ウィッシュベル・キャンペーン 第1話 【病魔の坑道】

 

前キャンペーン「ムーンエンド」終了から10年。 30道を間近に控えたメンバーが再び集まり、昔の話などをしつつ新しいルールブックを開く。
今回使用するルールはD&D3rdエディション。
前作に比べて能力値に『スキル』が導入されるなど、繊細な判定が可能になりつつも、初心者でも分かりやすい優秀なルールだ。
  

作成したキャラを紹介。
 
Y(トパ) 「さぁ、新しいキャンペーンを始めるよ。 DMは前作に引き続いてYが務めます。 よろしく。」
N(元ジョン) 「おう、なんか久し振りだな。」
J(元ルイ) 「ふふふ、本当に。 幾つになってもTRPGのセッションを始める前というのはワクワクしますネ。」
T(フェイ) 「んだんだ。」
A(冬弥) 「他のメンバーとクラシックD&Dはプレイしたことがあるけど、このメンバーでは初めてなんだよな。 よろしく。」
「よろしくぅ!」
I(よいち) 「私はD&D自体初めてかも。 ソードワールドならやったことがあるんだけど。 なんにしてもよろしくね。」
Y(以下DM) 「よろしく〜。 さて、早速キャラの紹介をしてもらいましょうか。 誰か1番手よろしく。」
「ならば、俺から。 名前はリサ。 名前は女みたいだが、26歳の男でクレリックだ。 肌の色は白。 目と髪は黒。 筋力とか耐久力は平均値だったり、マイナスが付くような値なので、頑丈な体というわけではないが、僧侶らしく判断力と魅力が優れている。 武器はレイピアとダガー。」
リサ
「ふむ、今回はクレリックも刃物を持てるんですね。 いいことです。」
N(以下リサ) 「馬も持ってるぞ。 カオスニュートラルの性格で、身長188cmで69kg。 この村の神父さんを手伝っているという設定。」
DM 「了解。 村の外からやってきたんだっけ?」
リサ 「うん。 村の外れで倒れているところを神父さんに拾われたので、恩のある神父さんに怒られると頭が上がらない。みたいな。」
DM 「太陽神ペイロアの僧侶だったね。」
リサ 「それほど熱心に信仰しているわけじゃないけどね。 それから金は持ってない。」
「なんで?」
リサ 「持っていると酒代になっちゃうから、神父さんに管理してもらっているんだ(笑)。 旅の時やら買い出しの時に、駄賃を含めてもらうことになっていると。」
「なかなか、面白い設定ですねぇ。」
リサ 「ありがとう。 次はJがやってくれ。」
「はい、自己紹介しますよ。 名前はアンドレア=ルイ。 今回もルイです(笑)。」
「分かりやすいな(笑)。」
ルイ 「ソーサラーで、性格は真なる中立。 信仰する神はボカブ。 魔術系です。 目の色は青で髪の色は金です。 親が余所の町で薬の商人をしていたんですが、ある時突然私がソーサラー能力に目覚めまして、そのままでは能力が暴走しそうだったので、この村の師匠に預けられたという設定です。 親の能力だった薬師の能力の他、自分が興味を持っている錬金術とかも覚えています。」
リサ 「うんうん。」
ルイ 「錬金術が好きなので、その為のお金を貯めたいなぁ、とも思っていますが、当面はどうやって師匠の元から逃げ出そうかと考えていますよ(笑)。」
「あはは、今度のルイも面白いなぁ。(笑)」
ルイ 「もう、師匠に監視されるのはイヤになっていますから(笑)。 逃げるチャンスをうかがっていますよ〜。 でも親の目も光っているらしいので、下手に動けないのが難点です。 で、能力値的には筋力などは低いのですが、魔法的な能力は高めです。 武器にショートスピアを持っていますが、おそらくこれを使う機会はないでしょう。 また飛び道具にライトクロスボウをもっていますよ。 さて、次はTお願いします。」
「了解。 キャラクター名がウィルブック・フォレスト。 職業はレンジャー。」
ウィル
「フォレスト? 森か?」
T(以下ウィル) 「ちなみに、本名じゃないんだ(笑)。 ウィルブックは本名だけど、フォレストの方は偽名。 本当の名前はウィルブック・イムラント。 親孝行だけれど女癖は悪い。 偽名にしているのは、冒険者の仕事のせいで親に迷惑がかからないようにしているからだけれど、案外女癖の方でも役に立っているかもしれない(笑)。」
ルイ 「癖のある設定ですねぇ。」
ウィル 「うん(笑)。 親は二人とも健在で宿屋を営んでいる。 狩人の祖父がいたんだけれど、こちらは死亡。 祖母は健在。 祖父はレンジャーでもあったので、それにくっついて歩き回っているうちに技能を身に付けたんだ。 信仰する神は森の女神アローナ。性格は中立にして善。 168cmで58kg。 小柄だけど俊敏さが売りだ。 髪の色は青みがかった黒。 肌は白、目は黒。 能力値的には敏捷と判断が高いという典型的なレンジャーのバランス。 筋力も人並み以上にあるよ。 さ、次はAやってくれ。」
「俺か? キャラ名はアイクベルク・ウィンフィールド。 ハーフエルフの男でローグをやっている21歳。 属性は混沌にして中立。 189cmで73kg。 ブルーブラックの目にシルバーグレーの髪。 信仰する神はコアロン=ラレシアン。」
アイク
DM 「エルフの神だね。」
ルイ 「なるほど、エルフ寄りのハーフエルフなんですね。」
A(以下アイク) 「そうそう。 俊敏さが売りだが、耐久力は低いので攻撃が当たるとすぐに死ぬ可能性アリ。 村には…人に言えない理由がいろいろとあって(笑)。」
DM 「いろいろね(にやり)。」
アイク 「あ、なにか嫌な予感!」
ルイ 「DMがああいう笑みをした時には気をつけた方がいいですよ〜。 きっと、なにかよからぬ設定を思いついたに違いありません。」
DM 「よからぬとは何だ(笑)。 まぁ、いい設定になりそうだ。」
アイク 「不安だ(笑)。 ともかく、村には来たばかり。 キャラは無口という設定なのでよろしく。」
DM 「キャラは無口な設定でも、行動をいろいろ宣言すれば暇になることはないだろう。 了解。」
リサ 「すると、村に住んでいるのは俺とルイだけか?」
ルイ 「ですかね。 私が7年前からで、リサは(キャラシートを覗き込んで)2年前からですか。 さて、最後にIさんよろしく。」
「はいはい。 名前はイファ・ヴランシェ。 16歳の人間の女の子ですが、戦士をやっています。 身長は160cm。 実家はここから遠い村で商人をしています。 姉が2人と弟が1人の4人兄弟。 元々身体を動かすのは得意で、家の手伝いの荷物運びなんかをしていたんですけど、ある日村の近くに住みついた盗賊と戦う為に戦士になりました。」
イファ
ウィル 「もしかして、やっつけてきちゃったの?」
I(以下イファ) 「ううん、荷馬車の護衛とか、村の警備をやっていただけ。 でも、まだまだ弱い戦士なので、武者修業するべく旅に出て、この村には3ヶ月前にやってきました。」
リサ 「珍しいな、3ヶ月前ってのは。」
ウィル 「だねぇ(笑)。」
イファ 「微妙なところで(笑)。 信仰は力の神様のコード神で、性格は混沌にして善。 信仰心は強くないです。」
ルイ 「ふむふむ。」
イファ 「日本人程度の信仰心だと思って頂戴。」
リサ 「弱っ!(笑)」
ウィル 「信仰していないのも同然だね(笑)。」
イファ 「その時になったら、違う神様も拝んじゃうかも、みたいな(笑)。 ちょっと日和見な性格です。」
DM 「ほーい、これで全員そろったね。 まぁ今回も癖のあるメンバーがそろったということで。」
ウィル 「ルイがいるからな。」
イファ 「そうなの?」
リサ 「うん。」
ルイ 「こ、今回はそんなに変じゃありませんよ! まぁ、見ていて下さいよ。」
DM 「はいはい。 今回もそれぞれのプレイに期待しているよ。 今回は初回ということで、プレイヤーズルールブックに載っていた練習用シナリオを使うからね。」
ルイ 「ええ、聞いていたので、読まないようにしておきましたよ。」
ウィル 「おなじーく。」
リサ 「俺なんか、ルールブック自体あまり読んでないぞ!」
アイク 「自慢にならん!(笑)」
イファ 「と、とにかく続きをどうぞ(笑)。」
DM 「ほい(笑)。 皆がいる村はアウェインといって、隣国ルメロニアとの国境緩衝地帯とでも言うべき草原に位置している。 一応西側のモンマルトル王国領にはなるのだけれど、南北に長く続く山脈によって首都と切り離された形だし、距離も遠い。」
ルイ 「まさしく、辺境の村といったところですか。」
DM 「まぁ、それでも首都との間に街道は続いているからね。 隣の国からモンマルトルに入った旅人が、山越えをする前に宿泊する村といったところ。」
ルイ 「なるほど、宿場町というわけですか。」
リサ 「だから、通り道になっていて、皆がここにいるのかもしれないな。」
ウィル 「かもねー。」
イファ 「あたしは何で、そんな所に3ヶ月もいるんだろう?!」
リサ 「山も近いから、武者修業に向いているとか。」
DM 「山脈の近くだから、それを水源とする川があるということで。 なお山脈は”蛇巻き山脈”と呼ばれている。」
アイク 「蛇まき山脈か。 由来でもあんの?」
DM 「地図で見てもらうと分かるんだけど、山の並びがとぐろをまいた蛇みたいに見えるからなんだね。」
イファ 「だったら、あたしは川でシャケでもとって…もとい、泳いで修行しているということで(笑)。」
ルイ 「シャケだったら分けて欲しかったですね…酒の肴に。 ふふ。」
ウィル 「そんなの、お世話になっている師匠の家の裏の畑から、大根でも抜いてくればいいじゃん。」
ルイ 「大根なんて作ってますかねぇ。(笑)」
イファ 「ともかく、泳ぎは得意よ!」
ウィル 「今回からスキル制が導入されたから、そういった特徴付けもできていいね。」
ルイ 「ええ、ええ。」
DM 「舞台設定の説明が終ったところで、始めるよ〜。」
一同 「(パチパチ(拍手))」
 

始まりの舞台は「アウェイン村」
 
DM 「まだ君達は合流していない状態ということで。 まずはルイから行こうか。 君は村の外れにある師匠の家にいる。 それほど大きくはない窓から、春先の柔らかい日差しが入り込んできているよ。 時間帯は昼だ。」
ルイ 「昼ですか。 と、言う事は午後からも修行なんですよね?」
DM 「そうだね。 君の師匠のナサニエルは、毎日朝から夕方まできっちりと修行をさせようとするから。」
ルイ 「夕方までなんて、ダルイです。 やってらんないです。 ええと、師匠は今何をしてるんです?」
DM 「さっきまで君の修行を見守っていたんだけれど、近所の人から相談が入ってね、君に修行を続けるように言い残してそちらへ行ってしまっている。」
ルイ 「ふむふむ。 師匠は人からの相談も受けているんですか。」
DM 「そう。 君の師匠は村でも有名な人格者で、色々なところから相談がくるんだ。」
ルイ 「そして、相談が来るたびに私は修行を抜け出して酒場に行くわけですね。 ふふふ(一同笑)。 んじゃ、今日もこっそりと行っちゃいましょうかね。」
DM 「抜け出すのか(笑)分かった。 ではリサ。 君は教会に居候させてもらっているわけだけれど、そこの神父さんから村の井戸を掃除しておくように言われるよ。 いわゆる奉仕活動というやつだね。」
リサ 「はーい、わっかりましたー!」
DM 「君の返事を聞いて、神父のサミュエルが眉をしかめているよ。 『本当に分かったんだろうか?』といいたげな表情だね。」
リサ 「それは気づかなかったフリをしてと。 掃除道具はその辺において、酒場へGO!(一同笑)」
DM 「リサもか(笑)。 じゃあ途中でいつもの仲間のルイと出会う。」
ルイ 「やぁ。」
リサ 「よぅ。 行くか?」
ルイ 「もちろんです(笑)。」
DM 「君達が酒場に到着すると、オヤジが『また来たか』といった表情で…(笑)。」
リサ 「そんな顔すんなよ、オヤジぃ。」
ルイ 「修行がメンドウなんですよ、修行が。」
酒場の主人 「(準備をしつつ)ちゃんと酒代払ってくれよ?」
ルイ 「いつもはツケですからね。」
リサ 「俺の分は、いつも神父さんが泣く泣く払いに来てくれているわけだ(一同笑)。」
酒場の主人 「神父さんに面倒かけんじゃねーぞ!?」
リサ 「うるせぇ、ほっとけ。」
DM 「と、言う様子が既に酒場にいるウィルとアイクには見える。」
ウィル 「うわー、どこにでもいるんだな、ゴクツブシってのは。 言わないけど。 あ、おやっさん、エール酒もらえる?」
酒場の主人 「あいよっ。 お客さん旅の人かい?」
ウィル 「ああ、ちょっとね。 特に目的があるわけじゃないんだけど、なにか面白い事が無いかと思ってさ。 この辺で何か聞いてない?」
酒場の主人 「そうだなぁ、面白くはないと思うけど、ここから西に行った峠の街では病気が流行っているみたいだぞ。」
アイク 「そういえば、俺はそっちから来たんだよな。 何も言わずに会話だけ聞いておくが。」
ウィル 「病気ねぇ。 厄介なのかね?」
酒場の主人 「さぁ、詳しいことは分からないけどな。」
ウィル 「ところでさ、この村ってかわいい子はいる?」
酒場の主人 「あ?ああ、いるとも。 ホップ農家のマーフィーの娘とかな。 今年ようやく5歳になったんだ。」
ウィル 「あ、いや、そういうのじゃなくてね…。」
ルイ 「(会話に割って入って)あなた、そんなの探してどうすつもりなんです?」
ウィル 「決まってる。 デートに誘うんだよ。」
ルイ 「ほーん。 (DMに)私はある程度知っていていいんですかね?」
DM 「そうだね。 君は7年もこの村にいるわけだし。 この村では村長の娘のカレンという娘がなかなかの器量良しだ。 歳は17。 但し彼氏がいる(笑)。 あと酒場の隣にあるパン屋に、最近『修行中』と称する女の子が泊まり込んでいる。 こちらは16歳くらい。」
イファ 「それって、私の事?(笑)」
DM 「うん(笑)。」
ルイ 「ウィルは見たところ冒険者みたいにも見えますよね?」
ウィル 「まぁ、革とは言えアーマー着たり武器を持ってたりするからね。」
ルイ 「いいなぁ、私も冒険に出たいなぁ、と思いつつ、『だったら、知っていないこともありませんよ〜。』と、思わせぶりに。」
ウィル 「オヤジっ! ここの気品のあるお二人にジョッキをお出してくれ!(笑)」
リサ 「うわ、なんか軽っ!(笑)」
ウィル 「で、誰だって?」
ルイ 「ぷはー、あー、うまい。 でももう少し飲んだらもう1人思い出すかも。(笑)」
ウィル 「お、オヤジ、今度は2杯ずつ頼む!」
DM 「オヤジは『やれやれ』といった顔でジョッキを追加するよ。」
ルイ 「んー、ひっく。 ええとですね、1人は村長の娘でカレンしゃん。 17歳だけど、彼氏がいまふ。 あとねここの隣のパン屋に16歳の女の子が住み込みで働いていますよ。 なんでも遠い町から修行に来ているんだとか。」
ウィル 「なんか、呂律が怪しくなってきてるよーだが(笑)有効な情報だな。 彼氏持ちだろうと関係ないし、もう1人は故郷を離れて1人で寂しいこともあるだろう。 うんうん。」
DM 「パン屋のおかみさんはすごく親切な人でね、家族からも良くしてもらっているよ、イファは。」
イファ 「なるほど(笑)。」
リサ 「んじゃ、『毎日楽しそうだったぞ。』と、ボソっと。」
ウィル 「うっ…ま、まぁそう見えるかもしれないさ!」
アイク 「まったく、騒がしいことになってきたよな。 俺はテーブルに酒代を置いて、黙って二階に上がるぞ。」
リサ 「(オヤジに)あれは、誰だ?」
宿の主人 「ああ、なんでも3,4日前に西の方からやってきたんだ。 あっちでは病気が流行ってるって話だったが…。」
ウィル 「うわ、感染してないかな?」
宿の主人 「感染していたとしたら、倒れてるさ。 強い病気らしいからな。」
リサ 「ふーん。」
ルイ 「病気ではなぁ…。」
リサ 「どうした? ルイ。」
ルイ 「いや、私はもう修行なんか嫌だから、冒険にでも出てパーッと解放されたいんですよ。」
リサ 「で、病気じゃ理由にならないってか?(笑)」
ルイ 「ええ(笑)。」
DM 「と、いったところでイファ。 そろそろ日が少しずつ傾いてきていて、夕食用のパン造りで皆忙しく働いている。」
イファ 「私はパン生地をこねたり、カマド用の薪を割ったりしているわよ。 細かい仕事よりも、こっちが得意(笑)。」
DM 「じゃ、裏で薪割りをしていたイファのところに、パン屋のおかみさんがやってくる。 パンの配達をしてきて、最後に隣の宿屋兼酒場から明日の注文を取ってきて欲しいんだって。」
イファ 「オーライよっ! それじゃあ、ダッシュでいってきまーす!!」
パン屋のおかみ 「イファちゃん、パンを忘れてるよ〜!!」
イファ 「ああっと、いけないいけない(笑)。 ダッシュで戻って、再びダッシュで走り去ります。 …はっ、どこに配達してくるのか聞くのを忘れてたわ(一同笑)。」
DM 「おかみさんが息を切らせながら追いついてくるよ(笑)。 薬草屋のマルティンと、村長の家、それから神殿に行って欲しいそうだ。」
イファ 「お、オーライよっ!(笑) …今度こそ、忘れてないわよね。 いってきまーーー−−−す!」
DM 「と、ドップラー効果を残しつつ(笑)、夕食の準備の煙が上がる家々の脇をすり抜けて、イファはマルティンの家に到着した。 マルティンは17歳の若さながら、確かな腕を持った薬草師ということで村では有名だ。 ちなみに、同じく薬草に詳しいルイとも仲がいい。」
イファ 「ルイさんの事は知っていてもいいのかしら?」
DM 「うん、君が酒場に注文を取りに行くと、いつも飲んでいる青年だから(笑)。」
イファ 「変わったお友達を持っているのね〜。 とにかく、毎度っ! と、パンの篭を置いて村長の家に…」
マルティン 「ああっ、イファさん、お代を〜!!(一同笑)」
イファ 「もう聞こえていません(笑)。 村長さんこんばんはー!」
リサ 「もう着いたのか(笑)。」
DM 「村長はモービスという名前で、やり手の村長で通っているよ。 でも今日は娘のカレンが顔を出す。」
カレン 「あら、イファちゃん、こんにち…」
イファ 「(遮って)あ、カレンちゃん。 はい、これパン。 毎度っ!(笑)」
DM 「『待って、待って!』とカレンが君の服を掴む。」
イファ 「ん? どうかしたの?」
カレン 「お代を忘れてるわよ。 この調子だと…。」
イファ 「あ、さっきも貰うの忘れた〜。」
カレン 「やっぱり…。」
DM 「と、会話が進んだところでようやくマルティンが追いついてくる。」
マルティン 「やー、イファさん、足速いっすね。」
カレン 「だらしないわよ。 マルティン。」
イファ 「あ、カレンちゃんの彼氏ってもしかして…。」
DM 「そう、このマルティンなんだね。 マルティンは自分が遅いんじゃなくて、イファが速すぎだとか弁解めいたことを言っている(笑)。」
イファ 「ふふん、鍛えてますから(笑)。 じゃ、お金を受け取って教会にいきまーす!」
DM 「ほい、あっという間に教会に着くと、何やら神父さんが怒っている。」
イファ 「あら、神父さん、どうかしましたか?」
サミュエル(神父) 「どうもこうもありませんよ。 まったく…! リサさんに奉仕活動をお願いしたのに、全然、その場所に行ってすらいないらしいんです。」
イファ 「ああ、そう言えば酒場に入るところをチラッと見ましたよ。 うち隣ですから(笑)。」
リサ 「あーっ、言われてる!(笑)」
サミュエル 「やはりですか!(早足でサッサと歩いていく。)」
イファ 「あのー、パンを…。 まぁいいか。 置いていこう。 お金はツケにしときます。」
DM 「ほい、酒場の方に戻りまーす。 入り口の扉が開いて『リサは?リサは?!』という、リサにとっては聞き慣れた声が聞こえてきた。」
リサ 「返事はしないけど、振り向く。」
DM 「神父さんが怖い顔で立ってるよ。」
サミュエル 「リサさん、井戸の掃除はどうなりました!?」
リサ 「ああ、アレ…ね。 明日でもいいかな?」
ルイ 「リサ、まずいですよ、その返事。 誤魔化さなきゃ。」
リサ 「うっ、怒られるとちょっと弱いんだよな〜。」
DM 「でも、神父さんもこの2年で大分なれた様子で、『仕方ないな…』という表情だよ。」
リサ 「で、でも、これを食べたらやろうと思ってたんだ。」
サミュエル 「そうですか…。 しかし今度お願いしたいことは町の外に出る事ですから、夜にはキチンと戻ってきなさい。」
リサ 「はーい。」
DM 「神父さんは、あまり飲みすぎないように言い残して帰って行くよ。」
ルイ 「お、お?! おおお?! 外に行くんですか? いいですねぇ。いいですねぇ。いいですねぇ!! 私も連れていって下さいよ。 ちょっとでいいからぁ〜。」
リサ 「報酬は出ないよ?」
ルイ 「報酬なんていいんですよ、外に出られれば。」
酒場の主人 「師匠に言いつけるぞ、ルイ。」
ルイ 「そんなカタイこと言わないで下さいよ、すぐに戻ってきますからぁ〜。」
ウィル 「随分外に出たそうだねぇ。」
ルイ 「や、ホント、早く出たいです。」
DM 「と、そんな話をしつつ日が暮れる。」
アイク 「そろそろ、夕食でも食うか。」
酒場の主人 「お客さん、お食事ですか?」
アイク 「ああ、なにか軽いものを頼む。」
リサ 「軽いヤツならここにいるぞ!」
ウィル 「軽いって言うな〜!(笑)」


【キャラ紹介へ】 【NEXT】

パン屋のイファ。 よいち画。