ムーンエンド・キャンペーン第一部 第12章 【旅】

 

DM 「それでは、君達はそのまま王城の謁見の間に通される。」
エフェ 「失礼が無い様にしていかないと。」
ファルス 「そうだね。 ホコリくらい落としてからいこうか。」
DM 「謁見の間では、無人の玉座の脇にリリア王女が立っている。 彼女は君達が無事な様子を見て、少し安堵したような表情を見せるよ。」
エフェ 「王女が本当に無事だったみたいで、私も安心したわ。」
ファルス 「お互い様ってやつだね。」
DM 「リリア姫は、王女としての威厳を保ちつつも、君達に対して親しみを込めた口調で話し掛けてくる。」
リリア王女 「皆、無事で何よりです。」
ルイ 「はい。 こうして不肖の身、生き長らえておりますのも、王室のご威光の賜物でございます。」
フェイグランス 「ちゃんとやっているなぁ。」
ルイ 「こういう公の場では、形式も必要でしょうからね。」
DM 「そうだよ、ちゃんとやらないとね。 さて、王女は現状を一通り君達に教えてくれる。 まず王が暗殺されたこと、エルモアが重傷であること、反乱の討伐軍5000名が集まったこと。 その後で、君達に助力を求めるよ。」
リリア王女 「そなた達を呼んだのは、他でもありません。 反乱軍の討伐に力を貸してほしいのです。」
ルイ 「(皆に)どうしますか?」
ジョン 「俺は元からそのつもりだぞ。」
エフェ 「私もOK。 他もOKと。」
フェイグランス 「はいはい、そうずらよ。」
ファルス 「ちょっとは聞いて欲しかったけどね。(笑)」
ルイ 「OKですね。 では、いいですよ。…もとい。 我々でお役に立てることであれば、何なりと承りましょう。」
リリア王女 「歴戦の冒険者の助力、嬉しく思います。 夕刻に会議を開きます。それまで部屋で静養するように。」
DM 「と、言うわけで、前にも使った2人部屋を3つ貸してくれる。 まだ午前中だから、夕方までなにかする人はいるかな?」
ジョン 「おう、食料とか、必要なものを買い出しに行ってくる。」
ルイ 「私は城内で情報を集めましょう。 騎士団の方に。」
フェイグランス 「じゃあ、俺は城内のまかないの人に。」
エフェ 「私は休ませてもらうわ。 生き返ったばかりで魔法だって覚えていないんだから。」
ファルス 「同じく。」
ジョン 「部屋割りは前と同じでいいな。 俺とマリュータ、エフェとファルス、ルイとフェイグランス。」
フェイグランス 「それで、いいよー。」
DM 「順番に解決していきましょうか。 まずはジョン。」
ジョン 「城下町で保存食を買った後、前回と同じようにスラムに行ってみよう。」
DM 「スラム街に行くと、以前よりガラーンとしている。 以前はそれなりに歩いていた人達が、今はいない。」
ジョン 「みんな、逃げちゃったのかな。」
DM 「そのようだね。 どうやら、この王都が戦場になると言う噂が流れているらしい。」
ジョン 「ま、仕方ないか。 普通の町の方には人はいるの?」
DM 「以前ほどの活気はないながらも、人はいるよ。 ここで生計を立てている人は、できれば逃げたいけど生活もあるから逃げられないといった所だね。」
ジョン 「マスター達を倒して戦争を終わらせれば、また人が戻ってくるか。 おし、城にもどる。」
DM 「はいはい。 次はルイ。」
ルイ 「騎士団の詰め所に行ってみます。 見知った人が1人でもいればいいのですが。」
DM 「そうだね、王女を助けに来た時の騎士団は100数十人いたから、1人くらいはルイの顔を知っている人がいてもいいか。 前にルイと話をしたことがある、ウェインさんがいたことにしよう。」
ルイ 「おお、ウェインさん…って、誰でしたっけ?」
ファルス 「前に、弱点を掴んだとか何とかいっていたじゃないか。」
ルイ 「ぬ…(考)…そういえば、そんなこともありましたネ。」
DM 「そうそう、そのウェインさん。 ルイの顔を見ると『ルイさん、ご無事でしたか!』と話し掛けてくる。」
ルイ 「ウェインさんこそ。 騎士団がミリオン山脈から転進したという話を聞いて、心配していたんですよ〜。」
ファルス 「転進か。負けたって言わない所が気を遣っているね。」
ルイ 「一応です。白々しいかもしれませんが(笑)。」
ウェイン 「あの戦いはひどかった。 まさか、あの山脈を越えてこられる軍勢があるとは。 しかも、体勢を立て直そうとした所には、死者の軍勢がひしめいていた。 背後からルード軍、前方にはゾンビ達となった時には、流石に死を覚悟しましたよ。」
ルイ 「でしょうね。」
ウェイン 「だが、ラルフ様が巧みに軍を分けて撤退をしたこともあり、軍は最小限度の被害で済んだんですが、ラルフ様は兵士を少しでも多く逃がす為、最後までその場所にとどまって戦って、敵の捕虜になってしまったようです。」
ルイ 「なるほど。それで今回5000名もの兵士を集めることができたわけですね。」
ウェイン 「ええ。 ただし、ラルフ様を始め、軍の上層部の人間は大分やられてしまいました。 今は兵は集まっても、それを率いる者がいない状態なのです。」
ルイ 「ううっ、それはツライですネ。 司令官がいなければ、軍隊とは言えません。」
ウェイン 「こんな時、大公テシウス様か、そのご子息のお二人が生きていらしたら…。」
ルイ 「ええと、テシウス様と言うのは、確か国王の兄弟でしたっけ?DM。」
DM 「そうそう。 そしてその息子が、第二王位継承者のホバートと、第三王位継承者のエルムなんだ。」
ルイ 「リリア姫の従兄弟に当たるんでしたね。確か。」
DM 「そう。しかし、エルムの方は先日死体で発見されたという話だ。 ホバートは行方不明。」
ルイ 「そのホバートと言うのが見つかればいいわけですねぇ。 うーん、ちょっと考えてみて損はなさそうです。 なにか、今回の事件に関係あるかも。ふふふ。」
DM 「関係と言えば、リリア姫とエルムは恋仲だったことは覚えてる?」
ルイ 「ええ、覚えてますよ。 従兄弟で恋愛なんて我々からするとアレですが、まぁ、今の時代だって結婚できない関係でもないですしね。」
ウェイン 「それでは、私はこれで。」
ルイ 「ええ、お時間取らせましたね。 ふーむ、軍隊の指揮とか、ジョンにやらせてもいいかもしれませんね。 部屋に戻ります。」
DM 「はい、ではフェイグランス。」
フェイグランス 「はい、道に迷った。」
DM 「早いな(笑)。」
フェイグランス 「でも、いいんだ。 城内の雰囲気さえわかれば(笑)。 みんなが勝つと信じてるか、悲観してるか。その辺を歩き回りながら、城の人の会話を盗みぎき(笑)。」
エフェ 「趣味が悪い〜。」
フェイグランス 「歩いていたら、勝手に聞こえてきた方向で(笑)。」
エフェ 「はいはいっ。」
DM 「ふーむ。城内の雰囲気は、軍隊の出陣を前にして慌ただしいね。(ダイスを振って) ある壁の前に来た時、その壁の向こうにあると思われる部屋の中から声が聞こえてくる。」
フェイグランス 「お、聞いてみよう。 壁に耳をぴったりと。」
エフェ 「やっぱり、盗み聞きだわ(笑)。」
フェイグランス 「あーーーー・・・・・・・・。(考)」
エフェ 「言い訳できない様ね。」
フェイグランス 「ぐすん。」
DM 「壁の中の声は、複数の壮年、熟年の男性と、リリア姫の物だよ。」
フェイグランス 「興味深々。」
男の声1 「まさか、姫はあのような者達にこの重要な役割を託すおつもりですか?!」
リリア姫 「ええ、私はあの方々を信頼しています。」
男の声2 「騎士団の1隊を派遣してはいかがでしょう? 我が軍の騎士団が冒険者に遅れをとるとは思えません。」
リリア姫 「この大事な戦の前に、騎士団から戦力を割けるのですか?」
男の声2 「そ、それは…。」
DM 「と、言う会話が聞こえた所で、知力チェック。」
フェイグランス 「成功ずらよ。」
DM 「兵士のものらしい足音が近づいてくる。」
フェイグランス 「やばっ、隠れる場所はある?」
DM 「(きっぱり)ないよ。」
フェイグランス 「うわー、ピンチ。 ポケットに手でも突っ込んで、あさっての方向むきながら口笛ふいて誤魔化そうか。」
ルイ 「そんなの、通用する筈がないでしょう。」
フェイグランス 「き、君に言われるとは思わなかったよ。」
DM 「フェイグランスには衛兵から『何者か?!そこで何をしている!』という声がかけられるよ。」
フェイグランス 「いやー、散歩していたら迷っちゃって。」
DM 「『あっ、これはフェイグランス様でしたか。 お噂は聞いております。 さぁ、出口はあちらですぞ。』と。」
フェイグランス 「………。」
エフェ 「どうかしたの?」
フェイグランス 「今のって、どういう噂の事を指しているんだろう?」
エフェ・ジョン 「方向音痴の噂!」
フェイグランス 「がーん、こんな一般の兵士にまで…。」
DM 「違う違う(笑)。一応君達は英雄だからね。」
フェイグランス 「ほっ、神経をすり減らしたから、もう帰るよ(笑)。」
DM 「とか言いつつ、なぜかしっかり部屋まで案内してもらった。 兵士は兵士で気を遣っているらしい。」
フェイグランス 「方向音痴の噂も…広まっているみたいね。」
DM 「次、ファルスとエフェ。 2人は眠るだけ?」
エフェ 「部屋の真ん中にカーテンを引いて、こっちが見えない様にします。 一歩でもここを超えたら死刑ね。」
ファルス 「はいはいっ。」
エフェ 「そんなわけで、着替えて寝ます。」
DM 「ふむ。」
ファルス 「その着替えを覗く。(笑)」
エフェ 「?!」
DM 「覗くの?!」
ファルス 「たまには違った行動をとらないと。(笑)」
DM 「じゃあ、敏捷で判定。」
ジョン 「本気でやらせてる。(笑)」
ファルス 「成功だ。」
エフェ 「がーん。」
DM 「エフェはそれに気づくかどうか、知力でチェックを2回。 どっちかが成功すればファルスに気づく。」
エフェ 「失敗!失敗!わーんっ。」
DM 「エフェは意外とグラマーだった。」
エフェ 「ああ、隠し設定だったのに〜。」
ファルス 「思わぬ収穫。」
ルイ 「僧侶らしくない行動でしたけどね。」
ファルス 「まだ、僧侶として未熟なんだ(笑)。」
  


↓1991年当時、ノートに書いたジョン(当時出版されていた、某本のネタパクリです)


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