山形でTRPGやっちゃうよの会 第8回
【暗黒洞の尖塔-1-】

 

DM 「はい、セッションを始めます。
キングスホルムの霊廟から墓泥棒一味を追い払った君たちは、トーチ・ポートの町に帰ってきました。
それから1週間後の収穫祭の夜、変な出来事に巻き込まれ、そこで遭遇したドラゴンから財宝をがっぽりと手に入れてます。
また、ウィンシーが仲間になったものの、いきなり属性と信仰が変わってしまうという事件もありました。(笑)」
ウィンシー 「初登場でいきなりああなるとは思わなかったけど。(笑)」
DM 「そんなわけで、前回いなかったメンバーもいることだし、自己紹介といきましょうか。」
ユーヌ 「はいはい。 では山形でTRPGやっちゃうよの会を立ち上げた…」
ウィンシー 「あ、D&Dゲームディの時に会った…。(笑)」
ユーヌ 「ああ、そうでしたね。(笑) ローグ/スカウトのユーヌをプレイしています。 どうも皆からは『グレイな言動のエルフ』と言われているようですが…。(一同笑)」
バーン 「グレイなグレイエルフなのさ。」
ユーヌ 「いや、高貴な種族なんだからね。」
バーン 「いや、グレイと言えば両脇からこう、抱えられたの(ラージ・ノーズ・グレイ)を思い出すが。(笑)」
DM 「そっちのグレイは嫌だな。(笑)」
ユーヌ 「いや、たしかグレイはニュートラルじゃなかったかな? 宇宙人的には。」
バーン 「宇宙人的には敵対だろ?」
ウィンシー 「そうそう、悪いのがグレイだよ。」
DM 「グレイはいいから(笑)。 宇宙人はいいから! ユーヌの事を話しなさい、ユーヌの!(一同笑)」
ユーヌ 「いやー、まぁ、ローグ仲間に言わせると『イイヒトダヨ』とカタカナで言われちゃうような人です。 『ボクハイイコダヨ』」
バーン 「でも、前回でウィンシーさんと気が合うようになっちゃったんだよね。」
ウィンシー 「そうそう、同じカオティック=ニュートラル(混沌にして中立)でーす。」
ユーヌ 「基本的にトーチ・ポートのローグギルドで金が入ったら自堕落な生活をして、無くなったら『仕方ないなぁ』と言ってピンハネしに冒険に出ると。
周りのメンバーの事は『ミンナ ナカマ サ』と言っているけれど、タダで手に入った盾とかタダで手に入った支援魔法使いとか…」
バーン 「実はカオティック=イービル(混沌にして悪)なんじゃないだろうか。(笑)」
ユーヌ 「悪くないよ! 悪(ワル)と取引すると、損するの知ってるから。」
アレクセイ 「ふーん、そういう理由?(笑)」
ユーヌ 「…と、いう”品行方正な”グレイエルフです。」
ウィンシー 「悪の道に進んだものがどんな末路をたどった事か…。(笑) きっとウィンシーの友達にいるんだよ、そうなったのが。
で、ああはなるまいと思ってる。(笑)」
ユーヌ 「それは、悪い人はねー。 パラディンに追いかけられたり、面倒なことになるから悪い事はしないようにしようと。」
バーン 「やっぱり、イービルだ。」
ユーヌ 「という、ユーヌです。 よろしくお願いします。」
ウィンシー 「よろしくお願いします。 では、かつてアンダーダークを冒険していた、ウィンシー・アクアと申します。
引退した後はトロンの螺旋堂に居候しながら怪しい術の研究をしていたのですが、そろそろお金も無くなってきたなぁ、と思っていた所に丁度アンダーダーク関連に関わろうとしてた冒険者の一団を見つけて、『じゃあ仲間に入れてください』と仲間になりました。」
バーン 「こっちから見れば、見つけたというか、見つけられたというべきか。(笑)」
ウィンシー 「丁度よかったですから、『かつてはアンダーダークでブイブイ言わせたこの私が!』と言いながら案内役を買って出たというわけです。」
アレクセイ 「バーンが限定的な質問をしたから(笑)。」
グラム 「ピンポイントでしたからね。」
ウィンシー 「ふふふ、<知識(ダンジョン探検)>は高いですよ!」
DM 「というわけで、あとはいつものバーン、アレクセイ、グラム、それと最近存在感がなくなりつつあるゼルギウスですね。(笑)」
アレクセイ 「前回は変な巻物を見つけてきたりしたけどね。」
グラム 「それが原因で事件に巻き込まれた訳で。」
DM 「そういうキャラなんですよ。(笑)
さて、特に何もなければ収穫祭の夜から1週間が経ちます。
その間に何かすることがある人はいますか?」
ウィンシー 「レベルアップしたので、巻物を書いたり、呪文書を書いたりしてましたよ。」
アレクセイ 「その手伝いしてました。」
ウィンシー 「1日8時間のペースでやったのでは、8日かかっちゃうから、その分夜なべして頑張ってましたよ。 アレクセイに”レッサー・レストレーション”とかをかけてもらいながら。(笑)」
アレクセイ 「僧侶は楽なんですよねー。 神様が自動で授けてくれるので。(笑)
その分ウィンシーさんに夜食作ったりしにトロンの螺旋堂へ行ってたりとか。」
バーン 「25gp払って技能の再構築をしつつ汗を流して、それが終わったら温泉にいく。」
ウィンシー 「はー、超過勤務はしんどい。(笑)」
バーン 「毎日温泉に行っていたら、そのうちアレクセイとかち合うかもしれないな。 それはそれで面白い。」
アレクセイ 「きっと、たまにかち合ってるんですよ。 で、遠目から『あ、バーンだ』と見つけてコソコソと隅の方に。(笑)」
 
万神殿〜神殿の依頼
 
DM 「そんな風に1週間を過ごした君たちですが、今日はトーチ・ポートの万神殿であるヒルガ大聖堂に呼ばれています。
要件は察しがついていると思うけど、本殿に派遣した使者が結果を持って戻ってきたのだそうです。」
バーン 「おー、きたか。」
アレクセイ 「と、いうわけで<赤目の船乗り亭>に迎えに来ました。 行きましょう。」
ウィンシー 「律儀に2週間で帰ってきたわけね。 頑張って1週間で終わらせておいた甲斐があったわ。」
DM 「では、ヒルガ大聖堂へやってきました。
大聖堂の首座は太陽神ペイロアですが、皆さんと縁があるのはアレクセイが所属しているハイローニアスの聖堂ですね。」
ウィンシー 「万神殿だから、色々な神様が祭られてるのよね。」
DM 「そういうことです。 ハイローニアスの神官が君達を待っていますよ。
彼は簡単な挨拶を済ませた後、要件を切り出します。
『君達が霊廟で得た情報についてだが…結論から言うと、ハイローニアス神殿ではこの問題を大変重く見ている。 ただし、ハイローニアス神殿からの戦力は出せないということだ。』」
グラム 「うーん。」
DM 「『というのも、この国(ニロンド国)はついこのあいだ、内政の大改革をやったばかりで民心が安定していない。
加えて”サートラスの尖兵”とやらの正体も、よく分かっていない。
ただし、神に伺いを立てたところ”危険そうだ”と。』」
グラム 「そこで、我々の出番、と。」
DM 「『そういう事だ。 ”サートラスの尖兵”の調査及び、企みを阻止して欲しい。』」
アレクセイ 「わかりまし…」
ユーヌ 「(遮って)まだ返事しちゃダメ。 カネの交渉があるんだよ〜。」
DM 「『もちろん、金は払う。』」
アレクセイ 「私はやる気満々なので、みんなの反応を見てみます。」
グラム 「(神官に)どこへ行けばいいのか、分かってるんですか?」
DM 「それは君達がよく知っての通りだ。」
グラム 「あの穴の底、アンダーダークか…。」
ユーヌ 「神殿も、俺達が仕入れた以上の情報は知らない?」
DM 「ええ。 神様への伺いの中では、君達を派遣するのがいいだろうという回答もあったそうです。」
ユーヌ 「なんてはっきりした神様なんだ。」
DM 「『ハイローニアスですからね!』と、ゼル。」
ウィンシー 「神様は、イエスかノーで答えてくれるからね。」
DM 「さらに、『サートラスの尖兵は実在しているか?』との問いには『然り』と答えました。」
バーン 「ふむ。」
DM 「『サートラスの尖兵は悪か?』との問いには『然り。討つべき存在である。』と答えています。」
グラム 「コメントもつくのか。」
ウィンシー 「簡単なものならね。」
DM 「ちなみに、『サートラスの尖兵の本拠地はニロンド国内に存在するか?』との問いには『否』と答えています。
国内ならば神殿でも見当のつけようがあるんですが、国外となると簡単に動けないようです。」
ウィンシー 「やはり、アンダーダークってことね。」
グラム 「地面の下は国外と考えていいわけだ。」
DM 「地面の下は国として治めてないですからね。
『”サートラスの尖兵”の根拠地や目的等が分かれば、1人当たり5000gpを出そう。』」
ウィンシー 「総額25000かー。」
バーン 「ゼルも入れれば30000な。」
DM 「さらに、彼らの目的を阻止することができれば、追加で5000gp。」
ユーヌ 「1人10000か。」
DM 「てことですね。」
グラム 「10000あれば何が買えるかな。」
ウィンシー 「魔法の武器+2が買えるよ!」
アレクセイ 「神殿って、お金あるんだなー。」
バーン 「神殿だからな。」
DM 「それだけ、困難が伴うであろうミッションというわけですね。」
バーン 「それがはした金と思えるくらい、宝があるといいな? ユーヌ。」
ユーヌ 「1人5000と大風呂敷を広げるって事は、半分は出さなくても良くなるくらい危険な任務って事だな。 神殿は何人死ぬと思ってるのかな〜。」
ウィンシー 「1回死ねば蘇生に5000gpかかるもんね。(笑)」
グラム 「(ぼそりと)死ぬとしたら、俺が最初かな。」
ユーヌ 「もちろん、ボクは最後だよ。 グラムは多分2番目だと思う。」
DM 「ユーヌは真っ先に殺っちゃいそうな気がする。」
バーン 「一番最初に死ぬのは、俺だろ!」
ウィンシー 「今までのキャンペーンの傾向からすると…」
DM 「いやいや、そんな話はいいんだよ! 君達は希望をもってだねぇ…(一同笑)。」
アレクセイ 「まぁ、全滅するとすれば前線が破られた時だよね。」
DM 「まぁ、確かにこの任務が危険な事は認めるが。(笑)」
バーン 「やっぱり、まずは俺がやられて、後ろのアレクセイがやられるとパタパタと行きそうな気がする。」
アレクセイ 「回復役を殺すのが一番の近道ですからねー。」
DM 「えー、そういうわけで(笑)、どうしますか?」
バーン 「それは行くよ、もちろん。」
ユーヌ 「えーと、支度金は?」
DM 「『必要かね?』」
ユーヌ 「もちろん! 必要デスヨ! なんてったって、アンダーダークに行くんデスヨ? 必要じゃないですか。」
DM 「じゃあ、<交渉>を振ってみてください。」
ユーヌ 「<交渉>は不得意なんだよなぁ。 なんっか、みんな俺のこと信用しなくて。(一同笑)
魅力が高くないから<交渉>は<はったり>の相乗効果分しかないんだよー。」
DM 「<はったり>でもいいですよ?」
ユーヌ 「いやいや、それはばれた時のマイナス要素が大きすぎて。 8です。 だめでした。」
バーン 「てか、周りの連中が乗り気でないからな。 『別にいいよ』みたいな顔してるから。」
アレクセイ 「そうですとも。 信者から集めたお金だし。」
DM 「では、『確かに、準備金も少しは必要だろうな。』と言って1人100gp用意してくれます。」
ウィンシー 「それで”コンティニアル・フレイム”かけてもらえるじゃない。 物質要素が50gp分のルビーなんだし。」
アレクセイ 「物質要素があればかけますよ〜。」
DM 「えー、むしろ本命として、あなた方がハイローニアス神殿に正式に認められた印として、人数分のクローク(外套)を渡されます。
これは僕が考えたマジックアイテムで、”マイナー・クローク・オブ・ハイローニアス・ブレッシング(ハイローニアスに祝福されし外套)”です。」
バーン 「ほう、それってどんなもの?」
DM 「上等な外套に見えますが、それは見る者が見ればハイローニアス神殿に認められる物にのみ与えられる衣装であることが分かる。 <知識(宗教)>難易度15。
この達成値は周りの人が見たら、という意味合いですけどね。」
バーン 「(ダイスを振って)ふう、とりあえず知っていた。」
アレクセイ 「(ダイスを振って)あ、知らなかった。(笑)」
ユーヌ 「えー?!(笑) ハイローニアスのクレリックは自動的に知っていることにならないの?」
DM 「アレクセイはプラス10くらい上げますよ。(笑)」
アレクセイ 「ああ、実は知ってたみたい。 よかった。(笑)」
DM 「効果の説明として、このクロークは”クローク・オブ・レジスタンス+1”と同じように機能します。
さらに1日に1回即行アクションで、次の自分のターンまで攻撃ロールに+2またはセーヴィングスローに+2の幸運ボーナスを得ることができます。」
ウィンシー 「それって、強いじゃない!」
ユーヌ 「幸運はいいなぁ。 あまり幸運ボーナスが入ることってないからなー。」
DM 「ちなみに、市価に直すと3000gpくらいになるんですが、もちろん非売品です。」
バーン 「うーん。(悩み中)」
DM 「売るなよっ!(笑)」
バーン 「ぎくっ!(汗) だって、どこかにハイローニアスの印とかがついてるんだろ?」
DM 「それは、まぁ。 最初は背中に大きく稲妻の模様でも描いてあるかと思ったんだけど、さすがにそれはないだろうと。」
バーン 「今の奴は留め具にコアロン(コアロン=ラレシアン)のマークが入ってるくらいだったんだがなぁ。」
グラム 「きっと、背中に『正義!』とか書いてあるんだよ。(笑)」
ウィンシー 「ハイローニアスの刺繍をほどいて、出羽三山(ザギグのマーク)に縫い直してる。(笑)」
バーン 「そんなことしたら、加護がなくなる!(笑)」
ウィンシー 「まぁ、”クローク・オブ・レジスタンス”は持ってなかったから、ラッキー♪」
アレクセイ 「これはいいものですよ。 寝るときに抱いて寝たいくらい。(笑) レジスタンスは売ってパーティ資金とか。」
ユーヌ 「いやいや、貸してくれるだけでしょ?」
DM 「いや、あげますよ。」
ユーヌ 「くれんの?! ほーぅ。イイネ。」
バーン 「んー、レジスタンス+2と、どっちを使うかな。」
ユーヌ 「着換えろよ。 +2は僕が使ってあげるヨ。(笑)」
DM 「+2だと迷いますよねー。」
バーン 「いや、ハイローニアスのマークが入ってるってのが。」
DM 「いやいや、普通に見たくらいでは分からないものですよ。」
アレクセイ 「いいじゃないですか、ハイローニアスのマーク。」
DM 「目立つように入ってたら、着ない人も多いかと思って、普通は分からない程度にしておきました。」
ウィンシー 「私はいいものならば、何でも着るわよ!」
グラム 「その割には、さっき刺繍を直そうとしていたようだが。(笑)」
DM 「刺繍もありません。(笑)」
アレクセイ 「きっとバッヂに意匠が見られるくらいなんですよ。」
ユーヌ 「(爽やかに)そうね。 これで僕も今日からハイローニアスし、信者だ!」
DM 「噛んでる、噛んでる。(笑)」
ウィンシー 「ローフル・グッドなんて、一個も重なってないけど、大丈夫かな。(笑)」
DM 「悪でない限りは一応発動しますので。」
バーン 「子供のころからアローナとか、コアロンとかを信じてたからなー、抵抗があるよなー。」」
ユーヌ 「バーンが貰わないなら、ボクが。」
グラム 「売られそうだ…(笑)。」
バーン 「いや、もらう事はもらうさ!」
DM 「クロークを渡し終わると、神官さんが向き直って声をかけます。
『では諸君、サートラスの尖兵の企みを打ち砕いてくれたまえ』。」
アレクセイ 「微力を尽くします。」
ユーヌ 「まぁ、ライフワークでもいいかなぁ。 100年以内くらいに解決できればいいや。」
ウィンシー 「エルフは気が長いなぁ。」
DM 「100年も経ったら、きっとえらいことになりますよ。」
グラム 「”サートラスの尖兵”を討ちとったら、ドワーフとしての名が上るかなぁ。」
バーン 「そもそも”サートラス”自体が何かもわからないんだからな。 もっとも、その尖兵とやらを討ちとるのも大変そうだが。」
グラム 「そうだな。」
バーン 「じゃあ、行くか。」
DM 「出発したら一気に大帝王の墳墓の地下まで行くのでよろしく。(笑)」
ユーヌ 「はい。」
ウィンシー 「さて、今回買った効果時間延長のロッドで”マジック・ポーション”でも作りましょうかー。」
ユーヌ 「コンティニアル・フレイムの準備でもするかー。」
DM 「準備ができたらオープニング・ムービーを始めちゃいますよ。」
オープニング〜アンダーダーク入口へ
 冷たい湿った空気がダレンドの顔に吹きつけた。
彼は何度か目ばたきした。
すくなくとも、目ばたきしたと思った。
目を開けていようと閉じていようと、見えるものはただ暗黒。
どれだけ先があるか知れぬ深い深い“無”があり、空虚があるばかりだった。
 冷たい風が頬をなでて過ぎた。
その風のなかの、塵と古い腐敗のにおいが鼻をついた。
ふと、祖母の館の古い地下室のことが思われた。
ここはあの地下室によく似ている。
だが、もっと広く、もっと変っている。
まったく、変ったところで目をさましたものだ……

 違う! おれは落ちたのだ!
一挙に記憶がよみがえった。
驚きあわてる仲間たちの顔が目の前をかすめて過ぎ、思わず絶叫が口をついて出た。
そうだ、ロープが切れたのだ、そしておれはあの忘れられた王の墓のそばの、狭い縦穴に落ちたのだ。
 どれくらい落ちたのだろう。
彼は手を動かそうとした。
とたんに激痛が走った。
1ヶ所か2ヶ所の骨折はまちがいない。
 彼は頭を右へ、左へうち振り、「神はほむべきかな」としゃがれ声で言った。
とにもかくにも命はある。
ここで待っていれば、いずれ仲間たちが見つけてくれるに違いない――
 待て。
 おれはどれほどの間、この暗い地底の深みに横になっていたのだ? 
はっきりとは言えない、だが勘では相当の時間が過ぎたという気がする。
なぜ、仲間たちはまだおれを見つけてくれていない?
 「おおい」と声を張り上げた。
仲間たちは今も彼を探していて、暗闇のせいで見つけられずにいるのかもしれない。
「アンゲル? ジャマーチ? おれはここだぞ!」
自分の声が恐怖で震えているのがわかった。
落ちつけと自分に言い聞かせ、二度、三度、深呼吸をした。
 呼び声は暗い、奥ふかい涯に木霊して消えた。
これが洞窟だとしたら、さぞ大きな洞窟に違いなかった。
恐怖が胸を締めつけた。
おれは噂に聞く、あの広大な地下世界、アンダーダークまで落ちてしまったのだろうか。
 とつぜん、きちきちという音がした。
ダレンドは首をもたげた。
目をかっと見開く。
もとより黒冥々のなかに何も見えはしない。
「アンゲル?」そうであってくれと思いながら、彼は呼びかけた。
 答は無い。
心臓が早鐘を打った。
口の中が乾いた。
 また、音がした。
きちきちと、きちきちと。
 近い。
 奇妙な鳴き声。
 そして渦巻く蟲の群が彼を包みこんだ。
 
ウィンシー 「きゃあ、南無ー。 今の人の死体を見つけるところから始まるわけね。(笑)
蟲が大量にいたりするのかも。」
アレクセイ 「きちきち音はキチンもいるかもですね。」
DM 「というわけで、君達は第6回のセッションで発見した、大帝王の墳墓の地下室に開く穴から、さらに地下へと降りて行く事になります。」
ウィンシー 「じゃあ、朝一番ってことで、この青汁味のポーションを誰か飲みなさい♪」
アレクセイ 「えー、青汁味にしたの? 人が頑張って詰めたのに〜。」
ウィンシー 「うふふ、いいじゃない♪ で、マジックサークル(マジックサークル・アゲンスト・イーヴル)はどっちに飲ませる?」
アレクセイ 「ユーヌの方がいいんじゃないですか?」
ユーヌ 「どんな効果だっけ?」
ウィンシー 「”悪”に対する効果にAC+2の反発ボーナスとセーヴィングに+2。 それに心術の抑制。」
ユーヌ 「ううっ、苦しい!(一同笑)」
アレクセイ 「自称中立の人が苦しんでる。(笑)」
バーン 「”プロテクション・フロム・イービル”みたいなものか。」
ウィンシー 「それの範囲版みたいなもんね。 さらに来訪者のクリーチャーはその範囲内に入れないと。」
ユーヌ 「クラシックの”プロテクション・フロム・エビル・10フィート・ラディアス”みたいなものか。」
アレクセイ 「そうそう、それそれ。」
ウィンシー 「あと、”クラウン・オブ・マイト”のポーションが2つ。 筋力が+2ね。 これはグラムとユーヌに。」
バーン 「なぁ、この青汁味ってのなんとかならないのか?」
ウィンシー 「健康に気を遣ってるのよ。 あ、ビンはリサイクルだから返してね!(一同笑)」
ユーヌ 「ビンの回収で20円もらえるかな。(笑)」
DM 「と、言う訳で君達の前には王達の像と棺、それに深い穴があいているわけです。」
ウィンシー 「あ、それから呪文効果時間延長のロッドは、朝一番に1回分メイジアーマーをかける時に貸してもらって、あとはアレクセイに渡しておきます。」
アレクセイ 「はーい。 さて、穴の底を照らしてみますが…」
DM 「”コンティニアル・フレイム”の明かりでは、暗闇を照らしきれず、ひたすら暗黒の空間に見えます。」
ユーヌ 「投光式ランタン+夜目で240フィートならば?」
DM 「200フィートで見えちゃうんですよね。(笑)」
バーン 「じゃあ、ロープをたらして降りるか。」
DM 「一応、すでに1本のロープが垂らされていますよ。」
バーン 「こんなのを信じる奴はいないだろ。 自前でやろう。」
ウィンシー 「人が落ちると悪いので、”フェザー・フォール”の巻物を取り出して待機〜。 人が落ちたら唱えます。」
ユーヌ 「穴の付近に罠や仕掛けがないか<捜索>しておくよ。」
DM 「(ダイスを振って)特になにもなさそうですね。」
バーン 「で、誰から降りる?」
ウィンシー 「夜目が利く人。 いや、暗視できる人。」
バーン 「グラムか。」
ユーヌ 「敵が出ても即死しない人!」
DM 「やっぱり、グラムじゃないですか。(笑)」
バーン 「最初だから、ロープに体をくくりつけて降りてもいいだろうな。 落ちる心配もないし。」
グラム 「もちろん、行くさ。」
DM 「はい。 ロープに吊るされて、ひたすら暗い暗黒の洞窟を下りて行きます。
やがて見えてくるのは幅の狭い傾斜の急なトンネルで、幅は約5フィート。 高さは7フィート。
壁は緑がかった木の柱で支えられています。 空気は湿っていて、物の腐る臭いが鼻をつきます。
傾斜がずっと一律だとすれば、この通路は北へ数百ヤードも行くと地上に達するでしょうか。
南へ下って行くと、どれだけ先があるのか、皆目分かりません。」
ウィンシー 「地上に行く方もあるなら、そっちを先に探索したいよね。」
アレクセイ 「だねー。」
DM 「グラムには、この洞窟がまだ新しいもので、1か月くらい前につるはしと魔法で大急ぎで乱雑に掘ったものだと分かります。」
グラム 「本当に、新しいんだ。」
バーン 「ワームみたいな大虫が作った洞窟というわけではないんだな。」
グラム 「さて、一番下まで行って、危険はないか確認。」
DM 「特に周囲に気配や姿はみあたりませんね。」
グラム 「では、声を出すのも危険だからあらかじめ決めておいた合図をしよう。 ロープを5回引っ張る。」
DM 「ここの縦穴は狭く、ロープ以外にも足や体を預けるところがあるので、時間をかければ皆さんも降りてきていいですよ。」
ウィンシー 「はーい。」
バーン 「しかし、ロープが俺とユーヌの分を合わせても20フィートしか残らないぞ。」
DM 「じゃあ、ゼルギウスが『僕が最後まで残って、ロープを持って”フェザー・フォール”で降りて行きましょうか?』と。」


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