ムーンエンド・キャンペーン第三部 第1章 【砂蜘蛛シェロヴ】

 

遭遇
 
DM 「では、館の地下にある門を通ってテレポートするわけだ。 タレスティウスやメセルティが見送りをしてくれるよ。」
ジョン 「おう、それじゃあじーさん、世話になったな!」
ルイ 「メセルティさん、またお会いしましょう。」
エフェ 「いってきまーす♪」
メセルティ 「お気をつけて〜。」
DM 「門を抜けると、砂漠に出る。 こちら側には門がないので、どうやら一方通行だったようだね。」
イーグル 「砂漠かー。 暑いだろうな。」
DM 「いや、ここのところずっと黒雲が空を覆っていてね。 日差しが届かないせいで、それほど暑さは感じられない。」
ジョン 「これも、俺達の敵の仕業なんだろうか。」
エフェ 「そう考えるのが妥当よね。」
フェイグランス 「ここだけならともかく、ムーンエンド島中いたるところでこの調子だと、農作物も育たなくてツライだろうなー。」
ルイ 「飢饉になったら、亡くなる人は戦争の死者よりも増えるかもしれません。 あまりノンビリとはしていられないかも。」
ジョン 「そいじゃ、まずは最初のオアシスに向かって出発するか。」
エフェ 「ラシード(オアシスの事)=チャドウね。」
DM 「君達が歩き出そうとした時、突然君達の目の前の砂が2フィート(約60cm)ほどもりあがる。
下から押し上げられたサラサラとした砂は流れるように砂漠の地面に落ち、そこから中型の犬くらいの大きさの、黒い蜘蛛が1体、姿を現した。」
ジョン 「なんだか知らないが、早速現われたな、シェロヴとやら! …に、しては小さいような?」
アイリーン 「あれはシェロヴの子供達と呼ばれている蜘蛛です!」
ジョン 「何、その子供達って…って、そんな会話をしている暇は無いか。」
DM 「そうとも。 現われて即襲いかかってくるからね。 まずはイニシアチブ。」
エフェ 「私達にしてみれば、久々の戦闘と言うわけね。 イニシアチブは1。 …あれ?低いや。」
イーグル 「久し振りで、素早く反応できなかったってとこか(笑)。」
エフェ 「そのようね(笑)。」
DM 「こっちのイニシアチブは2。 先頭にいるジョンに攻撃してと。 当たらないや。」
フェイグランス 「次はこっちだね。 小手調べにマジック・ミサイル(魔法の矢)で17ポイント。」
イーグル 「俺はジョンにストライキング(打撃強化)をかける。」
エフェ 「うーん、本気を出して戦うほど強いのかなぁ。」
ルイ 「さっきのアイリーンの話からすると、今のうちに補助はかけておいた方がよさげです。」
エフェ 「どうして? …って、なるほど、アイリーンはシェロヴの子供”達”って言っていたもんね。」
ルイ 「ええ、増援の可能性があります。」
エフェ 「分かったわ。 ではヘイスト(高速化)の呪文を唱える。」
ジョン 「おーし、いいぞ! その蜘蛛にはAC(アーマークラス。 値が低いほど攻撃が当たりにくい。)5で命中する?」
DM 「当たるよー。」
ジョン 「おーし、マルチアタック、行くぞー! 更にヘイストの効果で合計4回攻撃!」
フェイグランス 「凄いな。」
ジョン 「そして、4回命中! 14+11+12+6で43ポイント!」
イーグル 「なんつーダメージだ。 剣での攻撃だから、当然セーヴィングスローなんかでダメージも軽減できないわけだしな。」
DM 「もう、ない(笑)。」
エフェ 「HP(ヒットポイント。生命力の意味。 これが0になると死亡する。)が無くなっちゃったのね(笑)。」
DM 「やはりマルチアタックに補助がかかるととんでもない事になるよなぁ。」
ルイ 「さて、アイリーンさんから先の説明の続きを聞きましょうか。」
アイリーン 「はい。 この蜘蛛は『シェロヴの子供達』と呼ばれ、自在に砂の中をもぐって行動することができます。
さらにこの子供たち同士では感覚の共有ができるようなのです。」
エフェ 「つまり、1匹に何かが起こると、他の蜘蛛にもそれが分かると言う事?」
アイリーン 「はい。 そして名前の通り、シェロヴの活動時期にのみ現われています。」
エフェ 「シェロヴの端末的役割というわけね。」
フェイグランス 「一体を電撃とかでショック死させたら、残りも死んだりしないかな?」
アイリーン 「以前の戦いで魔術師が電撃の呪文(ライトニング・ボルト)を使って子蜘蛛を倒した事はあったのですが、他の蜘蛛に影響はありませんでした。」
エフェ 「感覚は一部遮断できるというわけね。」
イーグル 「そうだな。」
DM 「と、言うわけで君達の背後に3つ、先程と同じような砂の盛り上がりが起きる。」
ジョン 「増援ってやつか。」
ルイ 「一体と戦えば、感覚を共有している他の蜘蛛が現われるというわけですか。 厄介な。」
エフェ 「この調子だと、親蜘蛛にも感覚が伝わっているでしょうねー。」
ジョン 「早目に出てきてくれれば、それはそれで好都合だけどな。」
イーグル 「それを倒す為に山を下りて来た訳だからな。」
DM 「ほい、そんなわけでシェロヴの子供達、A、B、Cが君達に襲い掛かる。」
ジョン 「イニシアチブは(ダイスの目を確認して)とったか。 じゃあAに移動して攻撃。 25ポイント。」
フェイグランス 「BとCにライトニング・ボルトで48ポイント。」
DM 「あらら、全部死んじゃったよ。」
ルイ 「私が手を下すまでもありませんでしたね。 ふ。」
イーグル 「まーな(笑)。 しかし子供達って何匹くらいいるんだろうな。 まさか今ので終りじゃないよな?」
アイリーン 「詳しくはわかりませんが、かなりの数が砂漠に散らばっているはずです。」
ジョン 「で、どうする? 出発するか?」
エフェ 「んー。 1時間程ここで親蜘蛛を待ってみましょ。 それで来なかったらチャドウの町に出発ということで。」
フェイグランス 「あいあいさ。 その間に、砂漠の熱い砂でヤキイモでも作るか。」
DM 「さっき言ったように、厚い黒雲で空が覆われているので、砂は熱くないよ。」
フェイグランス 「がーん! 砂漠の楽しみがぁぁ!」
イーグル 「早速困っている奴がいるようだ(笑)」
エフェ 「涼しくていいじゃない。」
フェイグランス 「空が曇りっぱなしの砂漠なんて気味が悪いずらよ。」
 

砂漠の旅
 
DM 「以前のような、どこまでも青い空の下で見る砂丘には美しさが感じられたけれど、今の黒雲に覆われた空の下では、大小様々な砂丘が連なる光景は何ともいえぬ不気味さで、底知れぬ恐ろしさを内に秘めているようにさえ感じるね。」
イーグル 「この空も砂蜘蛛の所為…ってわけじゃないよな?」
ジョン 「もっと、大物の仕業だと思うぞ。」
イーグル 「だよなー。」
 
その夜
 
DM 「日の光が遮られていることもあって、暗くなるのは早い。 既に寒さを感じるほどの気温になっているよ。」
フェイグランス 「ふむ。 アイスなら作れそうだな。」
エフェ 「アイスなら、山の上にあったお爺さん(タレスティウス)の館で沢山作ったじゃない。」
フェイグランス 「旅の途中、砂漠で作るアイスは格別なのさ。 ビタミン補給にもいいんじゃない?」
エフェ 「それもそうね。」
ジョン 「今日の見張りは、俺とルイとマリュータでやろう。」
ルイ 「呪文を使っていない人達ですか。 仕方ないですね。 もっと頑張っておけばよかったです。」
ジョン 「ホラ、ブツブツ言っていないで、野営の準備をするする!」
ルイ 「あい分かりました。 砂漠に入る前に捨てられたせいで随分数は減ってしまいましたが、松明を並べて明りにしましょうか。 狼除けにもなるでしょう。」
エフェ 「そうね。 随分減ったわりには、60本とか持っているようだけど(笑)。」
ルイ 「松明と聖水、それにランタンの油は必需品なんですよ。」
フェイグランス 「松明とランタンはライトで代用できるし、聖水はあまり要らないとは思うけどね。」
ルイ 「いいんです。 男のこだわりと言う奴です。」
イーグル 「ま、ライトで肉はあぶれないからな。 食事できたぞー。」
ジョン 「おー♪」
フェイグランス 「じゃ、男のこだわりディナーといきますか(笑)。」
エフェ 「おいしそうなのか、むさ苦しいだけなのか、微妙なネーミングだけどね(笑)。」
 
翌朝
 
DM 「黒雲の向こうから僅かな光が感じられる。 どうやら朝になったようだね。」
エフェ 「暑くないのはいいけど、しゃっきりしない朝よね。」
フェイグランス 「ラクダが欲しいな。」
 
日中は何事もなく過ぎ、夕方。
  
アイリーン 「今日は私が料理をしましょうか?」
ジョン 「おおっ、いいねぇ。」
ルイ 「有り難くお申し出を受けましょう。」
エフェ 「族長の妹でも料理とかできるのねー。」
イーグル 「砂漠を長く放浪していたみたいだから、その間に身につけたんだろ。」
ルイ 「じゃあ、今日も松明を並べてと。 昨日の松明の本体部分は折って薪がわりにしましょう。」
エフェ 「鍋もあるわよー。」
フェイグランス 「あれ、鍋なんてあったっけ?」
エフェ 「うん。 ホールディングポケットに入れてきたんだけどね。 ちょっとタレスティウスの家から借りてきたの。」
フェイグランス 「おおっ、用意がいいなぁ。」
エフェ 「一応メセルティさんに断わって持って来ているから、ご心配なく。」
ルイ 「水なら私が大量に出して差し上げますから、足りなくなったら言って下さいね。」
ルイ
アイリーン 「ありがとうございます。 ではよろしくお願いします。」
ルイ 「はーい。」
フェイグランス 「食事が終るまで、旗倒しでもして遊んでようか。」
ジョン 「おお、いつぞやの続きだな。 受けて立とう。 そんじゃあちょちょいと砂山を作って、てっぺんに棒を立ててと。」
フェイグランス 「先にやるぞ。 ごっそーり。」
ジョン 「うわっ、思い切ってるなぁ。」
DM 「じゃあ、棒がパタンと。(笑)」
フェイグランス 「がーん、やりすぎた!(笑)」
ジョン 「ふはは、不戦勝だ!」
イーグル 「楽しそうだなぁ。」
ルイ 「じゃあ、あなたは私とタロットでもやりましょうか。」
イーグル 「あの、死神が2枚ある奴か(笑)。」
ルイ 「ちゃんと別のセットとは分けておきましたからご心配なく(笑)。 今日はクロスでやりましょうかねぇ。」
DM 「で、死神が2枚正位置と。」
イーグル 「おいおい(笑)。」
ルイ 「どうやら、わけ方が不完全だったようです(笑)。」
エフェ 「みんな、お母さんがゴハンを作っているあいだ、遊んで待っている子供みたい(笑)。」
DM 「アイリーンは割と手際よく、材料を切ったり運んだりしているようだ。」
エフェ 「あら、意外だけど料理が得意なのかもね。」
ジョン 「おーし、棒倒し大会、第2回戦!」
フェイグランス 「ひゅーひゅー!」
イーグル 「こっちはタロットカードでタワー作り、どこまで高くできるか大会ー!」
ルイ 「やんややんや!」
エフェ 「このメンバーは…(笑)。」
DM 「遊んでいるうちに、やがて料理が出来上がるよ。」
ジョン 「いっただっきまーす!」
イーグル 「若い娘さんの料理なんて久し振りだよな〜♪」
ルイ 「フレミナたんの手料理以来ですか? うふふ(笑)」
イーグル 「まだ覚えていやがったか、この!」
フェイグランス 「ちゃんとメモしてあるもんね。 忘れてなるものか。 ケケケ(笑)。」
エフェ 「まったく、うちの男どもは…。」
DM 「さて、料理だけど、まずかった。」
エフェ 「え?!」
DM 「美味しくなかった…というよりも、かなーり、まずかった。」
ルイ 「も、もしかして、アニメにありがちな、美少女は料理が下手なパターンですかっ?!」
DM 「そうそう、そんなわけで(笑)耐久力のチェックをどーぞ。 成功すれば平気だから。」
イーグル 「なんだ、チェックをするほどマズイのか?! (チェックをして)まぁ、俺は体が丈夫だから平気だったけどな。」
フェイグランス 「失敗!」
ルイ 「し、失敗です!」
DM 「失敗した2人はだんだん下腹部が重くなってくる。」
フェイグランス 「ぐわっ、この突き上げるような感覚は…!」
ルイ 「ぬぅぅ、この絶望感をすら伴う、生理現象を予感させるこの痛みは…!!」
DM 「そう、下痢だ(笑)。」
フェイグランス 「ちょっと砂丘の影に!」
ルイ 「以下同文!」
エフェ 「あーあ(笑)。」
アイリーン 「あのお二人は、どうかなさったんですか?」
イーグル 「ルイが作った水にでも中ったんだろ(笑)。」
ルイ 「し、失礼な! ぬぅぅ! やっぱりもう一度砂丘の影にー!」
フェイグランス 「砂漠を放浪している間に料理を身につけたんじゃなかったのか〜!?」
イーグル 「あれは、ただの推測だって(笑)。」
フェイグランス 「うぐ、あとで覚えてろよー!」
イーグル 「そうは言っても、別に俺の所為じゃないんだが。」
エフェ 「ま、うるさいのがいなくなっていいんじゃない?」
イーグル 「そうだな(笑)。」
 
翌朝
 
DM 「昨日の2人は耐久力チェック。 成功すれば治るから。」
ルイ 「よっ…っと、治りました。 ふー、つらかった。」
フェイグランス 「俺は今も辛い(苦笑)。」
DM 「まだ治らないのか。 命中判定にマイナスね、マイナス(笑)。」
フェイグランス 「はぅーん。」
ジョン 「なんでアイリーンは平気なんだろう。」
DM 「彼女は自分の料理がまずいことに気づいてすらいない様だよ。」
ジョン 「砂漠の人は、味覚が違うんだろうか(笑)。」
フェイグランス 「うはー、腹がっ!」
ルイ 「お察ししますよ。 置いていきますけどね。」
フェイグランス 「薄情者ー!」
 
その夜
 
DM 「空が…というよりも、雲が赤紫色に染まっている。」
エフェ 「凄い色だわ。」
イーグル 「ますます不吉な感じだな。」
DM 「このあたりはそれだけだが、行く手の遥か先の方で緑色の稲妻が光っている。 一部は落雷しているようだね。」
イーグル 「行く手の遥か先って、ラシード=チャドゥか?」
DM 「いや、それよりもずっと先。 鳳凰の台地がある方だね。」
ジョン 「それは、アイリーンも心配だろうなー。」
エフェ 「これが、ただの自然現象ならいいんだけど。」
ルイ 「敵の手によるものだとしたら、鳳凰の部族が危険ですね。」
エフェ 「うん、だからといって何かできるわけでもないから、アイリーンには黙ってるけどね。」
イーグル 「ああ、それがいいな。」
フェイグランス 「なんだ、俺の腹の音じゃなかったのか。」
イーグル 「今はシリアスなんだっつーの(笑)。」
 
翌朝
 

DM

「何時の間にか空も元どおりの黒雲になっているよ。 フェイグランスは耐久力チェックね。」
フェイグランス 「うりゃっ、治った! よかったー。」
イーグル 「これでシリアスできるな。」
フェイグランス 「うん。 やらないけどね。」
イーグル 「やれよ(笑)。」
アイリーン 「ところでアーリマン達は、この半年以上の間、何をしていらしたんですか?」
ルイ 「ああ、前回闇の勢力に負けてしまったので…」
エフェ 「(遮って)とは言わないで(笑)、力をつける為に修行してたのよ、修行!」
ルイ 「(小声で)別に言ってもいいじゃないですか〜。」
エフェ 「(小声で)今、砂漠の人達は私達を頼りにしてるのよ。 それが負けたなんて聞いたら、余計に不安になっちゃうじゃない!」
ルイ 「ふむ、一理ありますネ。」
フェイグランス 「んで、チャドゥに行くのはいいとして、そこでシェロヴに会えるわけでもないよね?」
イーグル 「そうだな。 何か手掛かりが欲しいよな。」
アイリーン 「はい、それについては、チャドゥの先にあるラシード=ソーグにシェロヴについて詳しい方がいると聞いたことがあります。」
エフェ 「へーっ。 なにか手掛かりがあるかもしれないわね。 その人の名前は?」
アイリーン 「タオという名の老人だそうですよ。」
 

遭遇<ラシード=チャドゥ>
 
DM 「旅は順調に進み、やがてチャドゥに到着する。 町の周囲には見回りの兵が歩いており、入り口には門番らしき兵士が2人立っている。」
アイリーン 「ここは狼の部族の町です。 前回の戦いでも初めから味方してくれた部族なので、危険はないかと。」
エフェ 「それじゃあ、堂々と門から入って大丈夫よね。」
DM 「そうだね。 一応チェックされるけどアイリーンは顔パスだし、なにより君達が砂漠の英雄であると紹介されると、君達を見る目が変わる。」
兵士 「よくぞいらっしゃいました!」
ジョン 「や、そんなに畏まってもらう程の者ではないですよ。」
イーグル 「そいじゃ、酒場にでも落ち着いて情報収集といくか。」
ジョン 「そうだな。 その前に兵士にも聞いてから行くか。 『このあたりはシェロヴによる被害はないんですか?』って。」
兵士 「シェロヴは幾度かこの町にも現われています。 その度に兵が殺され、町の周囲のテントや建物が破壊されているのです。」
フェイグランス 「中心部には来ないんだ?…ですか?」
兵士 「ええ、シェロヴは町の一部を破壊すると、砂の中に去っていってしまいます。 おかげで壊滅的なダメージになることは少ないのですが、逆に集団で迎え撃つことが難しくなっています。」
フェイグランス 「なるほど。 シェロヴってのは結構用心深いんだな。」
ルイ 「用心深いと言う事は、知恵があると言うことです。 これはますます油断できませんね。」
エフェ 「いつ襲われるか分からない恐怖もついてくるものね。 …ん?」
イーグル 「どうかした?」
エフェ 「うん、知恵があるのなら、危険を冒してまで町を襲う必要はないんじゃないかなーって。」
ルイ 「そうですね。 わざわざ備えがある場所を襲うよりも、子蜘蛛に偵察させて隊商でも襲った方が安全です。」
エフェ 「理由があるとすれば、やっぱり敵の陣営関係よね。」
ルイ 「そうですね。 影の民を使った大規模な戦争で失敗した彼等が、砂漠を混乱させる為にシェロヴを使っているのだとすれば辻褄があいます。」
フェイグランス 「そんじゃあ、兵士の人にお礼を言って町の中に入ろうか。」
DM 「ほい。 ではお礼を言ったその時、町の外の方を向いていた兵士が『あれは?!』といって君達の後ろを指差す。」
ジョン 「フ、やっぱりな。」
DM 「砂が物凄い勢いで盛り上がって行き、その下から姿を現したのは全高15フィート(約5m)程の、ベージュ色の体毛に覆われた大蜘蛛。 アイリーンが『…シェロヴ』と呟く。」
イーグル 「来たか。 兵士達にアイリーンと一般人を誘導してもらって、俺達が迎え撃とうぜ。」
ジョン 「もちろんだ!」
DM 「シェロヴのベージュ色の体毛がざわざわと音をたて、8つずつ2列に並んだ黒い瞳が君達を見据える。 そしてその瞳にはぞっとすることに、わずかながら知性のきらめきが感じられる。」
ルイ 「皆さん、カラッポにされない様に気をつけて下さいね。」
イーグル 「カラッポ?」
ルイ 「蜘蛛は体外消化なんですよ。 噛み付いたあとは消化液を相手の体内に送り込んで、液状になったのをすするんです。」
イーグル 「こ、怖ぇぇ〜。」
エフェ 「ジョン、頭をカラッポにされない様にね。 あ、元々か。(笑)」
ジョン 「え、俺じゃないだろ。」
フェイグランス 「え?俺?!」
イーグル 「緊迫感の無い会話してないで、さっさと戦おーぜ!」
フェイグランス 「あいよ。」
ジョン 「ちょっと思ったより早かったけど、ここでカタつけたるぞ!」


【BACK】 【NEXT】

一行の足跡みたいなもの