山形でTRPGやっちゃうよの会 第18回
【夜牙塔の心臓−1−】
 

<開始〜一年間の足跡〜>
DM 「今回は前回の終わりに予告したとおり、1年後の話になります。
この1年間の経緯として、ざっと進めてみましょうか。
皆さんはニロンドの首都であるレル・モードに行って、教会及びニロンド国王への報告を行った後、再追跡が命じられます。」
アレクセイ 「恐縮して聞いていたでしょうね。 すみませんでした、すみませんでした、すみませんでした…と、心の中で繰り返しつつ。(笑)」
ウィンシー 「あれは、無理だってば。(笑)」
DM 「現在はニロンド国とシールドランドの二国で”復活した王”の捜索が行われており、シールドランド東部から西部を移動しているという情報を掴む事に成功しています。」
バーン 「シールド・ランドに行く事になるんだね。」
DM 「ええ。 君たちは海路で、シールド・ランドの首都であるクリットウォールに先回りします。」
バーン 「ここで、ヴェルナーさんや、カタリーナ閣下を連れて行くことになるわけだ。」
DM 「それも含めて、と言う事になりますね。 ちなみにニロンドには、フラネス世界最大の造船所があるので、船は多く保有しています。
その際、ニロンドの王・リンワード一世からシールド・ランド国の支配者・カタリーナ、及びファーヨンディ王・ヴェルバー四世への親書を持たせられます。」
バーン 「使者か。 誰かの護衛になるのかな。 アレクセイは神官だから、持たせられてもいいんだろうけど。」
DM 「外交官が派遣されますので、その護衛と言う事になりますね。」
バーン 「ふむふむ。」
DM 「ちなみに、ファーヨンディはハイローニアスを国教とする大国です。
復活した邪悪な神族の国である、アイウーズとも正面からやり合っていました。
そして、クリット・ウォールでの調査によって、王の動き…この国に来ているという噂は、実はブラフであった事がわかりました。」
ウィンシー 「なんとー。 罠だ、孔明の罠だ!」
DM 「こうして、再び”復活した王”は行方がつかめなくなりました。
これはやばいということで、シールド・ランドとニロンドで再び捜索活動が始まるわけですが、あなた達はその間にファーヨンディの首都、チェンドルまで行ってきて、使者の護衛の役目を果たし、戻ってくるという流れになります。」
アレクセイ 「結構、遠くまで来ましたね〜。」
DM 「そこから、ファーヨンディ国内を流れる川を下って首都から海へ出て、途中グレイホークに立ち寄って帰る事になるわけです。
ここは世界最大の都市であり、”フラネスの宝石”とも呼ばれる都市なんですが、ここでゼルギウスが別行動をとろうとします。(笑)」
アレクセイ 「え?!」
DM 「『こんなに素晴らしい都市! 私は…私は…ここで学びたい!』」
ウィンシー 「なるほどね。(笑)」
DM 「それに、こういう都市で調査する事で、色々な情報が得られるのではないかと主張します。」
ウィンシー 「ゼルギウスは、ここに残るって事ね。」
DM 「『はい。 何か分かったら、連絡しますよ。』」
ウィンシー 「毎日”センディング”の呪文で75文字までのメールを送ればいいじゃない。(笑)」
アレクセイ 「まるで、恋人同士みたいですねー。(笑)」
DM 「1日1回は多いような。(笑)」
ウィンシー 「じゃあ、1週間に1回ね。(笑)」
DM 「そうして、皆さんがニロンドに戻ってくると、また新しい動きがあります。
皆さんがニロンドを離れていた間、一連の活動について疑問の声が上がっています。
『本当に尖兵など存在したのか? うーむ、いわんや、復活した王だと?!』
『報告が真実であるならば、忘れられた王(ゼロン王)の武具は、国家で管理すべきだ。』
疲弊したニロンドでは、怪しい情報を追う為や追跡行に、君たちのような有能な冒険者を遣わすよりも、君たちを雇って内政を整える方が先決だと。」
アレクセイ 「うーん、もっともな話ではありますけど。」
DM 「特に、ハイローニアスの10レベルクレリックが参加しているとなれば、尚更だ。(笑)」
アレクセイ 「あれー。(笑)」
アルベルト 「10レベルは、かなり貴重だからね。 大きい都市に行かないといないぞ。」
DM 「貴重ですね。 ニロンドの王様も、ファイターの14レベルですから、もうチョット上がると届きます。
で、まぁ、これらの疑念が出てきたのですが、ニロンド王・リンワード一世の『これは、ニロンドに課せられた使命だ!』という英断と、復活した王が実害を及ぼし始めた事から、これらの疑念は払拭された。」
バーン 「実害?」
DM 「ペイルという国と、シールド・ランド、アーンスト伯国、ニロンドが国境を接している、ウッドバージ辺境領が”忘却より復活せし王”の一団に占拠されました。」
アレクセイ 「意外と、近い。」
DM 「彼らはどこからともなく、様々な種族からなる数千の軍勢を引きつれ、ウッドバージの首都であるミッドメドーを占拠し、”ゼロン王の正当な後継”を唱え、ゼロン復活神聖王国として、独立を宣言しました。
このあたりはニロンドの勢力圏内なのですが、国内が建て直し中で、あちこちが混乱している事もあり、あっさりと占拠されています。
この復活した神聖王国に対し、隣国のペイルは即座に傍観を宣言します。
というのも、この国は厳格な宗教国家で、ファイタンという神様がいるんですけど、その神様以外の信仰は認めない。
それ以外は弾圧。 ウィザードも弾圧。」
ウィンシー 「え〜。」
DM 「あと、ニロンドにケンカを売っているよ、という国です。 一応中立ですけどね。」
バーン 「自分のところに入り込んできたらやるけど、外でごちゃごちゃしている分には気にしないということね。」
DM 「シールド・ランドはこの復活した王の阻止をニロンドに約束したのですが、実際はシールド・ランドに兵力を出す余裕はないので、実際に戦うのはニロンドのみです。(笑)
一応、アーンスト伯国にも協力は求めましたが、情報不足を理由に中立を宣言されてしまっています。
しかし、リンワード一世は勇敢な王でした。 十字軍の結成を宣言し、数ヶ月の準備期間を経て、ウッドバージ奪還の動きを開始しました。」
アルベルト 「勝つまで終われないな。 十字軍なら。(笑)」
バーン 「十字軍の困ったところは、それだよな。(笑)」
ウィンシー 「すると、このリンワード一世が獅子王リチャード役なのね。(笑)」
 
<密使>
DM 「そんな折、皆さんの元に”言葉の塔”の長、ゾルダスラからの密使が現れます。」
ウィンシー 「ああ、あれね。」
DM 「その密使もユアンティ・ピュアブラッドですけどね。 一生懸命、頑張って変装してます。(笑)
彼は、次のように語ります。
『ウッドバージの端に、ドライレイクという小さな都市があるのだ。
その近郊に”夜牙塔”と呼ばれて恐れられている、狂信者どもの巣窟があるらしい。
復活した王は、この狂信者どもと手を結び、更なる力を手に入れようとしている。』」
アルベルト 「つまり、王が力を手にする前に、その塔を攻略しろと。」
DM 「そういうことですね。」
バーン 「それもあるけれど、ユアンティとか蛇の王国を築きたかったゾルダスラにしてみれば、様々な種族が入り乱れて王国を築くなんて、耐えられないんじゃないの?」
DM 「それは、ありますね。 ゾルダスラとしては、今の状況はサメ肌もの。(笑)」
バーン 「蛇がサメ肌って。 どんなギャグなんだ。(笑)」
アレクセイ 「それにしても、同盟関係はきっちり生きているようですね。」
DM 「ええ。 ゾルダスラにしてみれば、今の神聖王国なんてぶっ潰して、田舎に引きこもって『サートラスさまー』とやりたいわけです。」
アレクセイ 「それだけなら、割と無害ですねー。」
DM 「もちろん、力を蓄えて、ちゃんとした形でサートラスを復活させる準備を整えつつですよ。(笑)」
アレクセイ 「そんな事されたら、たまりませんけどね。(笑)」
バーン 「それは、ハイローニアスも同じじゃない? 『いつかハイローニアスの威光を、世界中に!』じゃないの?」
アレクセイ 「ぎく。(笑)」
DM 「それが宗教というものです。(笑)
というわけですが、皆さんはどうします?」
バーン 「そりゃあ、ここはドライレイクに向かうしかないな。」
ウィンシー 「そうよね。 あと、ゾルダスラが十字軍に討たれてしまわないように、手回しする必要もあるのよね。」
DM 「王様には、なんて説明しますか?」
ウィンシー 「『さる筋からの情報により…』とか?(笑)」
バーン 「この王って、バリバリに法は守るタイプ? それとも清濁併せ呑むタイプ?」
DM 「後者ですね。 ある程度、融通も利くタイプ。
だって、ニロンドが乱れている時、『この国ダメだ。 国境線引きなおそう』と言って、国内を再編し新たな秩序を構築した人ですからね。」
バーン 「だったら、正直に言った方がよくないか?
いずれ、ゾルダスラに便宜を図る必要が出た場合、王の耳にも入っていた方がよくないか?」
ウィンシー 「そうよねー。」
バーン 「十字軍でゾルダスラまで根絶やしにされたら、申し訳ない気がする。(笑)」
アレクセイ 「王様にはそれでいいかもしれないけど、ハイローニアス教会は嫌な顔すると思うよ?(笑)」
バーン 「だから、王様にしか言わないのさ。」
アレクセイ 「謁見すると、王様の傍には、枢機卿とか宗教関係の偉そうな人がいると思うなー。」
アルベルト 「こっそり伝えられるくらい、親密だったら。」
DM 「まぁ、こっそり会えるほどの仲ではないですね。」
ウィンシー 「魔法でメッセージを送る事も出来るけど…」
バーン 「そこで単純に書状だろう。 上奏文を書くんだ。
『どうやら、ドライレイクに邪悪な勢力がいるという情報をつかみました。
それは忘れられた王との同盟を狙っているとのこと。 詳細は云々…。
この情報をどうなさるかは王のご自由です。』」
DM 「そういうやり方だと、リンワードは読むので、非公式に返答がもらえます。
内容は、十字軍はあくまで軍なので、一度動き出してしまうと分からない部分もあるが、心にはとどめておく、というものです。」
バーン 「それが大事なんだ。」
ウィンシー 「うん、それ大事。」
DM 「その上で、君たちにはドライレイク…夜牙塔の調査をお願いしたいと。
例によってニロンド国側から出す戦力はない。(笑)」
アレクセイ 「あっさりですねー。(笑)」
ウィンシー 「こういうのは、少数の冒険者の方が役に立つだろう、みたいな。(笑)」
DM 「君たちには戦力的にも是非十字軍に参加して欲しいんだが、まだ準備も整っていないし。」
バーン 「そういうわけだな。」
 
リンワード一世の依頼を受けた一行は、ドライレイクへと向かう。
 
<街道の襲撃者>
DM 「ニロンドの首都、レル・モードからドライレイクへの旅の途中、皆さんが道を歩いていると、威嚇するように岩が飛んできます。
『ここを通りたくば、身包み全部置いていけ。』と、巨人が現れました。」
ウィンシー 「なんか出た!」
DM 「この巨人はドワーフを極端に大きくしたような外見で、肌は石炭のように真っ黒。
突き出た口元からは、汚い象牙色の歯が覗いている。 〈知識(自然)〉をどうぞ。」
ウィンシー 「41!」
DM 「ファイヤー・ジャイアントです。
ハーフプレートをつけて、グレートソードで攻撃してくるか、叩き付けを行う。
岩も投げますよ。 ちなみに、さっき投げてきた岩が燃えています。 そういう能力みたいですね。」
バーン 「また、”スコーチング・レイ”の効かない敵か。
しかもグレートソードっていうと、オレと同じ大型剣じゃないか。」
DM 「そんな感じで、ワンダリング遭遇行きましょうか。 丁度みなさんも10レベルになったことですし。
『いい剣もってんじゃねぇか、そこのチビッコ!』」
バーン 「ピキーン!(怒) 久々のブロック・ワードを!! …でも、あいつにチビって言われるのは仕方ないか。(笑)
ていうか、最近心に余裕が出てきたからな。 バーンは。
そうそう、いつの間にかアレクセイのことをアイエールって呼ぶようになってるから。」
ウィンシー 「遂に!(笑)」
アレクセイ(以下アイエール) 「うん。 皆にも本名とかは明かしてるからね。(笑)」
DM 「では、やりましょうか。 イニシアチブ順に。」
ユーヌ 「とうとう、イニシアチブが31ですよ。 イニシアチブ管理表は30までしかないから、はみ出してます。(笑)
ウィンシーが範囲攻撃をするみたいだから、それの範囲に入らないように移動して、遮蔽をもらいつつ弓かな。
+1コンポジットロングボウで…20が出た!(笑)
クリティカルかな! あ、今度は1だ。(笑)」
アルベルト 「出た。 絶対命中の後の、絶対ハズレ。(笑)」
ユーヌ 「ダメージ7ポイント。」
DM 「痒いな。(笑)」
ユーヌ 「30フィートより離れてますからネェ。」
ウィンシー 「それじゃ、のへのへと近づいていって、コーン(円錐状)の爆発で冷気を。
”ブラスト・オヴ・フレイム”の冷気版ね。 ちゃんとプレイ前に申告したもんね。」
DM 「ええ、ちゃんと聞いてましたよ。 まさか、ランダムで振ったモンスターで、こんなのがでるとは。(笑)
ダメージは1.5倍になります。」
ウィンシー 「反応セーヴの難易度は…」
DM 「こっちのセーヴは、1振ったから関係ないです。(笑)」
ウィンシー 「やった。 でも、これ冷気の呪文だから、術者レベルが1下がるのよねー。
呪いだ、バンリアローグの呪いだ!(笑) 30だから、1.5倍で45点のダメージ。」
DM 「こうかは ばつぐんだ!(笑)」
アルベルト 「折角”ミラー・イメージ”を覚えた事だし、使ってみるか。 6体出現。」
DM 「『なんか増えた!』当然、こちらは〈呪文学〉 なんてないので、何が起きているのか分かりません。(笑)」
アイエール 「こっちは素直に”リサイテイション” 皆さん、ACとセーヴと攻撃ロールに+2の幸運ボーナスを。
ちなみに、この移動中はプレートメイルでなくチェイン・シャツを着ていますので、AC低めです。」
バーン 「アルベルトが折角”ミラー・イメージ”をたくさん出してるんだから、邪魔したくないな。
物陰から”レイ・オヴ・エンフィーブルメント”を使うか。 接触AC19まで。」
ウィンシー 「さぁ、君の大事なストレングスを!(笑)」
DM 「きゃぁー。(笑) いっぱいあるから少しくらいは……厳しい。(笑)」
バーン 「9点の筋力ダメージ。 10分間。」
DM 「泣きそう。(笑)」
アイエール 「じゃ、そのジャイアントですよ。」
DM 「それじゃあ、移動してバーンを殴ろうかな。 グレート・ソード、両手持ちー!
あ、これは当たるな。 AC30いくつ。 21点。 ダメージの減りは酷いな。」
バーン 「21か。」
DM 「さぁ、次は全力で攻撃してやるぞ!」
アルベルト 「それだけは、食らわないようにしないと。」
 
その後、ジャイアントと距離を置く事にした一行は、ユーヌの射撃後、ウィンシーが巨人を転ばせ、アルベルトが”レッサー・オーブ”でHPを削る。
アイエールの回復を得たバーンの全力攻撃で、ジャンアントは倒れた。
 
DM 「ジャイアントは投擲用の岩と、日用品…」
アルベルト 「いらない。(笑)」
DM 「まぁまぁ、他にも色々ありますから。(笑)」
 
それぞれがダイスを振って、戦利品を決定する。
 
アルベルト 「糸と縫い針、サンダルと火口箱と食料の袋かー。 あと櫛。」
DM 「ファイヤージャイアントの食料だから、きっと激辛ですよ。(笑)」
バーン 「保存食なら、キムチかな。(笑)」
アイエール 「櫛にはシラミとかついてそう。(笑)」
 
他に1900GPを手に入れた一行は、旅を続ける。
 
<ドライレイク>
アルベルト 「今度、移動用にライディング・ドックでも買おうかナァ。」
アイエール 「私のミュールの背中に乗っていけばいいじゃないですか。」
バーン 「いやー、他にも荷物はあるからな。 むしろミュールがもう一頭欲しいくらいだ。」
ウィンシー 「乗用蜘蛛の背中に乗っていく?(笑)」
DM 「すれ違う人たちから驚かれますよ。(笑)」
ウィンシー 「だよねー。(笑)」
DM 「そんな感じで、2週間程の旅の末、ドライレイクに到着です。
ウッドヴァージ領のさらに辺境にある、小さなコミュニティです。 人口1万2千人くらい。」
ウィンシー 「結構大きい。」
DM 「かつては、風光明媚な都市でした。
美しい湖などもあったのですが、数十年前に大規模な地震が発生し、水流が変わり、文字通り乾いた湖となりました。
大河であるヨル川に流れ込んでいた支流は、今は乾燥した砂ばかりの川底をさらしています。
そのドライレイクは現在、交易によって成り立っている。
乾いた川底は安全な街道となりうる事に目をつけた、欲の張った行商人達が、この町を再興して、今に至ります。」
バーン 「この川が、山の方から流れてきていたなら、川底から岩塩が取れるかもしれないな。
ミュールの口に布でも当てて、塩をなめないようにしておいたほうがいいぞ。」
アイエール 「え、何で?」
バーン 「動物って塩が好きだからなめたがるんだが、あまりなめすぎると病気になるからな。」
アイエール 「へーっ。 バーンは詳しいナァ。」
ウィンシー 「さっすがレンジャー。」
バーン 「さ、町に入ろうぜ。」
DM 「では、町の入り口で簡単な検査をされて、お決まりの武器に封印などが貼られたりするわけです。」
バーン 「オレの武器の封印をするのは大変そうだな。(笑)」
DM 「『どう封印すればいいんだろう。』(笑) 『(アイエールに)さて、ここに来た目的は?』」
アイエール 「えーと、本当のことを言っちゃっていいかナァ。 というか、ウソは苦手だから『この近くに物騒なものがあると聞きまして。』」
DM 「『物騒なもの? うん、夜牙塔のことか…そこに用があるのか? 何と命知らずな。 大バカモノ。』」
アイエール 「え?え?あれ? 怒られた。(笑) 『そんなにまずいものなんですか? そもそも夜牙塔って何なんですか?』」
DM 「『そうとも、幽霊が出るって話だ』『いやいや、ドラゴンが出るって話だぜ?』」
アイエール 「『えーっ。(笑)』」
バーン 「『いやいや、そのあたりを調査してくるように言われたのさ。』」
DM 「『なんだ、調査だけか。 なら中には入らないんだな。』」
バーン 「『入るかどうかは分からないが、そんなにまずい所なのか?』」
DM 「『まぁ、いずれにしろ、近づかないほうがいいよ。』」
バーン 「『それを詳しく知っている人はいないスかねぇ?』」
DM 「『夜牙塔を研究しているウィザードがいなかったっけ?』『そうだ、いたなぁ。』」
ウィンシー 「ああ、いるんだ。(笑)」
バーン 「さぁ、聞こう。(笑) 『名前などはわかるか?』」
DM 「『名前までは知らないな。』『町に入って、詳しく聞けば分かるだろうさ。』」
ウィンシー 「じゃあ、宿を取って情報収集ね。」
アイエール 「『どこかいい宿をご存知ないですか?』」
DM 「『あの道をまっすぐ行って、突き当りを右に行った所にある宿がいいぞ。 ただ、今の時期は隊商が来るので、混んでいるかもな。』」
バーン 「随分親切だな。 じゃ、お礼に1GPずつ渡して『今晩は一杯やってください。』と。」
DM 「『おお、こんばんは豪勢に飲めるな。』『いやいや、オレは貯金してるんだよ。あいつらの為にもな。』『マジメだなぁ。』」
ウィンシー 「まずい、この人たちに死にフラグが立ってる。(笑)」
アルベルト 「もうだめだー。(笑)」
DM 「あの、名も無きNPCに、死亡フラグ立てないで下さいよ。(笑)」
アイエール 「『少なくとも、町で騒ぎを起こすつもりはありませんので、ご安心を。』」
DM 「それでも、雰囲気的には町は少しざわついている感じがしますね。
ウッドヴァージ領で、ゼロン復活王国云々という噂が流れているので。」
ウィンシー 「そういうことね。」
DM 「もっとも、ここは辺境なので、それほど危機感は感じないですけどね。
というわけで、酒場に着きましたよ。」
ウィンシー 「それじゃあ、魅力が高い人、情報収集よろしく。
〈情報収集〉にはお金かかるから、全員でやると勿体無いのよね。
それに、私はバンリアローグの呪いで、〈情報収集〉 にマイナス1だから。」
アルベルト 「酒場だから、酒でもおごるのかもね。 でも僕もドワーヴン・カインドのベルトのせいで、ドワーフ以外にはマイナス4だからね。」
アイエール 「それじゃあ、エールが無くなった人のところに代えのエールでも置きつつ、『ちょっと、お話聞かせてもらえませんかー。』と。
(ダイスを振って)必要経費3GPでした。 なれない事だから、多めにお酒が必要だったのかも。(笑)」
バーン 「援護はしたほうがいいか?」
ウィンシー 「お金かかるからねー。 アレクセイちゃんなら大丈夫!(笑)」
アイエール 「ランク振ってないから、話術じゃないけど、にこっと笑顔で〈情報収集〉 18。」
DM 「それなら、色々聞けますね。
夜牙塔は”ノースロード”という、道というか乾燥した砂ばかりの川底にあります。
ノースロードには”ロード”と付いていますが、道として使う人はいない。
理由はその真ん中に夜牙塔があるから。」
ウィンシー 「うーん。」
DM 「塔までの距離は、65マイル。」
バーン 「遠いな。」
アルベルト 「3日くらいかかるね。」
DM 「塔の頂上に生息しているドラゴンが、旅人を食べてしまうので、先にも言ったとおり、道を使う者は誰もいない。」
バーン 「ドラゴン!」
アイエール 「ドラゴンがいるんだ?」
ウィンシー 「色が重要だよね、ドラゴンだと。」
DM 「また、こういう噂もあります。 夜牙塔には、幽霊が出る。
聞くところによると、それは地上から地下に至るまでの古代の教団の人間の死体で埋め尽くされているらしい。」
アイエール 「アンデット対策が大事、と。」
DM 「さらに、邪悪な力が塔の中で増大している。
なんでこんなの知ってるんだろうな…きっと、多少イっちゃってる人が言ってるんでしょうね。(笑)
その邪悪な力が、周辺の地域で人々を行方不明にしている原因なのかもしれない。」
ウィンシー 「行方不明事件まで起きてるんだ?!」
アイエール 「だったら、尚更行かなくちゃならなくなりましたね。」
DM 「それらは全て、強大な力を持つ古代のドラゴン、”アシャーダロン”に何らかの関係を持っているんだそうだ。」
ウィンシー 「遂に、ネームドのドラゴンが来たー。」
DM 「詳しく話が知りたければ、シモーヌって人に会うといい。」
ウィンシー 「シモーヌ?」
ウィンシー・バーン 「わったしはシモーぉヌー♪」
アイエール 「ラ・セーヌの星だ。(笑)」
バーン 「さすがだ、皆。(笑)」
DM 「ああ、ゴメン、シモーネだ。 シモーネ。」
ウィンシー 「ええ?ガッカリだよー!(笑)」
バーン 「折角、頭の中で花屋の娘のイメージが出来てたのに。(笑)」
DM 「なんだなんだ(笑) じゃあいいよ、シモーヌで。 もう。(笑)」
バーン 「でも、これでおばあさんだったりしたら、超ガッカリだよ。(笑)」
アルベルト 「いや、若いと研究そのものが怪しいだろ。(笑)」
ウィンシー 「いやいや、きっと先祖代々やってるんだよー。」
DM 「シモーヌさんは、ワリと町のいい場所に、いい屋敷を持っているらしい。」
アイエール 「じゃあ、行ってみましょう。」
 
酒場を後にした一行は、程なくしてシモーヌの屋敷を探し当てる。
 
DM 「そこそこ立派な屋敷ですよ。 君たちが入り口の呼び鈴を鳴らすと、使用人が出てくる。 『どちら様ですか?』」
ウィンシー 「ニロンドからやってきた、冒険者です。 シモーヌさんが夜牙塔の事に詳しいとお聞きしたので、是非話をうかがいたいと。」
 
<シモーヌ>
DM 「では、君たちは中に通されて、客室で少し待つと、ローブをかぶったグレイ・エルフの女性がやってきます。
この人がシモーヌさんのようですね。」
バーン 「おお、よかったよかった、少なくとも見た目は若いんだ。(笑)」
DM 「年齢は100くらい。」
アイエール 「あ、実際に若いんだ。 エルフにしては。」
DM 「そうですね。 ゆったりとしたローブを身にまとい、メガネをかけた金髪ロングヘアの女性です。」
ウィンシー 「はっ、メガネ仲間だ。(笑)」
アルベルト 「実は僕も。(笑)」
ウィンシー 「そういえば、アイ・オヴ・ジ・イーヴルはメガネだもんね。(笑)」
アイエール 「それじゃあ、ニロンドの神官の礼をしておきましょう。」
DM 「向こうも優雅にお辞儀を返した後、『夜牙塔に興味があるの?あなたたち。』」
ウィンシー 「そうなんですよ。」


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