、お待たせしました皆さん。真打登場です。」
エフェ 「誰が真打よ、誰が(笑)。」
ルイ 「真打は最後に登場するものですよ。」
ファルス 「一番苦労したとも言う(笑)。」
ルイ 「………(考)………ふっ。」
ジョン 「反論できないぞ、コイツ(笑)。」
ルイ 「まぁ、その分沢山情報を集めてきましたから。」
ファルス 「僕がね(笑)。」
エフェ 「そういえばアンタ、隠れているところ丸見えだったわよ。(笑)」
ルイ 「みんな、冷たい。(笑)」
DM 「『ジョン、久しぶりじゃないか。 オヤジさんは、残念だったな。』と、ボムが話し掛けてくる。」
ジョン 「ああ、ありがとう。 そのオヤジを殺した奴を追っているんだけど、こっちが大変みたいだから戻ってきたんだ。」
DM 「『なるほどな。…じゃ、今日は俺のおごりだ。何にする?』と君達を見渡している。」
エフェ 「あ、親切〜♪」


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