ムーンエンド・キャンペーン第ニ部 第6章 【誕生】

 

ルイ 「そうですよね…。」
DM 「そうしている間にもパールの体をルーンの波動が包み、パールの子供の体と何者かの青年の体が重なって見える。 パールの体は次第に青年のものへと変化し始め、全ての光を遮断しつつ、地の奥底から力を吸っているように不気味な胎動を繰り返している。」
イリス 「(冷静な声で)目覚めるぞ。」
ジョン 「何?!」
イリス 「…(ジョンの声に応えず、パールを見据える)。」
ルイ 「イリスはまるで、こうなることを予期していたようですね。」
DM 「青年の姿となったパールの体から、ひときわ強い光が放たれると、そこには黒い稲妻を身に纏った魔性の者が立っている。 パール、あるいはパールであった者は、君達を真紅の瞳で睨み付ける。 ただそれだけで君達は見えない何かに胸を貫かれ、ダメージを受ける。」
エフェ 「うわーっ。」
DM 「それぞれジョン5、フェイグランス6、イーグル2、ルイ2、エフェ2ポイント。」
フェイグランス 「見られただけで、これか?!」
DM 「その者は、次第に君達に近づいてくる。」
イーグル 「その間に、行動できないのか?」
DM 「体が動かなくなっていて、行動は一切出来ないよ。」
イーグル 「絶体絶命だな。」
DM 「イリスが君達と魔性の者の間に立ちふさがり、双方睨み合ったまま、互いに動きを止めて見詰め合っている。」
ジョン 「悪霊は斬ったはずなのに、パールは本当にどうしたんだろう?」
ルイ 「さて…。 こうなるのが分かっていたとしたら、イリスも食えない男です。 そして、我々を殺させたくはないように見えるあたり、ちょっと解せませんけどね。」
エフェ 「今は、見ているしかできないのが辛いわね。」
DM 「と、その時、君達のすぐ側で軽い爆発音がして、浅黒い肌に厳しい目付きの男、魔法もこなす戦士である、ジャレスが現れた。 同時に君達の体も動くようになるよ。」
ジョン 「剣は砕けちまったが、オヤジの形見のハンドアクスを抜くぞ!」
ジャレス 「(ジョンを無視してパールだった者の方に近づいて)彼は頂いていく。 ”主”が蘇る為には彼の体と力が必要だ。」
ルイ 「そういえば、前にもジャレスが”主”とか言っていましたね。 蘇えらせる必要がある強大な力の”主”ですか…。」
ジョン 「(ジャレスに)お前に都合がいいことを、俺達がやらせると思っているのか?」
ジャレス 「今はお前達の相手をしている暇はない。 だが、いずれお前達は消さねばならぬだろうがな。」
DM 「そう言ってジャレスはパールだった者と一緒にテレポートする。」
フェイグランス 「ジャレスか…本当に何者なんだろう。」
エフェ 「あとで考えてみるのもいいかもしれないわね。」
イリス 「…闇の側のムーンガードが誕生したわけだ。」
フェイグランス 「闇のムーンガードねぇ。」
イリス 「さて、今回はここでお別れすることにしよう。」
ジョン 「今の現象について、説明をする気はないか…。」
DM 「イリスはジョンの言葉には応えずに、空間を歪めて、その中に消えて行く。」
イーグル 「追いかけていってやろうかな。」
エフェ 「止めときなさい。」
フェイグランス 「出た先はベンジョだったりして。 実はもうガマンできないから、解説している暇がなかったとか(笑)。」
ルイ 「そんな、あなたじゃあるまいし(笑)。」
ジョン 「うわー、折角のシリアスな雰囲気がー!」
フェイグランス 「まぁまぁ、落ち込んでもはじまらないよ。 イリスがダークムーンガードの出現を見越しておいて、それを止める手だてを全然うたなかったあたり、きっとこれが運命神の意思なんだよ。 うん。」
ジョン 「運命は自分で変えるもんだ〜!」
フェイグランス 「運命は変えられるけど過去は変えられないってね。」
エフェ 「私たちに不利になったのは分かるわね。」
ルイ 「しかし、悪霊にジャレスに闇のムーンガードに、もしかしてイリスも…あれだけのメンツが相手では、悪霊を倒してジョンの仇を討てただけでも良しとしなくては。」
ジョン 「そうだな。 すっきりしない結果だったけど。」
エフェ 「また同じ事を繰り返さない為にも、私たちがもっと強くならなくちゃね。」
ジョン 「そうだ。 そのとおりだ。」
イーグル 「結局パールは連れ去られて、犬のジョンは死んだけど、悪霊とエルは倒して農場も…始末したっけ?」
DM 「雨上がりとは言え、油を撒いていた事もあって、エフェのファイヤーボールで点いた炎が栽培場全体に拡がっているよ。」
イーグル 「よし、始末したな。 これでこの国で毒が使われることも、例の麻薬が作られることもないだろうよ。」
エフェ 「こうして、解決できるところから解決していくしかないわね。 今は。」
ジョン 「そうだな。」
フェイグランス 「ジョンは、これで当初の冒険の目的を一応達成した事になるわけだね。」
ジョン 「うん。 でも今はもう別な目的もいろいろあるしな。 パールだって、まだ助けられるかもしれないから、冒険は続けるぞ。」
フェイグランス 「うんうん。 頼もしい。」
エフェ 「それじゃ、一旦カステラの町に戻りましょ。」
ルイ 「賛成です。 寒い雨の中を旅したので、少し暖炉で暖まりたい気分ですね。」
イーグル 「まだ、ワインあるぞ。」
フェイグランス 「犬のジョンは埋めていこう。」
ジョン 「俺もやるぞ。」
イーグル 「祈りでも捧げるか。」
ルイ 「墓標にワインをかけていきましょう。 安らかに眠りたまえ。」
ジョン 「敵の兵士はどうする? まだ生きている奴もいた筈だけど。」
イーグル 「そういえば、ホールドパーソンとかで固めてたのも結構いるんだよな。」
DM 「いや、彼等は先ほどのダークムーンガードの視線に射抜かれて息絶えている。」
イーグル 「やはり、そんな所か。」
DM 「ホセはここで君達と別れて、再びディーダーの監視に戻るそうだよ。 農場や兵士を失っても、彼さえ健在ならばまだまだ危険な存在だからね。」
フェイグランス 「ジェルフィンデルはどうする?」
ジェルフィンデル 「俺も、ここでお別れしよう。 仲間を弔ってやらなきゃいけないからな。 その後で、エルフの都”ルーンホールド”にいってみようと思う。」
フェイグランス 「そっか。 女神から送られたパールの夢が本当だったことを考えると、ルーンホールドがジャレスに攻められている可能性も高そうなんだよね。」
エフェ 「駆けつける?」
フェイグランス 「今から行っても間に合わない気がする。 むしろ俺達がデマバンドに向かって進んで、ジャレスの目を引き付けた方がいいかも。」
ジョン 「ジャレスなら片手間でルーンホールドを攻撃しかねないけどな。」
フェイグランス 「だね。 一応、エルシアに手紙を書いてジェルにもっていってもらおうか。」
ジョン 「エルシアだって、妬けるね(笑)。」
フェイグランス 「君には、彼女がいるじゃないか(笑)。 と、とにかく、ジャレスという男の事を詳しく書いておいて、注意をよびかえておくよ。」
ジョン 「それだけ?」
ルイ 「それだけですか??(笑)」
フェイグランス 「そこ、うるさいぞ!(笑)」
 
ホセ、ジェルフィンデルと別れた一行は、カステラの宿に戻る。
 
エフェ 「また襲われたりしないかしら?」
ルイ 「エルはもういないのですし、そんな余力もないでしょう。」
エフェ 「そうね。 で、次は道なりに行くと、シャムシールの町に着くのね。」
DM 「そう。 ハーディアルの首都”ローンヘイム”を囲む防衛都市の一つ、シャムシール。 そこには太陽神の神殿もあるよ。」
ジョン 「おお! ついにパラディン(聖騎士)に転職できる!」
ルイ 「とうとう念願の…ですね。 ではジョンが聖騎士の試験を受けている間に先に進みましょうかネ。」
エフェ 「賛成(笑)。」
ジョン 「おーい!(笑)」
エフェ 「そういえば、ルイはジャレスについて考察するんじゃなかった?」
ルイ 「ふむ。 次回までに考えておきましょう。」
DM 「次は明日だよ。 明日(笑)。」
ルイ 「風呂にでも入りながらゆっくり考えます(笑)。」
イーグル 「ってことは、今回は終りか?」
DM 「そういう事。 経験値をあげようかね。」
フェイグランス 「お、レベルアップだ。 レベル9。」
ルイ 「これで全員ネームレベルですね。 次回が楽しみです。」
DM 「ほい。 次回をお楽しみに。」
一同 「パチパチパチ(拍手)。」
エフェ 「ああっ!」
イーグル 「どした?」
エフェ 「アルンおじさんになんて言い訳しよう!」
フェイグランス 「ありのまま言うしかないんじゃないの?」
エフェ 「でも、確かパールが生きがいだって言ってたのに…。」
ジョン 「まだ死んだと決まったわけじゃないない!」
エフェ 「そうよね!」
ルイ 「ジャレスの口ぶりから言うと、”主”を生き返らせる為に、パールの体を使うみたいな話でしたからね。 その前にうまく捕捉して、阻止しなければ。」
イーグル 「捕捉ってったって、どうするんだ?」
ルイ 「さぁ…。」
ジョン 「望みは捨てるもんじゃないぞ!」
ルイ 「その為にも、次の町ではジョンをおいてさっさと旅を…。」
ジョン 「いじめないでー!(笑)」
ルイ 「ふふふ、次回が楽しみです。」
フェイグランス 「そうだね(笑)。」
ジョン 「不安だ(笑)。」
 
ムーンエンド・キャンペーン
第二部・第六章 完


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