ムーンエンド・キャンペーン第ニ部 第7章 【タレスティウスの挑戦!】

 

DM 「こうして、日々が過ぎて行き、ジョンがこもってから3日目となる、9月26日の夜。」
ジョン 「いい?」
DM 「いいよ。 君は正式にパラディンとなった。」
ジョン 「ふっふっふっ、やったー!」
マイヨ 「おめでとうございます、ジョン=クレイン。 あなたの前途に太陽神の光あらんことを。」
ジョン 「マイヨ神官、感謝します。 この剣の輝きは、太陽神に!」
フェイグランス 「やんや、やんや!」
マイヨ 「おや、お出迎えのようですね。」
ルイ 「ちゃんとあなたが聖騎士になれたのか、早く知りたくて迎えにきましたよ。」
マイヨ 「お行きなさい。 聖騎士ジョン=クレイン。 仲間と共に。」
ジョン 「騎士の挨拶をして、行こう!」
エフェ 「ジョン、騎士ってレディに優しくなくちゃね。」
ジョン 「お、おう。」
エフェ 「じゃあ、今日の買い物の荷物持って。」
ジョン 「え?」
ルイ 「いやー、最近私も風邪気味でして。」
イーグル 「床で寝てるからだろ(笑)。」
ルイ 「こっちの荷物もお願いします。 弱い者にはやさしくないとね!」
ジョン 「おまえらぁ!!」
マイヨ 「神よ、ジョン=クレインの未来に幸あれ…(笑)。」
フェイグランス 「帰ってお祝いしよう! イーグルがショコラのうまい店を見つけてきたんだってさ。」
ジョン 「お、それなら。」
DM 「こうして、26日の夜もふけて行くのでした。 そして翌日。」
ルイ 「27日ですか。」
イーグル 「また朝食だけは食っていこう。 おやっさん、今日出発だ。 また会えるといいな。」
オヤジ 「ああ、イーグル=ラインバックの名は忘れないよ。」
エフェ 「ここから西に向かうと、シミターの町か。 これも七都市の1つだわね。」
オヤジ 「シミターまでは1日の道のりだよ。 朝出発すれば、夕方には到着する。」
エフェ 「それじゃ、しゅっぱーつ!」
ルイ 「おー! 充分に鋭気もやしないましたよ。」
フェイグランス 「あ、カエルの置物忘れてきた。」
エフェ 「宿の人、今頃驚いてるんじゃない?」
DM 「いや、追いかけてきたよ(笑)。 『お客さん、お客さん、忘れ物!』と、息を切らせて追いかけてきた(笑)。」
フェイグランス 「あ、ありがとう。(苦笑)」
エフェ 「親切な人で良かったわね(笑)。」
フェイグランス 「なんか、この置物から逃げられない気がしてきたぞ(笑)。」
イーグル 「置いてても、捨てても気味わるいからな。」
フェイグランス 「とほほ。」
 
一行はシャムシールの町を出、シミターへ向けて、整備の行き届いた街道を進む。
 
エフェ 「えへへ、楽だねー。」
DM 「天気も快晴で、気持ちのいい旅だね。」
フェイグランス 「馬の上で、笛の練習でもしていよう。」
エフェ 「私は馬車の中で時計磨き♪」
ジョン 「俺はラーラ神に感謝の祈りを。」
イーグル 「へー、ちっとは変わるもんだな。ジョンも。」
ルイ 「能力的にも、回復系の魔法が使えるようになったのは、ありがたいですね。」
ジョン 「まだ、3レベル僧侶とかと大してかわらないけどな。」
フェイグランス 「コンバットオプションを使った戦闘も、期待してるからね。」
ジョン 「おうよ!」
DM 「さて、君達が気持ち良く旅を続けていると、空から手紙が飛んでくる。」
エフェ 「手紙?」
DM 「そう。 手紙はまるでコントロールされているかのようにジョンの手に収まるよ。 それは封筒に入っていて、蝋で封がしてあり、それを見たトーマスが『タレスティウスからですね。』と言う。 」
ジョン 「開いて読んでみる。 なんて書いてあるの?」
DM 「『こんにちは♪ みんなのタレスティウスだよー。 夢狩人あつまれー! さて、こ…』」
ジョン 「うぉー! 破る!(笑)」
エフェ 「まってまって、我慢しなさい(笑)。」
イーグル 「ジョンから手紙を奪って、内容だけ読み上げるぞ。」
DM 「ほいほい。 内容を要約すると、タレスティウスがこの国に造った塔の一つに君達を招待したいんだそうだ。 その塔は数日後に突然現れるという。」
ルイ 「面白いですね。 招待を受けましょう。」
エフェ 「タレスティウスの招待って…ただではすみそうもないわね。 何か変なのと戦わされそう。」
ジョン 「腕試しに、丁度いいよ。」
フェイグランス 「しかし、なんで俺達にちょっかいかけてくるんだろうね、あの爺さんは。」
トーマス 「分かりませんか?」
フェイグランス 「分かるような気はするけど、認めたくないのかな(笑)。」
ルイ 「ほう?」
フェイグランス 「こう、定められた者達とか、そういうので特別扱いされるのは好きじゃないのよね。 あくまで候補とかだったらいいんだけど。」
ルイ 「剣と魔法が使えるわりに、勇者向きではありませんね、あなたは(笑)。」
フェイグランス 「もともと、ガラじゃない(笑)。」
DM 「さて、その後は何事もなく、シミターに到着。」
エフェ 「特にすることはないわよね?」
ジョン 「うん。」
エフェ 「そいじゃ、宿とってー。」
イーグル 「食料調達してー。」
ジョン 「寝よう。」
フェイグランス 「手際がいいなぁ(笑)。」
DM 「この日の夜、全員対ワンドのセーヴィングスローをどうぞ。 失敗すると、10ターン(1ターン6ラウンド 1ラウンド=10秒)の間気分が悪くなるよ。」
ジョン 「うわ、気持ちわるいー。」
エフェ 「私は成功。」
フェイグランス 「俺も平気だ。」
ルイ 「私もです。 イーグルは失敗のようですが。」
イーグル 「おえー。」
ジョン 「僧侶呪文の、ディティクトエビル!(悪意の存在を見破る)」
DM 「反応はないね。」
ジョン 「なんなんだろう。」
 
28日の朝、次の町であるルルンに向けて出発。
 
DM 「ここも1日でつくね。」
エフェ 「毎日ベッドで寝られるのね。」
ルイ 「デマバント山にも少しずつ近づいてきました。 いよいよですねー。」
フェイグランス 「最近、旅が進むのが早いね。」
DM 「と、言っていると、みんなの馬が突然苦しみ出して、倒れてしまった。」
フェイグランス 「あれ? どうしたんだ?」
エフェ 「あんたが変な事言うからよ。」
ルイ 「馬に変わった様子はないですか?」
DM 「首筋や、腹部に茶色の斑点が現れている。 そしてそれがどんどん広がっていって、馬は息絶えるよ。」
ルイ 「まさか、例の毒ですか?!」
エフェ 「ジョンとフェイグランス、マリュータは周りを警戒してね。 ルイとイーグルはみんなに感染していないか調べて。」
DM 「人の方は、今のところ何ともないようだね。」
ルイ 「潜伏期間ってやつですか…。 この周囲に村や町はありませんよね?」
DM 「そうだね、目的地のルルンが一番近いけど、歩いて5時間ほどは離れている。」
ジョン 「周りに変わった様子は?」
DM 「見当たらないね。 平原がどこまでも広がるばかりだ。」
ジョン 「仕方ない。 馬車はひいていくぞ。」
エフェ 「がんばれー!」
ジョン 「エフェも歩いてな(笑)。」
エフェ 「ぇー。」
ジョン 「ぇー。 じゃない(笑)!」
DM 「徒歩で街道を進んでいくと、やがて日が暮れるよ。 町まであと3時間といったところか。」
ジョン 「もう疲れたし、諦めて寝よう。」
ルイ 「そうですね。」
エフェ 「しかたないなー。」
イーグル 「見張りはどうする?」
フェイグランス 「俺と、イーグルでやろう。 ジョンは疲れているだろうから(笑)。」
イーグル 「しゃあないな(笑)。」
ジョン 「おおっ、親切だ。 ぐっすりおやすみー。」
ルイ 「ずっと町で寝てましたからね。 久し振りにフクロウの声を聞き、星空を眺めながら寝るのもいいでしょう。」
エフェ 「そう聞くと、なんかステキね。」
フェイグランス 「朝露でびっしょりぬれるけどね(笑)。」
イーグル 「寒いしな(笑)。」
ルイ 「風情がありませんよ、風情が。」
DM 「しかし、風情を感じる暇も、ましてぐっすり寝る暇もなく、君達は起こされるのでしたー。」
ジョン 「がーん。」
DM 「突然、地面が激しく揺れ出し、ドーンという地鳴りがおきるほどの激しい地震が君達を襲う。」
ジョン 「もう、フラフラだってのに。」
ルイ 「平原だから、倒れてくるものはないでしょうけど…。」
フェイグランス 「馬車から離れたほうがいいぞー。」
ルイ 「ああ、そうですね。」
DM 「やがて、地震は唐突に収まった。」
フェイグランス 「どこが震源地だったんだろう。」
DM 「かなり遠くではあるようだね。」
 
29日、朝。
 
DM 「再び、対ワンドのセーヴィングをどうぞ。」
ジョン 「またまた失敗。」
DM 「前回と同じ悪寒に襲われる。」
エフェ 「失敗は1人だけか。」
フェイグランス 「ジョンは疲れてるんだよ、いろいろ(笑)。」
ルイ 「サモン・アニマル(動物召喚)で馬を呼んでみましょう。」
DM 「このあたりに馬はいないようだね。 代わりに鳥がやってきた。」
ルイ 「しかたないですねぇ、小鳥を肩にとまらせていきましょうか。」
ジョン 「にあわねー。」
フェイグランス 「小鳥ね、カラスじゃないのか(笑)。」
ルイ 「ううっ、みんな酷い。」
 
やがて、一行はルルンの町に到着する。
 
DM 「君達が町の中に足を踏み入れた時、また軽い地震が起こった。」
イーグル 「これって、火山の地震じゃねーだろうな。 ついたとたん噴火なんてことになったら、目もあてらんねーぞ。」
ルイ 「その可能性はありそうですね…。」
ジョン 「でも、今のうちにすすめるだけ進んでおこうぜ。」
エフェ 「次の町はハウンドか。」
DM 「はい、ハウンドに向かっている途中で1日が過ぎて、9月30日。 気がつくと何時の間にか君達は道を外れて、草原の中を歩いている。」
ジョン 「歩いて…?あ、馬買うのわすれたぞ!」
イーグル 「ってことは、まだ人力車状態か(笑)。」
エフェ 「現実なら、絶対に忘れないのにねー(笑)。」
ルイ 「しかし、何時の間に道を見失ったんでしょう?」
ジョン 「どこか、わかりづらい道があったとか、そういうのではないの?」
DM 「いや、ずっと整備された街道を歩いていた筈なんだ。」
ジョン 「ってことは…」
ルイ 「きますね。」
ジョン 「ああ、タレスティウスの塔が来るな。」
DM 「視界の遥か先に、高い建物が見えてきたよ。」
ジョン 「(トーマスに)あれが、タレスティウスの塔?」
トーマス 「実は私もよくわからないんですよ。」
ジョン 「いいや、まずは近づいてみようぜ。」
イーグル 「そうだな。」
DM 「近づいてみると、なかなか高い塔だよ。 窓は一つもなく、1階にあたるところに巨大な両開きの扉がある。 そしてその扉には木製の小さな箱が備え付けられている。」
イーグル 「箱だって?」
DM 「そう。 上の板が、奥側で蝶番で固定された蓋になっていてね。 まぁ、今で言う郵便箱みたいなものだと思ってくれ。」
イーグル 「郵便受けか。 こんな所に郵便が来るのかね?」
エフェ 「逆に、外から来る人に対するメッセージかもよ? 開けてみましょ。」
ジョン 「タレスティウスが通販で買ったエッチな本とかが入っていたら笑うけどな(笑)。」
DM 「あるか、そんなん(笑)。」
ジョン 「まぁ、この時代に通販なんてありえないか。」
DM 「そうだとも。 そんな便利なサービスはない(笑)。 とにかく、箱の中には手紙が一通入っていたよ。 差出人はタレスティウスだ。」
エフェ 「じゃあ、開けてもいいのかな? …あけちゃえ!ってイーグルも言っている事だし、あけよう♪」
イーグル 「何も言ってねーけどな(笑)。」
DM 「内容は次の通り。『ようこそ。 ワシは塔の中の、ある一室におるので、そこまで来て欲しい。 ただわしはゲームが好きなので、色々仕掛けは用意してあるが、お主達ならば乗り越えることができるだろう。 尚、わしのいる部屋には、番人としてアンバーゴーレムがいるから、体力は温存しておきなさい。  わしの招待を受けまいとしても無駄じゃぞ。 お主達がどこへ行こうと、ここへ舞い戻ってきてしまうからな。 ではご馳走を用意してまっている。 くれぐれも命など落とさないようにな。       お茶目なタレスティウスより。』」
イーグル 「お茶目かよ。 あのじーさん!」
ジョン 「アンバーゴーレムって、なに?」
エフェ 「動物の形をしたゴーレムよ。 そこそこ強いわね。」
フェイグランス 「面倒そうなら、無視していくつもりだったのに、すっかりハメられたわけだ。」
ルイ 「まったく、いい性格をしていますね。」
ジョン 「行くしかないなら、さっさと行こうぜ。」
イーグル 「そうだな。」
エフェ 「窓があれば、空中浮遊の呪文で、途中をとばして中に入れるのにね。」
ルイ 「いや、タレスティウスが我々に挑戦…それとも遊びかもしれませんけど、なにか仕掛けてきているんです。 ウマイことすれば、報酬として魔法の物品か、せめて情報くらい用意されているかもしれませんよ。」
エフェ 「なるほどね。」
ルイ 「ただ、無駄骨だけ折らせるつもりなら、ついたところで文句でも言いましょう。」
エフェ 「わかったわ。」
トーマス 「では、いいですね? ニャォ!(扉に向かって一声鳴くと、扉がゆっくりと開いて行く。)」
イーグル 「なんだ、こいつは。」
DM 「中に入ると、縦2、横が3のちょっとした部屋になっており、左右に扉もある。 北の壁には重厚な落ち着きを放つ風景画が飾られている。」
ジョン 「風景画の裏にボタンがあって、それを押すと地下室への扉が!」
フェイグランス 「おお、ボス!」
ジョン 「ヤス、いくぞ! …あ、ということは、お前が犯人だなっ!」
フェイグランス 「あ。」
ジョン 「ピーポーピーポー。 お・わ・り。」
ルイ 「”ポート○ア連続殺人事件”ですか? ネタが古いですよ。」
エフェ 「で、絵の裏にボタンがあるわけ?」
DM 「ないない(笑)。」


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