ムーンエンド・キャンペーン第ニ部 第1章 【狂詩曲〜再会、そして旅立ち〜】

 

DM 「ここからが本番だ。 君達は1年間のそれぞれの暮らしを経て、再会の約束の場所である、ランカスター王国の王城『グリーン・アース』に向かっている。 ただし、王都シャスターをずっと根拠地にしていたエフェだけは、既に王城の一室で皆の到着を待ちわびている状況。」
ルイ 「まだ、合流はしていないと。」
エフェ 「待っているのね。 皆が日にちを間違えたりしなきゃいいけど(笑)。」
ルイ 「エフェが間違っている可能性もあります(一同笑)。」
DM 「まずは、ジョンから始めましょうか。」
ジョン 「おう。」
DM 「君はこの一年の間に恋人となったロミナ、仲間となった僧侶のイーグルと共に、今ようやくシャスターの門をくぐった。」
ジョン 「こ、恋人!」
DM 「そうだよ。」
ジョン 「!!!!!!(絶句)」
イーグル 「よかったな、ジョン(笑)。」
ジョン 「あ、ああ(笑)。」
イーグル 「この二人が親密になっていくところを、俺は見ているわけだ。 いい話のタネになるな。」
ジョン 「それはやめて〜!」
イーグル 「よしよし、出だしから調子いいぞ(笑)。」
ジョン 「もう、よろこんでいいんだか、怒っていいんだか、心配していいんだか…。」
イーグル 「気にすんな、そんなに沢山に言いふらしたりはしないから。」
ジョン 「結局言いふらすんじゃないか(笑)。」
イーグル 「(知らんふりをして)さーて、なんかデカイ町にきたぞ。 どこ歩いたらいいんだか、わけわかんねーな。」
DM 「歴史のある王国の、歴史のある都だからね。 内乱の痛手からも復興の兆しが見え、人々の生活にも活気が戻っているのが感じられる。 都の東門から入ってきて、河港近くの市場を抜け、都の中心部にある王城に向かって歩いて行く。」
イーグル 「(ジョンに)お前さんの仲間が待っているんだったら、手土産くらい買っていった方がいいかな?」
DM 「『それもいい考えね。』と言ってロミナが賛同する。 あ、ところでジョンの所持金は、この1年間の旅で半分に減っているので、修正してね。」
ジョン 「えーっ! ダメダメ、みやげなんていらん! どうせ珍しいお酒とか買っていっても、エフェが全部飲み干すんだし!」
エフェ 「(わざとらしく)ジョンがまた何か言っている気がするけど、空耳かしら(笑)。」
DM 「お城の窓縁に腰掛けて、物思いにふけるエフェであった(笑)。」
エフェ 「新しい仲間に余計な知識が入っていく〜。」
イーグル 「エフェっていうのは、なんか凄いんだな。」
DM 「3人が街角で、まぁそんな土産物の話をしていると、突然誰かがジョンの袖をつんつんと引っ張る。」
ジョン 「なんだなんだ?」
DM 「よぼよぼのお婆さんがいて、君を見ている。」
老婆 「こりゃあ珍しい。 アンタの顔に出ている相を見たのは、実に18年ぶりだよ。」
ジョン 「お、おう?」
老婆 「どうだね、あんた。 ワシに占わせてみる気はないか? お代はたったの3ゴールドじゃ。」
イーグル 「街頭占い師の、よくある手だ。」
ジョン 「だな。 でも話のタネにはいいんじゃないか?」
イーグル 「話のタネなら、たくさんあるけどな。(笑)」
ジョン 「そ、それは言うな!(笑) とにかく見てもらおう。」
イーグル 「仕方ないな。」
DM 「君達は路地裏の粗末な小屋に案内された。 小屋の中には星図盤や水晶球がところせましと並んでいて、とりあえず本格的ではあるね。 何をもって『本格的』というかはともかく、雰囲気はある。 さて、1人ずつということで、まずはジョンが招き入れられる。」
イーグル 「んじゃ、ロミナと表でまってる。」
DM 「老婆は道具箱の中から一組の古めかしいカードを持ってくると、ジョンに椅子をすすめた。」
ジョン 「言われる通りに座る。」
老婆 「これから、わしの特製のカードであんたの運命を占う。 ささ、どれでも好きなのを5枚ひいておくれ。」
ジョン 「1,2…3,4,5。」
老婆 「よしよし(ニタリと笑う)。」
ジョン 「なんか、不気味だな。」
DM 「一枚ずつめくっていくよ。 まずは1枚目。」
 
●1枚目【力】
老婆 「力のカード。はかり知れぬ力、未知のいまだ現れぬ力を示す。 だが、それだけでは何も分からぬ…。」
 
●2枚目【旅人】
老婆 「探索…長い旅か。あんたは間もなく旅立つだろう。 その目的は”力”じゃ。」
 
●3枚目【赤い羽根】
老婆 「はて、これはどういう意味じゃろう?」
 
●4枚目【道化】
老婆 「偶然、愚者、隠れ蓑、隠された可能性。 ふむ、この4枚目のカードは3枚目に関係があるはずじゃが…。 とにかく、最後のカードをめくってみることにしようかの。」
 
●5枚目【知性のある山羊の姿をした神】
老婆 「これは、神の願い…人々の祈り…運命をあらわす神秘のカード! あんたの頭上には運命神の光があるのかもしれん。」
 
ジョン 「で、どういう意味なんだ?」
老婆 「(青ざめて興奮気味になり)読めん、わしにはこの5枚のカードに織り込まれた模様の意味を読むことは出来ん。 (顔を上げて)…すまんのう。」
ジョン 「まぁ、役に立たないこともなかったよ。 なかなか面白い。」
DM 「外で待っているのは、イーグルとロミナだね。 ギィ、と扉が開いてジョンが出てきた。」
イーグル 「どうだった?」
DM 「イーグルがそう言った時、部屋の中でパキッと音がして、最後のカードが勝手に6枚に割れた。 それを驚いたように見て、老婆が言う。 『おお…。最後にひとつ、教えることができそうじゃ。 運命神の光はおまえさんだけのものではな い。 6人じゃ。 6人、神に見込まれたものたちがおる。 元気でな、あんたに神の護りあらん事を。』」
イーグル 「なんだ、俺は見てもらえないのか(笑)。」
DM 「カードも壊れたしね(笑)。 それじゃあ、ルイとフェイグランス組の方に移ろうか。」
ルイ 「はい。」
フェイグランス 「あいよ。」
DM 「君達は快晴の空の下、まっすぐに王城へと歩いている。 二人とも森の生活を続けてきたから、 このちょっとした人混みは懐かしい感じがするね。」
フェイグランス 「どっちが懐かしいのか、分からなくなってくる(笑)。」
ルイ 「あなたは、もともと森の人ですからね(笑)。 それにしても、相変わらず生命の森とこの都を結ぶ街道には宿がないんですよね。」
DM 「ないねぇ。」
フェイグランス 「宿屋チェーン店の野望は挫折したんじゃないっけ?」
ルイ 「あの夢はもう捨てました。 だいたい、ドルイドが商売なんてお笑いですよ(笑)。 や、それだけに余計懐かしいかな。と。」
フェイグランス 「そうだね。 お土産かってかえろうにも、買うところがない(笑)。 ルーンホールドの果物でも持ってこようかと思ったんだけど、腐っちゃうしね。」
DM 「そんなことを話し合いながら城門をくぐろうとすると、後ろから声が聞こえた。『おい、 そこのお若いの』」
フェイグランス 「振り返ってみよう。」
DM 「茶色のゆったりとしたローブに身を包み、胸のあたりにまで髭をたらした老人が立って いる。その頭にはとんがり帽子。帽子に赤い羽根がちょこんとさしてあるのが目につくね。 その鳶色の瞳には何か茶目っ気とでもいいたいような明るい雰囲気がある。 『ようやく見つけたよ、守護者たち。 わしの名はタレステ ィウスじゃ。 決して忘れるでないぞ。』」
フェイグランス 「は?」
ルイ 「タレスティウス?」
DM 『また会おう。』それだけ言うと、タレスティウスと名乗った老人は人混みの中へ消えていった。」
ルイ 「なんなんですか、今のは。」
フェイグランス 「さぁ、なんか、マッハで現れて消えたね。」
ルイ 「…城の待ち合わせ場所にいきましょうか?」
フェイグランス 「迷わずにいけそう?」
DM 「君の方向感覚だとあやしい。 まっすぐの道を曲がってしまうのがフェイグランスだ。」
ルイ 「引っ張っていきます。」
フェイグランス 「すまんのう。」
DM 「はい、じゃあエフェ。」
エフェ 「みんな来た?」
DM 「いんや。でも、エフェが与えられた部屋でみんなを待っていると、顔なじみのお城の召使いがやってきた。『国王陛下よりの言付けを承ってきました、エフェ様』。」
エフェ 「どうぞ。」
召使い 「『全員が集まったら、奥の広間においで願いたい。ささやかながら祝宴の用意を申しつけておいた。 無粋ではあるが再会の席に私も同席させてもらえると嬉しい。』とのことです。」
エフェ 「ええ、わかりました。あとで必ず参りますわ。 陛下にはよろしくお伝えください。」
召使い 「かしこまりました。失礼いたします(退出)。」
エフェ 「みんな、遅いなぁ。」
ルイ 「(おもむろに)そうですか?」
DM 「ルイとフェイグランスが到着した。」
ルイ 「お久し振りです、エフェ。」
フェイグランス 「だよ。」
エフェ 「きた!変わらないね、二人とも(笑)。」
ルイ 「アーマーが違います(笑)。」
フェイグランス 「悠久の時を生きるエルフにとって、一年なんてあっという間だし……」
エフェ 「その似合わないエルフらしさが変わらない(一同笑)。」
フェイグランス 「く〜、エフェの鋭い言葉も健在かぁ(笑)。」
DM 「続いてジョンたちも案内されてエフェの部屋にやってきた」
ジョン 「ひさしぶり〜!」
ルイ 「来ましたね、ジョン。」
フェイグランス 「友達と、恋人つきで(笑)。」
ロミナ 「皆さん、お久しぶりです。ルメイオのロミナです。その節はお世話になりました。」
エフェ 「何時の間にか、恋人かぁ。」
ジョン 「ファルスはいないけど、新しい僧侶のお仲間もいるよ。 紹介しよう。」
イーグル 「イーグル=ラインバック。よろしく、みたいな。ファルスってのが前の僧侶?」
ルイ 「そうです、いまは神の御許に行っちゃいましたけど。」
フェイグランス 「イーグルも『夢狩人』の仲間入りだね。 あと、マリュータもいないから盗賊をどこかで探さなきゃ。」


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