山形でTRPGやっちゃうよの会 第2回
【鬼哭き穴に潜む罠】

 

バーン 「じゃあ、ドラゴンさえやっつければ、村に手を出す理由はなくなるってことか?」
DM 「『そうだね。』」
バーン 「おまえら、ドラゴンやっつけられないのか…無理か。(笑)」
アレクセイ 「しかし、さっきのボスがなんとかできちゃうドラゴンって一体…。」
バーン 「いや、自分の言う事聞かないゴブリンとか、連れて来た人間とかを与えて手なづけたんじゃね?」
DM 「まぁ、そんな感じですね。 ドラゴン側でもゴブリンを利用しているのは容易に想像できます。」
バーン 「なるほどなぁ。 てことで、ドラゴン退治をすることになりそうだな。 ユーヌ。(肩をポン)」
ユーヌ 「ふっ。」
バーン 「これを倒せば、ゴブリンが村を襲わないってことだったら筋が通ってるし、村の連中も納得するだろうさ。」
アレクセイ 「それが本当の事ですしね。」
バーン 「別にゴブリンを根絶やしにしろとは言われてないからな。」
ユーヌ 「まぁ、ゴブリンを根絶やしにした方が楽だけどね。」
バーン 「ゴブリンは根絶やしにしてきたけど、ドラゴンは放置してきたとか言ったら、たぶん報酬貰えないぞ。」
ユーヌ 「ふむ、ドラゴンを倒すのも、面白いかもしれないな。」
バーン 「面白いというより、宝物をいっぱい持っているかもしれないと思ってるだろ?(笑)」
ユーヌ 「んー、1人までなら犠牲は大丈夫か。」
アレクセイ 「なんでこっち見て言うんですか。(笑)」
ユーヌ 「いやいや、今のはグレーゾーンだから。」
アレクセイ 「グレーゾーン? グレイエルフだから?」
バーン 「”レジストエナジー”があればな。」
DM 「それを聞いてウルタールが『”レジストエナジー”が欲しいのかい。 ポーションが1本…あれ? あれ、どこいったかな?』(一同笑)」
アレクセイ 「さっきのポーションを出して、『これ?』」
DM 「『そうそう、それそれ。 そのポーションは”酸”のレジストエナジーだよ。』」
ユーヌ 「酸?!」
DM 「『こんなこともあろうかと、作っておいたんだ。』」
バーン 「こんなこともあろうかと、ってことは酸を吹く奴がいるんだな?!」
DM 「『そのドラゴンが吹くのに決まってるじゃないか。』」
バーン 「なんだとー?!」
アレクセイ 「酸を吹くドラゴンって何だか、知ってていいですか?」
DM 「<知識(神秘学)>で。」
アレクセイ 「あ、知らない。」
バーン 「お、20!」
DM 「酸を吹くのはグリーンドラゴンとブラックドラゴンですね。」
アレクセイ 「なんか本格的。 ドラゴンに見立てたような、ただの怪物かと思ったのに。」
バーン 「ちなみに、どのくらいの大きさだ? 両手を広げたくらいで表現できるか?」
DM 「『羽根を含めなければ、大きめの猫くらいかねぇ。』」
アレクセイ 「そんなに小さいの?」
ユーヌ 「ワームリングか?」
DM 「そこまでは分かりませんね。」
ユーヌ 「そういえば、色は推測しただけで、聞いてなかったな。」
バーン 「聞いてみるか。」
DM 「真っ黒だそうですよ。」
バーン 「ブラックドラゴンのワームリングか。」
ユーヌ 「ブラックドラゴンって直線のブレスだっけ? 放射だっけ?」
アレクセイ 「クラシックD&Dでは直線でしたね。(笑) ついでにワームリングって何?」
DM 「ドラゴンの一番若い年齢段階ですね。 そしてブラックドラゴンのブレスは直線です。」
ユーヌ 「ワームリングか。 卵から孵ったばかりって事だね。」
アレクセイ 「それはなんか、倒すのが可哀想なような。」
ユーヌ 「なぜだい?」
アレクセイ 「だって、子供なんでしょ?」
ユーヌ 「もうちょっとブリーディングしたら、いいのか?」
アレクセイ 「うーん。 それで悪く育ったら。」
バーン 「確か、ブラックドラゴンってのは、ドラゴンの中でもかなり悪い奴だぞ。」
DM 「ええ、ずるがしこく、悪意に満ちているのがブラックドラゴンの特徴です。 属性は”混沌にして悪”。」
ユーヌ 「好きなように悪に走るタイプだな。」
DM 「そのまま成長させると、ロクな事になりませんね。」
アレクセイ 「…悪い芽は早めに摘み取ってしまいましょう。(一同笑)」
DM 「生まれて2、3年ですね。」
バーン 「小さくても、ドラゴンだから強いはずだ。 (ウルタールに)この、ドラゴンがいる部屋を見たことがあるか?」
DM 「『あたしゃないね。』」
バーン 「ダラックスの部屋以外に、入口があるかどうかは分からないか?」
DM 「『そこ以外にはないよ。』」
バーン 「そうか、それさえ分かれば。」
ユーヌ 「なんとかして捕まえてきて、そこに突っ込んだってことか?」
バーン 「卵を見つけて、ここで孵したのかもしれないし。」
アレクセイ 「そしてインプリンティングとか。」
DM 「『いや、あいつは自分からここへ来たよ。 そこからどんなやり取りがあったのかは知らないけどね。』」
バーン 「じゃあ俺達がドラゴンを倒したら、村には手を出さずに、ひっそり暮らすと約束できるか?」
DM 「『ああ、もちろん。 私はもう疲れたよ。 あの人もいなくなった…』」
ユーヌ 「ゴブリンの言う事を信用していいのかね。」
バーン 「ゴブリンは”秩序にして悪”だから、約束は守るだろ。 ま、都合のいい約束は。」
ユーヌ 「じゃあ、ドラゴンを倒すのはいいとして、折角ここにナンバー2のウルタールがいるんだから、探索していない所に何があるか聞いておいてもいいんじゃないかな。」
バーン 「ああ。」
DM 「教えてくれますよ。」
 
ウルタールの案内により、この洞窟にはゴブリンの神である”マグルヴィエート”の神殿や
ドラゴンが来て以来、その扱いを巡ってダラックスと口論の末出奔した、祈祷師”ラットヴェン”の部屋、
さらに蜘蛛の巣が張り巡らされた部屋、調理場などの存在が明らかになる。
 
バーン 「蜘蛛の巣って事は、蜘蛛もいるわけ?」
DM 「『でっかい、でっかい蜘蛛がいる。』」
バーン 「ふむ。 まぁそっちは無視でいいかな。」
DM 「『そうだねぇ、ならあんた達にはこれをやるよ』と言っても、もう持っていかれているんですが(笑)、さっき言った”レジストナジー”のポーションと”キュア・ライト・ウーンズ”のポーションを。」
スヴェン 「さっきの2本は、こういう組み合わせだったわけですね。」
ユーヌ 「じゃあ”レジストエナジー”はバーンに使ってもらって、”キュア・ライト・ウーンズ”は俺が持とう。 アレクセイが倒れた時の為にな。」
アレクセイ 「うん。 あと入る前にユーヌには”レジスタンス”をかけておきましょう。 これでセーブに+1。 それからバーンの武器に”マジックウェポン”。 これでその武器は魔法の武器+1扱い。 そして”ブレス”。」
バーン 「かけてもらっている最中に”レジストエナジー”のポーションを飲んでおく。」
ユーヌ 「同じく<聞き耳>しておくよ。」
DM 「分厚いドアであることもあって、何も聞こえませんね。 向こう側から開けるためには筋力判定25は必要かもしれません。」
バーン 「じゃ、行くか。 扉をがーんと開ける。」
DM 「中は真っ暗ですね。 ランタンを持っている人がいるので明かりは届きますが、<視認>をどうぞ。」
バーン 「17。」
ユーヌ 「24。」
DM 「おしい!」
ユーヌ 「なんか知らないけど、残念。」
DM 「と言う訳で、影からわさっと何者かが出てきて、口をカパッと開いて”ドラゴンブレス”。」
バーン 「きたか。」
DM 「(隊列を見て)バーンは<反応>セーブをどうぞ。」
バーン 「お、25。」
DM 「それは成功。 6点のダメージだったので半減して3点。 でも”レジストエナジー”があるから…」
バーン 「ノーダメージだ。(笑)」
DM 「だよなー。 じゃあ、イニシアチブいきましょうか。 順番に行動してください。」
ユーヌ 「(出目を見て)えー、みんな遅い。 ドラゴンの前は俺だけか。 じゃあ移動して射撃。 AC5まで!」
DM 「んーと、なんかこのドラゴン、いろいろセリフがあるなぁ。 『ほほほ!ごめんね、早すぎたかい。』」
バーン 「むかつくー!(笑)」
アレクセイ 「高飛車だなー。(笑)」
DM 「じゃあこっちですね。 飛ぶと移動が面倒臭いんですよねー。
でも飛んだ方がいいので、皆さんの上をグルリと24マスほど飛び回りつつ<かすめ飛び攻撃>。
移動の途中で攻撃ができる特技ですね。
ただ、超小型なので間合に入る時に”機会攻撃”が発生します。」
ユーヌ 「でも、弓だから駄目だ。」
DM 「じゃあ行きます。 あ、外れ。 『ほほほほ、ごめんね、早すぎたかい』。(一同笑)」
バーン 「おめーが早すぎて外したんだろ。(笑)」
スヴェン 「移動して”マジックミサイル”を撃ちます。 4点。」
バーン 「移動して、攻撃。」
ユーヌ 「問題は、高度だな。」
DM 「あ、もう降りました。 バサッと飛び立って君達の頭上をかすめながら移動して、着地。」
バーン 「じゃあ、地面にいるんだ。 ならば…AC17!(DM「命中!」) 8点。」
アレクセイ 「先生の前に出るようにダブルムーブで位置取り。」
ユーヌ 「超小型か。 かすめ飛びされると前衛も後衛もないんだよな。 とりあえず弓を落とし、懐のポーチから”雷石”と”足止め袋”を出して5フィートステップ。」
DM 「で、こっちか。 飛行を開始しますが、バーンの”機会攻撃”を誘発します。 今バーンの頭の上あたり。」
バーン 「”機会攻撃”! AC7じゃあたらんなぁ。(笑)」
DM 「ではブラックドラゴン…名前は”ノーク”と言います。 それがバーンに<かすめ飛び攻撃>をしつつ『ノークは影さ、ノークはお前達の死さ!』とあざけりながら、AC24で攻撃。 4ポイント。」
バーン 「痛いな。」
DM 「で、方向転換して10ブロック移動。 アレクセイの前を通るので”機会攻撃”できますよ。」
アレクセイ 「や、遠距離攻撃しようと思って、ライトクロスボウを装備してましたから、できません。(笑)」
DM 「ノークは着地して、バーンに『なんて貧弱な鎧だろう。 ノークの立派な鱗とは比べ物にならないねぇ』。(笑)」
バーン 「まったくでごぜぇますよ。 ちょっとじわじわと何かこみあげてくるけど。(笑)」
スヴェン 「もう一回”マジックミサイル”。 5ポイント。」
DM 「もう1回用意してたのか。 痛いな。 次バーン。」
バーン 「真正面に陣取るとは、突撃しろと言っているようなもんだな。 突撃ー! AC15…アクションポイントを使って、21まで命中。 14点。」
DM 「13点じゃないの?」
バーン 「”マジックウェポン”があるから14点だよ。」
DM 「ああ、ヒットポイントがちょうどマイナス1。 ノーク撃墜ー。」
アレクセイ 「意外とあっけない。」
DM 「『ノークはお前達の影さ、ノークはお前達の死さ、死さ…死さ……(エコー)』 はい、ノークを倒しました。」
バーン 「やっぱり、”マジックミサイル”が効いたな。」
スヴェン 「ふふん。」
DM 「というわけで、そのあたりには金とか銀がキラキラと光ってますよ。 多くは貨幣で、あるのは12pp、754gp、1021sp、2435cp、指輪が1つ。 外套が1つ。」
バーン 「cpとか多いな。 持って帰れるのか?」
ユーヌ 「中荷重まで持てばなんとかなるんじゃね? それよりも、2435cpの中からppやらgpをより分けるのが大変だ。」
DM 「うーん、逃げる機会を逸したな。 一気に持っていかれた。」
アレクセイ 「やはり、ここの狭い通路から逃げるつもりだったんですね。」
DM 「ええ。」
バーン 「んじゃ、この死体をウルタールのアネさんに見せるか。」
DM 「はい。 ウルタールはちょっとホッとしたような様子を見せている。
ダラックスも倒れた今、この部族はウルタールが率いて穏やかに過ごすでしょう。」
バーン 「よかったよかった。」
アレクセイ 「蜘蛛は放っておいていいんですか?」
ユーヌ 「放っておこう。 別にこっちまで来て襲いかかってくるわけでもなさそうだし。 とりあえず、村に帰ろう。」
バーン 「そうだな。」
 
塚ふもとへの帰還
 
ユーヌ 「ってことで、ブラックドラゴンを倒してきたよ〜。 ゴブリンも、もう手を出さないと約束させてきたよ。 …誰がそんなこと信じるかー!(笑) もう一回行って来いって言われて終わりだ。」
DM 「もし必要なら、ウルタールが同行しますよ。」
アレクセイ 「そうしてもらえれば。」
バーン 「それより、ボスの首を持って帰ればいいんじゃないか?」
アレクセイ 「あと、このドラゴンの死体もね。」
DM 「それは説得力がありますね。」
バーン 「ゴブリン達には、また悪さをするようなら俺達が来るぞ、と脅しをかけておけばいいんじゃないか。」
DM 「では、まず村に戻るね。 君達を待ちかねたように、マリーおばさんやらアルヴェル・ダージダウンやら、アンディやらステンやらが聞いてきます。 『首尾はどうだったい!』」
バーン 「じゃあ、このボスの首と、ドラゴンの死体を見せる。」
DM 「『(ボスの首を見て)おおお。 …なんだい?この羽根の生えたトカゲは。』」
バーン 「聞いたことないか? ど・ら…」
DM 「『なんだってー?!』(笑)」
バーン 「このドラゴンが、ゴブリンどもにこの村を襲えと命令していたらしい。」
DM 「『そんなことが…なんて邪悪な。』」
バーン 「ブラックドラゴンって奴は邪悪らしいぞ。 なぁ、先生。」
スヴェン 「全くその通りでございます。」
ユーヌ 「ゴブリン達は、あとメスと子供たちしか残っていないはずだ。」
バーン 「前はここを襲ったりしなかったんだろ? その頃みたいに、平和に暮らすって言ってたぞ。」
DM 「『ほう。』」
バーン 「もしも約束を違えたら、『またあの連中を呼ぶ』とでも言ってやればいいんじゃないか?」
DM 「『全く、そのとおりだ。 いやぁ、大したもんだ。 それじゃあ約束の500gpだ。 受け取ってくれたまえ。』」
バーン 「ありがとう。 やー、結構えらい目にあったね。」
アレクセイ 「ええ、まぁ。」
DM 「というわけで、シナリオはこれで『完』です。 しかし、これでもぬるいかー。」
ユーヌ 「でも、数が多ければかなわない。」
DM 「色々スキップされちゃいましたからね。 たとえばこの部屋なんか、入口に”インフリクト・ライト・ウーンズ”のかかったバリアみたいなのがはってあって、中にスケルトンとゾンビがいたり、ここにグレイウーズがいたりするんです。」
ユーヌ 「グレイウーズは残飯整理係か。」
アレクセイ 「スケルトンとゾンビは対戦してみたかったなぁ。」
バーン 「本当に依頼だけをはたして帰ってきたって感じだな。 奥の方はウルタールに任せたって事で。」
アレクセイ 「そうですね。」
DM 「では、今日はここまで、ということで。」
一同 「お疲れ様でした〜!」
  
山形でTRPGやっちゃうよの会
第2回 D&D3.5Eセッション・完
 
バーン 「そういえば、宝物を鑑定しようぜ。 とりあえずリングと外套(クローク)と、ワンド2本かな。」
DM 「サミオルの所でできますよ。 一応色々仕入れてきたって事で。」
アレクセイ 「考えてみれば、僕も真珠は持ってるんだよね。」
DM 「なら、鑑定料の10gpだけで1こは鑑定できますよ。」
バーン 「いや、パーティ資金の方から出すさ。」
DM 「はい、ではリングが”リング・オブ・プロテクション”+1です。」
バーン 「おおー。」
DM 「外套はこれまた王道な”クローク・オブ・レジスタンス”+1。
ワンドは1本が”ロングストライダー”25チャージ。
ウルタールのは”マジックミサイル”10チャージ。 術者レベル1。」
バーン 「じゃ、”マジックミサイル”は先生で、”ロングストライダー”は売るかどうか…」
アレクセイ 「何かの役に立つかもよ?」
DM 「経験点は1人1070点です。 結構取り逃がしてるんですけどね。」
バーン 「うまいこと立ちまわったってことだろ。」
ユーヌ 「なんて最短ルートですか。」
DM 「最短には違いないですね。」
バーン 「とにかくボスの首を取ろうと動いたからな。」
ユーヌ 「で、レベルアップか。」
DM 「レベルアップの時のヒットポイント上昇は平均をとるか、ダイスを振るかで決めてください。
一度決めると以後変更できませんので、よろしく。」
バーン 「そりゃ、平均にしておくよ。」
DM 「振ると、意外と平均を下回るんですよね。」
アレクセイ 「ロマンがあった方がいいですよ。 よし、振る。 よっ…!1だ。(一同笑)」
バーン 「やっちゃったな。(笑)」
アレクセイ 「いやー、こうしてひ弱だから…と、キャラ設定に合いますよ。(笑)」
DM 「次で8を出せばいいんですよ。(笑)」
ユーヌ 「俺は平均にしよう。」
アレクセイ 「ロマンがありませんよ〜。」
スヴェン 「あ、私もヒットポイントはダイスを振りましょう。 …1。(笑)」
DM 「あらら、結構きついですね。」
スヴェン 「大丈夫大丈夫。 身の置き所さえ間違わなければ。」
アレクセイ 「回数をこなせば平均値に近づいて行くのは世の常ですからね。」
DM 「しかし、意外と簡単にやられちゃったなー。 今度はもっと大きいドラゴンを出したい。(笑)」


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