ムーンエンド・キャンペーン第ニ部 第9章 【廃虚 −脱出行2−】

 

フェイグランス 「6人と1人か。 俺達とエルムさんの事なんだろうな〜。」
イーグル 「やっぱり、そういう事なのかね。 俺達の事を”子供達”とか言ってるし。」
ルイ 「”炎の運び手”とか、いかにもエフェにピッタリですね。 ふふふ。」
イーグル 「ルイは”ガイアの闇”に変えてもらったほうがいいかもしれないがな(笑)。」
DM 「女神像は槍を抜いた穴から亀裂が広がって行き、やがて崩れ落ちる。」
イーグル 「神殿は?」
DM 「建物の方は、崩れる様子はない。」
ルイ 「実質的に、破壊はされてましたがね。 これがタレスティウスの言っていた、”壊された5つの月の女神の神殿”のうちの1つなのでしょう。」
イーグル 「さっきの槍は、特別な物じゃないわけ?」
DM 「普通の槍のようだね。」
イーグル 「なんだ。 まぁ一応持っておこうか。」
ルイ 「他の部屋も探ってみたいですね。 何も無いとは思いますが。」
DM 「結構大きな建物だから、時間がかかるかもしれないよ。」
ルイ 「なにか、ヒントのような物でもあれば儲けですからね。」
フェイグランス 「んだね。 探ってみよう。」
DM 「1階部分は宿泊用の部屋と思われる物や、休憩室、衣装室など、多くの部屋があるが、その全てが壊され、焼けこげている。 めぼしい物は、奥の部屋にあった祭壇くらいのものだね。」
イーグル 「祭壇か。 それって大きいわけ?」
DM 「うん、都会の神殿にあるような、大きな祭壇だ。 もっとも破壊されていて、イシュリアのホーリーシンボルが1つ残っているだけなんだけどね。」
イーグル 「一応、もらっていくか。」
ルイ 「やはり、あらかた破壊されていますか。 では、2階を。」
DM 「神殿で働く者の為らしき部屋がつながっているね。 家具、ベッド、机などもあるが、やはり全て焼けこげていたり、破壊されたりしている。」
ルイ 「人の気配や、死体なんかはありそうですか?」
DM 「それは、見当たらないし感じない。」
ルイ 「すると、破壊されたのは廃虚になってからですか。」
フェイグランス 「最近なのかもね。」
 
建物の探索で、特に手掛かりを得られなかった3人が外に出ると、既に夜になっている。
 
フェイグランス 「ありゃ、いつの間に。」
ルイ 「つい、探索に夢中になってしまったようですね。」
イーグル 「念入りに破壊されてたって事しか分からなかったけどな。」
フェイグランス 「念入りに壊さなければいけないような事情があるんだろうね。」
ルイ 「まだ、目的は不明ですが、あまりいい事のようには思えませんよねぇ。」
イーグル 「いや、まったく。」
フェイグランス 「ともかく、今日はここで休んで、朝になったら出発しよう。」
ルイ 「ええ、エフェ達が寂しがっているといけませんからね。」
イーグル 「それはどうかねぇ(笑)。 あ、今のうちに星の位置を見て方角を調べておこう。」
DM 「ほーい。」
ルイ 「で、見張りを決めて寝ます。 私、イーグル、フェイグランスの順ね。」
DM 「さりげなく、一番大変な役をイーグルに回したな(笑)。」
イーグル 「わけわかんねー(笑)。」
ルイ 「まぁまぁ。 このワインあげますから。 これで暖まって下さい。」
イーグル 「そうか、火はおこせないんだったな。」
ルイ 「ええ、燃やす物もありませんし、敵に見つかると面倒ですし。」
フェイグランス 「まぁ、こんなんになっていても、建物があるだけ野宿よりマシだね。」
DM 「では、夜もふけて、イーグルが見張りの時。」
イーグル 「なんだっ、人がいい気持ちでワイン飲んでんのによー。(笑)」
ルイ 「これ、酔っ払うほど飲む人がありますか!」
イーグル 「寝てる奴ぁ黙ってろい。(笑)」
フェイグランス 「ルイのせいだ(笑)。」
イーグル 「寝言でケンカするなよ(笑)。 で、なんだって?」
DM 「うん、建物の外に4本足の獣の姿が見えた気がする。」
イーグル 「うぉ、例のディスプレイサービーストか? 2人をおこすぞ。」
ルイ 「酔ってる割りには的確な判断で(笑)。 でもディスプレイサービーストの足は6本ですよ。」
イーグル 「あ、そうか。 まぁ、どっちにしても念のためだ。」
フェイグランス 「待つか、仕掛けるか。」
イーグル 「待つより、仕掛けようぜ!」
フェイグランス 「OK! 足跡をたどろう。」
DM 「足跡は暫く続いているんだけれど、ある所で突然跡切れてしまっている。」
ルイ 「ジャンプでもしたんでしょうか?」
イーグル 「上には何もいないか?」
DM 「何も見当たらないね。 さて、ここでエフェ達と交代だ。」
フェイグランス 「へいへい(退室)。」
エフェ 「ルイ、ジュース振り回してきたでしょ? 炭酸が溢れたわよ(笑)。」
ルイ 「あ…(笑)。 さぁさぁ、交代ですよ。」
エフェ 「まったく…。」
DM 「君達が森を出たところからね。」
ジョン 「おう。」
DM 「森を出た途端に、呪文は正常に働き始め、紫の光球が森とは反対側の北東を示す。」
エフェ 「あら、あの3人は森の中にはいないわけ? まぁ、いいわ。 信じて進みましょ。」
ジョン 「森を出たから、周りには警戒をしておくぞ。」
DM 「森を出たところは果てしなく続く草原地帯でね。 視界はいい。その分隠れるところも無いけどね。 やがて、光球が東に向きを変えた。」
エフェ 「ここまで来たら、進むだけー。」
ジョン 「んだんだ。」
エフェ 「ジョン、なまりがうつってるわよ(笑)。」
ジョン 「ありゃ、やんだー(笑)。」
 
草原を進みつづけたエフェ、ジョン、マリュータとトーマスは、翌日の朝になって前方に人影を見つける。
 
エフェ 「何人くらいいそう?」
DM 「1人だね。 人影はどうやら髭をはやした老人で、魔術士風のローブを着ているようだが、君達がその姿を確認すると同時に消えてしまう。」
エフェ 「タレスティウス? …かな?」
ジョン 「その人がいた場所に行ってみよう。」
DM 「そこには、既に人の気配はないけれど、草の上に赤い羽と羊皮紙が置いてある。」
エフェ 「やはり、タレスティウスみたいね。 羊皮紙には何か書いてあるの?」
DM 「共通語で、文字が書かれてる。 『悪魔の腰掛け、蒼き炎の丘にあり。 代償を支払えば、幻を見る視力を与えられる。 黒き柱の根元、銀の板。 油は食べ物。 水は恐怖。』」
ジョン 「まるで、謎かけだな。」
DM 「この羊皮紙の一番下に、殴り書きで『手に入れろ』と書いてある。」
エフェ 「つまり、何かを手に入れる為のヒントって事ね。」
ジョン 「まずは、”蒼き炎の丘”ってのを探さないとな。」
エフェ 「その前に、あの3人と合流しなくちゃね。 入替えも面倒だし(笑)。」
DM 「いや、まったく(笑)。」
 
2人は夜まで東に歩きつづけ、やがて”クラカトス湿地”と呼ばれる湿原帯に辿り着く。
 
エフェ 「湿地は、いやらしいモンスターが多いから、ヤダナー。」
ジョン 「例の球は、まだ東に行けって?」
DM 「そのようだね。 ここの空気は湿気を含んでねっとりとした感じ。 サーチの光球の淡い光で、泥の地面が照らされて見えているよ。」
ジョン 「ここで、進むか、休むか。」
エフェ 「すぐそこにあの3人がいるならいいけど、湿地帯の真ん中で休むのはやだわぁ。」
ジョン 「じゃあ、ここで一旦休もう。」
エフェ 「そうね。 しかし、随分遠くに飛ばされたのね。」
ジョン 「だなー。」
DM 「で、ここで交代ね。」
ジョン 「うぁ、早い(笑)。」
エフェ 「はやーい。」
 
一方、その後何事も無く一晩を過ごしたルイ達の一行も、湿地帯に辿り着く。
 
イーグル 「女神が言っていた、土の中央とか言うのはこの湿地帯の真ん中の事かよ。」
ルイ 「湿原を歩くのは好かんのう。」
DM 「足がぬかるみにはまって、歩きにくいよ。」
フェイグランス 「進むしかないけど、歩きにくいのう。 プレートメイルが重いのう。」
イーグル 「なんで2人とも爺い語なんだよ(笑)。」
ルイ 「好きなんですよ、爺さん語(笑)。」
フェイグランス 「160歳近いからね、俺は(笑)。」
イーグル 「いわれてみれば、トシヨリだ(笑)。 てか、やっぱり歩きにくいんだろうなー。」
DM 「うん。 泥に足がとられて歩きにくく、汗が止めど無く流れ落ちる。 湿気がかなり多いせいか、どうも息苦しい。」
ルイ 「むょぉー。(悲鳴)」
イーグル 「肉体労働だ。」
フェイグランス 「だ。」
DM 「それなりに奥へ入った所まで来ると、ヒザの上まで泥に浸かっているね。 もう殆ど泥をかき分けて進んでいる感じだ。」
ルイ 「まったく、面倒です。」
DM 「虫が数匹、ブンブンとたかって、肌が露出している場所に針のような物を刺そうとしているが、疲れのせいかそれを払おうとする手も鈍くなる。」
イーグル 「これだから、湿地帯は!」
フェイグランス 「タオルか何かで、首とか頭を覆っていこう。 まったく、あとで洗濯のし甲斐があるよ。」
ルイ 「ですねぇ。 ここでちょっと休みましょうか。」
イーグル 「泥の中でか?」
ルイ 「いえ、こっちの呪文に”ディゾルブ”っていうのがありましてね。 固い土を泥に変える呪文なんですが、これを逆呪文にしてかけてやれば、泥を固くできるんじゃないかと。」
イーグル 「おー。」
ルイ 「やってみます。」
DM 「ほい、それほど広い範囲ではないけれど、3人が充分に休める位のスペースはできね。」
フェイグランス 「いいぞ、ルイー!」
ルイ 「ふっ、虫までは防げませんがね(笑)。」
フェイグランス 「あー(笑)。」
イーグル 「腰を下ろせるだけでも、助かるよ。」
フェイグランス 「湿地なんて、はじめて歩いたよ。 もしもここが”クラカトス湿地帯”ならば、DMから前にもらってた予備情報でここの事は知っているけど。」
ルイ 「ほう。」
フェイグランス 「この湿地は、”銀の湖”の南に位置する湿地帯で…」
イーグル 「うへ、そんなに戻されたのか(苦笑)。」
フェイグランス 「だねぇ。5章あたりまで逆戻りだよ(笑)。 謎の石柱が群をなして立っていて、あたりにはヒドラの巣があるとかなんとか。」
イーグル 「そういう重要な情報は、先に言えー!(笑)」
フェイグランス 「あ、そうね(笑)。」
DM 「周りには丈の短い木がちらほらとはえている。 ここに来るまでは全然見なかった植物で、どうやら湿地帯特有の気候で変異した物のようだね。」
ルイ 「さて、また行きましょうか。 底無し沼なんかがない事を祈ります。」
イーグル 「ロープでそれぞれの身体を縛りつけとこう。」
ルイ 「おお、死なばもろともって奴ですね!」
イーグル 「他の2人が、落ちた奴を助けるんだよ(笑)。」
DM 「泥の中を進んでいくと、やがて石柱が群れをなして立っているところに着いたよ。」
フェイグランス 「やっぱり、ここがクラカトス湿地帯なんだ。」
DM 「そのようだね。 石柱は一見乱雑に立っているようにも見えるが、よく見ると広い円を描くようにいくらかの距離を置いて立てられている。」
イーグル 「ともかく、話によると真ん中だよな。」
DM 「うん、中心部には、かなりの大きさの8角形の石の足場がある。」
ルイ 「明らかに、なにかありそうな。」
イーグル 「じゃあ、慎重に…」
ルイ・フェイグランス 「乗った!」
フェイグランス 「ハッピーアイスクリーム♪」
イーグル 「お前ら…(笑)。 いいや、俺も乗ろう。」
DM 「プレートの上は、石だけあってしっかりとした足場になっており、立ってみると、不意に意識の中に映像が浮かび上がる。」
ルイ 「おお。」
DM 「まず、東の泥の海の向こうに、いくつもの首をもつ怪物、ヒドラが10匹ほどうごめいており、この場所にゆっくりと向かってきている。」
イーグル 「げぇ。」
DM 「それからもう一つ、西のやや南よりの方向に、ワイヴァーンらしきものが飛んでおり、それが地上にいる何かを攻撃しているようで、何度も高度を上げたり下げたりしている。」
ルイ 「じゃあ、東に行きましょうか。」
イーグル 「こら(笑)。 ワイヴァーンまでの距離はわからないのか?」
DM 「ここから近いという気がする。」
イーグル 「エフェ達かもしれないから、行ってみよう。」
フェイグランス 「んだねー。 かっこよく騎兵隊を気取ろうよ。」
ルイ 「でも、ヒドラが追いかけられて、逃げているようでもありますが(笑)。」
フェイグランス 「黙ってれば、わからないって(笑)。」
DM 「で、ここでまたこうたーい。」
フェイグランス 「録音テープが切れそうなので、無くなったらヨロシク。(退室)」
DM 「ほい。」
ジョン 「さて、そろそろ合流か?」
エフェ 「だといいんだけどねー。」
DM 「朝になって、湿地帯の中を進むわけだ。」
エフェ 「うんうん。」
DM 「ここの泥は膝が埋まるくらいに深いので、随分と歩きにくいね。 それに小さな虫が君達を刺そうとブンブン飛び回っている。」
ジョン 「おわー。 厄介なところにいるなぁ。」
エフェ 「服が汚れる〜っ。」
DM 「移動力は半減といったところだね。」
ジョン 「虫除けなんて便利な物はないだろうからな。」
DM 「汗が止めどなく流れ、ねっとりと湿った空気は息苦しい。 一歩歩くたびに体力が削られる感じだ。」
エフェ 「もう、こんな所まで戻った上に、泥の中なんてー!」
DM 「そんな泥の中を歩いていくと、やがて東の、少し北寄りの方額に石柱群が見えてきた。」
エフェ 「あ、なんか訳ありそうな感じ。 いってみましょ。」
DM 「その時、風を切る音がして、ワイヴァーンが上空にやってきた。」
エフェ 「うーあー。」
ジョン 「タルシスが乗っていたりは?」
DM 「幸いワイヴァーンだけのようだね。 でも君達に向かって攻撃する気は120%だ(笑)。」
ジョン 「戦闘かよー!」
DM 「足場が泥なので、移動力は半分、アーマークラスに2のペナルティ、命中判定にもマイナス2のペナルティがつく。」
ジョン 「こうなったら、やってやらぁ!」
DM 「イニシアチブは、こっちからだ。 ジョンに6ポイントと、尾の毒によるセーヴィングスロー。」
ジョン 「失敗!」
DM 「毒で7ポイント追加ね。」
ジョン 「いてぇな、コノヤロウ!」
エフェ 「ヘイスト(高速化)の呪文を唱えるわ。 2回攻撃をどうぞ。」
ジョン 「でも、外したりするんだな(苦笑)。」
エフェ 「イニシアチブ。 次はこっちから。」
ジョン 「1回あたって、9ポイント!」
エフェ 「マジックミサイルで、13ポイントー!」
DM 「まだやられないぞ。 エフェに爪と尻尾の両方が命中して、13ポイントと毒のセーヴィング。」
エフェ 「あら、私も失敗ー!」
DM 「2ポイント追加ね。」
エフェ 「いったいなぁー。」
DM 「次のイニシアチブも、こっちから!」
ジョン 「4ポイント当てたぞ。」
エフェ 「ジョンの影に、隠れる!」
DM 「空からの攻撃だから、あまり意味が無いかもしれないけどね。」
ジョン 「でも、なるべく護ってあげよう。」
エフェ 「さっすが、聖騎士どの♪」
DM 「こっちの攻撃は、マリュータに…はずれか。 イニシアチブは、またそっち。」
ジョン 「はずれ、はずれー! くそー、泥の足元が厄介だな。」
エフェ 「こっちは、コンティニアル・ライト!(永続する明り)ワイヴァーンの目に。」
DM 「あら、やられた。 セーヴィングに失敗して、次から命中判定にマイナスだ。」


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