ムーンエンド・キャンペーン第一部 第14章 【海賊の住む島】

 

DM 「では、イニシアチブ〜。5だ。」
エフェ 「4だわ。うーん、先手を取られた。」
DM 「向こうもラムで攻撃してくる。 ああっと、外れた。」
ジョン 「おーし、こっちの攻撃だ。」
エフェ 「ジョン、命中判定ヨロシク。」
DM 「5レベルファイターの欄で命中判定ね。」
ジョン 「おーし、命中だ。 ダメージは…ありゃ、1を出した。 でも50船体ポイントだ!」
エフェ 「ファイアーボールとかで沈められないのかしら?」
DM 「できない事はないけど、1船体ポイントを奪うには5ダメージ必要だよ。 つまり、10船体ポイント分破壊したければ、50ダメージのファイヤーボールが必要。」
エフェ 「それはちょっとむずかしいわね。 ジョンガンバレ!」
ジョン 「おう。」
エフェ 「次のイニシアチブはこっちから!」
ジョン 「命中判定…お、外した。」
DM 「敵は逆に命中させてくる。40船体ダメージね。」
ルイ 「あいたたた。 ジョン、しっかり頼みますよ〜。」
DM 「敵船はそのまま接舷して、船と船の間に前甲板、後甲板に板を渡す。」
ルイ 「乗り込んでくる気ですか?」
ジョン 「こうなりゃ、こっちから逆に乗り込んでやる!」
エフェ 「フェイグランス、スリープの呪文の準備よ!」
フェイグランス 「悪いが、エフェに任せた!」
エフェ 「・・・・・・・(汗)」
フェイグランス 「もしかして、エフェも持ってきてないの?」
エフェ 「このくらいのレベルになると、スリープが効くような敵なんて滅多に出ないから…。」
フェイグランス 「だよね〜。あはは。」
ジョン 「なにやってんだよ〜!」
ルイ 「そういえば、我々は鎧を着ているんでしょうか?」
ファルス 「船の上だから、鉄の鎧なんか着てたら、暑さで倒れちゃうんじゃない?」
ルイ 「だと、鎧無しですか。 攻撃を受けやすそうですね。 皆さん注意ですよ〜。」
エフェ 「私はもともとヨロイなんてつけてないから、変わらないけどね(笑)。」
 
前後二つの甲板にかけられた板を渡ってくる海賊に対して、ジョン達一行を始め、乗組員達も抗戦する。
 
DM 「乗組員は、もう10人はやられたかな。」
エフェ 「うわー、危ないから下がってて〜!」
ジョン 「敵の船に乗り移るぞ! ボスを叩いてやる!」
DM 「それにはまず、渡し板の上にいる敵を3人叩き落とさないと。」
ジョン 「やるったらやるー! 突撃〜!」
エフェ 「じゃ、援護のファイヤーボール! 30ポイントを敵の甲板付近に。」
DM 「ファイヤーボールか。 それにまきこまれた敵4人が倒れ、敵の船もいくらか破壊される。 そのエフェに対してマジックミサイルが飛ぶ。16ポイント。」
エフェ 「うわー、敵には魔法使いもいるんだ!?」
ルイ 「質の高い海賊ですね。」
 
戦闘はダメージを受けつつも一行の勝利に終わり、海賊達は船に戻って逃げ出す。
 
ジョン 「追うかい?」
エフェ 「いえ、このあたりをよく知っている海賊達に追いつけるとも思えないわ。」
ルイ 「下手すれば、危険な海域に引き込まれて座礁するかもしれませんからね。」
ジョン 「目的のある旅でなければ、追うんだけどなあ。」
ルイ 「むっ、大人になりましたね、ジョン。」
ジョン 「そうか?」
ルイ 「ええ、最初の頃だったら、『海賊は悪い奴等だから全滅させる』みたいな事を言って追いかけていそうです。」
ジョン 「いろいろあったからな。ここまで。」
DM 「ルメイオではダークエルフに操られたコボルトや、利用されたロミナと戦って、マルトでは姫を救出し、王都につけば国王の命に関する重大なミッションを与えられ、その為に行った生命の森ではダークエルフの本拠地に乗り込み、連れ去られたエルシアを救う為にマスター達と戦って…。」
ルイ 「ああっ、マスターが回想シーンに入ろうとしています。 もしかして、今回は最終回を前に総集編でもやるつもりなんですか?!」
DM 「連続ドラマじゃあるまいし、しないよ(笑)。 回想は各々やってくれ。」
エフェ 「フェイグランスは道に迷い…」
フェイグランス 「ルイは風呂場で襲われ…」
ルイ 「ファルスはエフェの着替えを覗き…」
ファルス 「ジョンはクマになって…」
ジョン 「ん?ファルスはそれほどひどい目に遭ってないな。」
ファルス 「可も無く、不可も無く(笑)。」
ルイ 「案外そういうキャラに限って最終回で死亡とか言うパターンもありますからね。気をつけてくださいよ。」
ファルス 「大丈夫だって(笑)。」
DM 「はい、君達は相変わらずの霧の中で、船の修理をしつつ、怪我をした船員達の手当てなんかをしているわけだ。」
フェイグランス 「海に落とされた人達は平気なの?」
DM 「うん、そのあたりは海の男だからね。 泳ぎはお手の物だ。」
ファルス 「僕も船員の手当てを手伝うよ。 船室の荷物から、包帯を取ってくる。」
DM 「ファルスが船室に行くと分かるんだけど、君達の荷物が荒らされている。」
ジョン 「まさか、全部取られた?!」
DM 「いいや、装備や金品は一通り残っているよ。」
ファルス 「じゃあ、なにが…って、ああああー!」
ジョン 「どうしたんだ?」
ファルス 「もしかして、盗まれたのはヴィクトリーワンド?!」
DM 「大当たり〜!」
ルイ 「ぎゃあ。 またDMの陰謀にかかった気分です。」
ファルス 「こんな時、マリュータがいればこういう事にはならなかったろうにね。」
ジョン 「待て待て、カネよりもワンドを優先したって事は、奴等…」
ルイ 「マスターの手下でしょうね。 おかしいと思ったんですよ。 海賊の中に魔術師がいるなんて。」
フェイグランス 「これで、ワンドは2本がマスターの手元で、もう1本は島か。」
エフェ 「ガゼリアの話だと、この船で行く以外にも行く方法はあるって事だったものね。」
ジョン 「ってことは、マスターが最後の1本を手に入れる前に倒さないと!」
エフェ 「うん。 でも今盗まれた1本だって、まだ奪い返せる可能性はあるわ! 追いかけましょう!」
ファルス 「でも、霧が出ていて危険だよ。」
ジョン 「小船を何艘か出して周りを探ってみよう。」
DM 「OKだ。 船長が早速手配してくれる。 それに乗組員が3人ずつ乗り込んで、各方面にこぎ出していくよ。」
ルイ 「敵を見つけたら、戦ったりしないで、すぐに戻ってきてくださいよ〜。」
DM 「船が出ていってしばらくすると、見張りをしていた船員の声が聞こえる。『グリフォンだ!』と。」
エフェ 「グリフォン?! 私たちの位置から見える?」
DM 「いいや、霧が濃いからね。 マストの上に登っていた見張りだけが見つけたようだ。」
ルイ 「と言う事は、もう大分近いですね!」
ジョン 「武器を構えるぞ。 ヘビークロスボウにしよう。」
DM 「はい、巨大なつばさが羽ばたく音が聞こえて、目の前の霧の中から突如巨大な爪が突き出す。 不意打ちチェックをどうぞ。」
エフェ 「大丈夫、うたれなかったわ。」
DM 「おーし、それではイニシアチブ。 敵はまだ空中にいるから、剣やメイスでは攻撃できないよ。」
エフェ 「イニシアチブはこっちから!」
ジョン 「弓を準備しといて正解だったな。 命中して6ポイント。」
フェイグランス 「マジックミサイルで17ポイント。」
エフェ 「ファイヤーボールで28ポイント!」
DM 「ありゃりゃ、死んじゃったよ。」
ルイ 「ノーダメージとは、いいことです。」
エフェ 「魔法は大分つかっちゃったから、少し休みましょう。」
DM 「はいはい、しばらくすると、君達の所に船長がやってくるよ。 探査に出た船のうち1艘が島を発見したそうだ。」
ルイ 「おおっ。」
DM 「しかし、3艘出した探査船のうち、1艘が戻ってきていないらしい。 戻ってきた船の船員の話では、戻ってきていない人達も彼等と同じ島を発見して、そちらの方は上陸して調べてみる事にしたのだそうだ。」
ルイ 「なるほど、するとまだ探査中かもしれないわけですね。 島までの距離はどのくらいなんです?」
DM 「霧が晴れれば、島がみえるくらい。」
エフェ 「じゃあ、休んで待ってましょ。」
ジョン 「あれが海賊の島かもしれないから、気をつけてくれるといいけどな。」
 
翌日の朝、空のボートだけが船に戻ってくる。
 
ジョン 「これは、探査に出た人達のボート?」
DM 「間違いないそうだ。」
ジョン 「次は、俺達が偵察に行ってみるか?」
ルイ 「そうですネ…。」
 
一行はファルスを船に残し、ボートで島へ上陸する。
 
エフェ 「ファルスは連れてこなくてよかったの?」
ルイ 「いざと言う時の為に、船には誰かいなければ。」
DM 「君達は、島の砂浜に上陸する。」
ルイ 「砂浜ですか。 いいですね。 ここならガレー船の修理もできそうです。」
フェイグランス 「ボートはしっかりとどこかに固定しておこう。 流されると面倒だからね。」
DM 「船に残ったファルスの方では、船員達が『船が勝手に動き出した』と言って慌てている。」
ファルス 「魔法の船だもんなぁ〜。 なにか仕掛けでもあるのかも。」
DM 「なにかするかね?」
ファルス 「いや、様子を見るよ。」
DM 「では、島に上がった方のメンバーは、霧の向こうの海から紫色に淡く輝く船がこちらへ近づいてきているのが見える。」
ジョン 「テキか?!幽霊船とか。」
DM 「一方ファルスは、船がジョン達の向かった島へと向かって動いているのがわかる。 砂浜にはジョン達の姿が見えるよ。」
ファルス 「あ、そういうことか。 おーい!(手を振る)」
DM 「砂浜の方では、近づいてくる船のへさきでファルスが手を振っているのが見える(笑)。」
ルイ 「なるほど、ファルスは幽霊船の船長になったんですね。」
ファルス 「そんなわけあるかっ!(笑)」
ジョン 「魔法の船だから光ってるってことか。」
DM 「そういうことだね。」
ルイ 「さっきの戦闘でいい具合に壊れましたからね。 今度から幽霊船にみたてて敵を脅す事もできそうです。ふふふ。 きちんと持って帰りたいなぁ〜っと。」
エフェ 「じゃ、私はルイが悪い事する前にたおしちゃおう♪」
フェイグランス 「手伝うよ、エフェ。」
ファルス 「僕も。」
ジョン 「俺も〜!」
ルイ 「くっ、我が野望ついえたり(笑)。」
エフェ 「それより、早く合流しましょうよ(笑)。」
91年当時描いたイラスト。 それにしても、このガレー船のマストは1本じゃなかったっけ?2本あるようにみえるんざんすけど(笑)。


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