山形でTRPGやっちゃうよの会
D&D4版セッション 第2回
【スペルガルドの笏塔】

 

D&D GameDay 2009のテストプレイを終えたある日、余った時間で前回のセッションの続きを行う。
「山形でTRPGやっちゃうよの会」は時間を有効に使うサークルなのだ。
まぁ、その前にコンシューマゲーム系の話題で盛り上がっていた時間もあったような気がするが、それはそれで有効な時間の使い方なのだ。多分。
  
ファーレン 「前回は確か、冬篭りの準備をしなきゃいけないとか言ってたんだよな。」
リディア 「そうそう、そういうわけで、依頼を1つこなしたんだった。」
ファーレン 「でも、50GPしか儲からなかったんだよね。」
DM 「半分はポーションでもらっちゃいましたからね。」
シジス 「いや、+1ロングソードが手に入ってホクホクですよ。」
DM 「前回はレルム(フォーゴトン・レルム)の北西にあるウォーターディープの東、星山脈の麓にある”ネルカレン”村で冒険をこなしたわけです。
まだ9月下旬ではありますが、北方のこの地での季節はそろそろ冬に入ろうというところですね。
日によっては寒さが身にしみるようになってきました。」
ファーレン 「俺は南の砂漠生まれだから、雪なんて初めてなんだよな。 『うぉー、寒いぞ、なんだこれー!』と、雪をみて言ってます。(笑)」
シジス 「随分遠くから来たんだな。 ところで、僕らはそのネルカレンでのんべんだらりとしているわけですか?」
DM 「帰ってきて一週間くらいだと思ってください。」
シジス 「では、何かするなら、早く出かけたほうがいいと思うんですがね。」
ファーレン 「あれ、ここで一冬過ごすんじゃないの?」
シジス 「冬の間も稼がないと、ギリギリ暮らしても、その後がつらいかな?と。」
ファーレン 「じゃあ、俺の故郷に行く? あったかいぜ。」
シジス 「あったか過ぎる様な気がします。(笑)」
DM 「そうそう、今回はマルセルが休みで、代わりにねこたまさんが加入ということで、まずはキャラの自己紹介をお願いします。」
ねこたま(以下ラルヴァート) 「はい、名前はラルヴァート。 ドラゴンボーンの武闘系クレリック。 武器はダガーだけどね。
”セイクリッド・フレイム”など、対反応系のパワーも入れてますが、基本的には筋力対ACのパワーですね。
無限回パワー”ライチャス・ブラント”を使って味方の攻撃力に+4できます。」
シジス 「4つも上がるの?」
ラルヴァート 「うん、筋力修正分だから。」
シジス 「筋力18もあるのか。(笑)」
ラルヴァート 「あと5×5のドラゴン・ブレス。 それから”ヒーリング・ストライク”。
これが命中すれば味方が『なんと雄雄しいバハムートの力だ!』と言って回復力を1回使える。
遭遇毎のパワーで”アヴェイジング・フレイム”。
当たれば2倍の武器ダメージと[火]の継続ダメージ5点など。
汎用パワーは”ブレス”を取りました。」
DM 「はい。 では皆さんも一応自己紹介をお願いします。」
リディア 「ちゃらい撃破役です。 以上。(笑)」
ファーレン 「HFO! HFO!(ヒューマン・ファイター・男の略)
本当は寒いところは苦手なんだけど、なんでこんな北まで来てるんだろうと思いつつ。」
シジス 「こっちは味方を護ったり、味方を守ったりするのが得意です。(笑)
ダメージは期待しないで下さい。」
リディア 「範囲攻撃があるけどね。」
ファーレン 「範囲があるのは、シジスだけじゃない?」
ラルヴァート 「こっちもドラゴンブレスがあるよ。」
ファーレン 「ドラゴンブレスって、ダメージ大きいっけ?」
ラルヴァート 「いや、全然。」
シジス 「あまり、自己紹介になってませんでしたが。(笑)」
DM 「まぁ、やっていけばわかりますよね。(笑)」
シジス 「隊列を気にする必要があまり無いパーティなんですよね。」
リディア 「防御力はシジスが突出していて、あとは雨後の筍状態と。」
 
雪と山猫亭
DM 「はい、では始めますよ〜。
皆さんは<雪と山猫亭>というネルカレンの宿屋兼酒場でくつろいでいます。
ここでの滞在費は領主のトールマス持ちになっていますね。」
リディア 「それはありがたい。 でもみんなはどうするの?このままたかり続けるつもり?」
シジス 「いえいえいえ、我々も冒険者の端くれとして、人々の役に立たねば。」
ラルヴァート 「(宿の主人に)この近くに、竜の痕跡があると聞いたんだが…?」
ファーレン 「変な奴が入ってきた。」
ラルヴァート 「情報収集しにきたんだ。」
DM 「ホフガンドという、ここのドワーフの主人(42)が宿を切り盛りしているんですよね。
他の皆さんはどうしてます?」
リディア 「前回許しはもらったし、吟遊詩人として歌ってる。」
ファーレン 「俺は暖炉の前で毛布に包まってるぜ。(笑)」
シジス 「ジェナシらしく、瞑想してますか。」
DM 「はい、宿は冬も間近ということで、村人は準備に忙しいらしく、宿には他に人は殆どいません。
ホフガンドが夕飯のシチューの仕込をしていて、奥ではジェナシが瞑想し、吟遊詩人らしき女性がゆっくりと音楽を奏でています。
暖炉の前では人間の男性が毛布に包まりながら震えていると。(笑)」
リディア 「みんなくつろぎモードだ。(笑)」
DM 「ホフガンドにラルヴァートが話しかけると、『いらっしゃい、この辺では見ない顔だね。』と話しかけてきます。」
ファーレン 「俺も、ドラゴンボーンが入ってきたから、うろんげな目で見ちゃう。」
シジス 「ちらりと片目を開いて見るくらいですかね。」
リディア 「ドラゴンボーンだー。 くらいに思ってる。」
ラルヴァート 「ドラゴンボーンはそんなに珍しくは無いと思うけどね。」
DM 「まぁ、この付近ではちょっと少なめかもしれませんが。」
シジス 「ウォーターディープまで行けば、それなりにいるかもしれませんね。
クレリックだとすぐにわかる格好をしてるんでしたっけ?」
ラルヴァート 「聖印とかはぶら下げているだろうね。」
シジス 「では、話しかけてみましょう。 『旅のクレリックどのでありますか。』」
ラルヴァート 「ああ、このあたりに邪竜の痕跡があると聞いてきてみたんだ。」
シジス 「何? それは聞き捨てならないな!」
ラルヴァート 「いや、これは私の言い方が悪かったな。 バハムート以外の竜は全て邪悪であった。」
シジス 「いや、ちがうだろう!(笑)」
ラルヴァート 「バハムート以外は全て、悪巧みをしている!(と、思っている)」
シジス 「いい竜もいるだろう。」
ファーレン 「俺達は地元民(ジモティー)じゃないが、そんな話は聞いた事がないねぁ。」
リディア 「ないよね。 音楽をやめてちょっと首をひねるよ。 『それって自己否定してません?』」
ラルヴァート 「我らはバハムートの子である。 バハムートに従う竜は善なのだ。 従わない竜は滅ぼすのだ。」
リディア 「ふーん。 ちょっと生暖かい目で見る。(笑)」
ラルヴァート 「ドラゴンボーン自体は竜と敵対関係にあるからね。」
シジス 「それはいいとして、マスター(ホフガンド)、邪竜などという話はあったか?」
DM 「『いや、聞いた事がないねぇ。』」
 
ドラゴンボーンの部族によっては、かつて彼らを支配したドラゴンに対し、敵対心を抱いている者もいる。
ラルヴァートはそういった部族の出身らしい。
 
シジス 「うーむ、どうも君の知識は偏っている気がするが。」
ファーレン 「異端派なんだろう。」
シジス 「宗教なんて、そんなもんだろう。」
ファーレン 「宗教と民族はノータッチで。(笑)」
DM 「ちなみにマルセルは、前回の冒険の後、『所用』ということで、一足先に宿を引き払っています。
どこに行ったのかまではよく分からないですね。」
シジス 「戦の臭いをかぎつけたんだろう。」
ラルヴァート 「赤札がきたんだろ。」
ファーレン 「いやいや、俺達が危機の時にマスクして『危ない』って現れるんだよ。(笑)」
シジス 「マスクしていても、角としっぽでバレバレだけどね。(笑)」
ラルヴァート 「で、何かこのあたりでないのか? 主人。」
DM 「『まぁ、事件ならあったよ。 噂として広がるには早すぎるがね。 まぁ、それもこれも、そこにいる冒険者さんたちが片付けてくれたんだけどね。』」
ファーレン 「ちょっと自慢げにしてよう。」
リディア 「ところでマスター(ホフガンド)、この人の話は邪竜がどうこうではなくて、『竜の話がないか』と翻訳するのがいいんじゃないかしら?」
ファーレン 「住み着いているドラゴンの話はないかいって?」
リディア 「『そうだよね?』って確認してみます。」
ラルヴァート 「うん、まぁ、ドラゴンとは基本的に邪なるものではあるが…」
リディア 「(さえぎって)そうだってさ。(笑)」
DM 「『聞いた事がないねぇ。 少なくともこの辺りには住んでいない様だし、呪文荒廃以降では噂も聞かないな。』」
リディア 「だから、邪竜も、いい竜さんもいないそうですよ? と、話をまとめてしまおう。」
シジス 「まぁ、北のほうに行けば、ホワイトドラゴンくらいはいるかもしれんがな。」
ファーレン 「地下とかにもいるかもな。」
リディア 「地下ねぇ。 地上で泥棒ばかりしていたから、分からないなぁ。」
DM 「さて、そんな風にみんなが話をしていると、宿の扉が勢い良く開いて15歳くらいの女の子が入ってきます。
前回はちょっと影がうすかった…」
ファーレン 「孫娘か。 領主トールマスの孫娘、エミリアさん15歳。 前回メモしておいたんだ。(笑)」
シジス 「名前だけで、殆ど出てこなかった。(笑)」
DM 「そうそう、時間の都合上大幅に出番がカットされたエミリア嬢です(笑)。
彼女は酒場を見回すと、『いたいた、冒険者さん達!』」
シジス 「おや、これはエミリア嬢。」
DM 「『こんにちは、シジスさん』。 とちょっとひざを曲げて挨拶。
乗馬用の服装をしているので、ちょっと決まらないんですけどね。」
シジス 「あいかわらずまた、外に早がけにでも?」
DM 「『え、あのー、今日はあなた方を迎えに早がけしてきたんですよ。』」
シジス 「迎えに?」
DM 「『おじいちゃんの所にきてほしいの。』」
リディア 「またなにか、あったのかしら?」
シジス 「うむ、ひとまず行くか。 ここのメシも世話になっていることだしな。」
ファーレン 「外に出るなら、厚着に着替えるぜ。(笑)」
DM 「『あれ? そちらのドラゴンボーンさんは? 皆さんのお仲間?』」
シジス 「旅のクレリックだそうだ。」
DM 「『お仲間ではないの?』」
シジス 「お仲間ではないが、まぁ、知識は偏っているがいい奴だと思う。」
ラルヴァート 「偏っているとは…正しいことを知っている。」
リディア 「クレリックさんですからね。」
ファーレン 「秩序にして善のクレリックだって。」
リディア 「荒事の相談だったら、確かにあのクレリックさんについてきていただけると心強いですねぇ。」
ファーレン 「マルセルもいないしな。」
リディア 「で、荒事の話なんでしょうか?」
DM 「『多分ね。』と少し考えた後うなずきます。」
リディア 「どうです? そこのクレリックさん。 ドラゴンが関わっているかどうかは分からないけど、荒事の話はあるようですよ?
路銀を稼ぐ必要があるならば、ご一緒にいかが?」
DM 「では、エミリアも『よろしければ、いかがですか?』と。」
ラルヴァート 「ふむ、その行いは善なる事かな?」
DM 「『善なる事…だと思うわよ?』」
リディア 「硬いやり取りに、ちょっと笑っちゃう。」
DM 「『なにせ、レディの護衛なんですから。』」
シジス 「レディの護衛?」
DM 「『はい。』」
ファーレン 「自分の護衛といいたいのか?」
DM 「そのようですね。(笑)」
リディア 「それは、いいことですねー。(にっこり)」
シジス 「で、どうします?」
ラルヴァート 「ここで、邪竜の痕跡を探すという目的も達成できなかったことだし、私も付き合おう。」
DM 「『邪竜の痕跡? 何のこと?』とエミリア。」
リディア 「ああ、単に竜の話を聞いた事がないか、ただそれだけですよ。」
DM 「『ドラゴン? 絵本の中にならいるわねー。』」
リディア 「要するに、この辺にはあまりいないんだ。」
シジス 「そうポンポンいられても困りますけどね。」
リディア 「それはそうね。 じゃ、領主の館に行きましょうか。」
 
トールマスの依頼
DM 「はい。 では領主の館の、前回も通された応接室に通されました。
本来謁見室の役割も果たしているんですが、この村はあまり大きくないので、応接室といっても差し支えない大きさなんですよね。
皆さんが中に通されると、既にトールマスは席について待っています。」
リディア 「こんにちは。」
DM 「『ああ、よく来てくれた。』」
シジス 「ご無沙汰しております。」
DM 「『うん、この間は苦労をかけたの。』」
シジス 「…ご馳走になっております。(笑)」
DM 「『村の恩人だからね。 これくらいはさせてもらう。
さて、今日君達を呼んだのは他でもない。 君達にひとつ、頼まれごとをしてほしいのだ。』」
シジス 「レディの護衛と聞きましたが?」
DM 「うむ、エミリアを『ラウドウォーター』まで護衛して欲しい。 生き帰りですね。」
シジス 「(地図を見て)山脈をぐるっと迂回して、川を1本こえると、片道200マイルってところですかね。」
ファーレン 「200マイル? 結構あるなぁ。」
リディア 「でもウォーターディープとは反対側だからいいか。 私はかまわないけど?」
DM 「お嬢様づれなので、1週間くらいの旅だと思ってください。」
シジス 「まぁ、ラウドウォーターまで行くのはかまわないな。 他に異存もないようだし。」
ファーレン 「おぅ。」
シジス 「ここでウダウダしているのもどうかと思うので。」
ファーレン 「身体がなまるぜ。 ってな。 で、具体的に何しに行くの?」
リディア 「滞在期間は?」
DM 「滞在期間はちょっと不定。 但し、ラウドウォーターについたら1週間も滞在することはないだろうと、トールマスは考えています。」
リディア 「最大3週間というところか。」
DM 「で、何をしにエミリアをラウドウォーターに行かせるのかというと、前回皆さんはこの村の危機は救ったんですが、その原因となったのが、黒服の一団が墓に進入してアンデットを作り上げたせいですので、何故そんなことをしたのか、彼らがまた来ることはないのか、どういった人たちで、今どこにいるのかを知りたい。」
ファーレン 「うん。」
DM 「で、フォンシェイという人間の女性の占い師がこの村にいるんですが、彼女によると『何でも1つだけ、質問に答えてくれる巫女がいるらしい』んですね。
というわけで、その巫女に会って、黒服の一団について聞いて欲しいと。」
リディア 「なるほど。 確かにそれは護衛が必要ですね。」
シジス 「でも、1週間もかかるのかな? ラウドウォーターで人を探すのに。」
ファーレン 「順番待ちとか?」
DM 「実はラウドウォーター方面というだけで、街中にいるのか周辺にいるのか、その先なのかは分からないのだそうです。」
リディア 「名前は分かってるの?」
DM 「それも分かっていないようです。」
リディア 「えー。」
シジス 「まぁ、それだけの巫女なら、向こうで噂になっているでしょう。」
リディア 「多少は眉につばをつけていったほうが良さそうだけどね。」
DM 「で、最初はトールマス自信が行く予定だったんだけど…」
ファーレン 「持病のリュウマチが…!(笑) エミリア、代わりに行って来い! ってこと?」
DM 「そんな感じです。(笑) まぁ、エミリアが自分から行きたいと言ったんですけどね。」
シジス 「ただ一人で行かせるのは不安なので、我々をつけると。」
DM 「はい。 もちろん他に村の衛兵を2人、護衛につけさせていただきますけどね。」
リディア 「きっと村の衛兵が、パーティの男衆に対する護衛で、私達が外からの敵に対する護衛なんですよ。」
ラルヴァート 「パーティの男衆といっても…」
シジス 「ドラゴンボーンと、ジェナシの私は除外で…」
ファーレン 「はーい。」
シジス 「主にファーレンでしょうね。(笑)」
DM 「エミリアが行くことについては、最初トールマスは渋ったんですよ。
トールマスとしてはエミリアを危険な目に遭わせたくないという思いが強かったんですが、このまま箱入り娘で育てることにも疑問を感じているわけですね。
今後村の上に立つこともありえるわけですし。
そうすれば、使者として使者としてラウドウォーターまで行って、村を救う情報を持ってくれば、ハクがつくと。」
リディア 「悩ましいネェ、おじいちゃん。」
DM 「そこで、前回の冒険で信頼を得た君達に白羽の矢が立ったというわけですね。
というわけで、サブクエストとして”エミリアを守る”が出ています。」
ラルヴァート 「そっちがサブクエストなのか。」
DM 「メインは巫女の予言を聞いてくることですからね。」
シジス 「今後色々出てくるんでしょう。 さて、我々は旅に出るわけだが…何かと入用なものがあるわけで。」
リディア 「報酬の話もしないとね。 正直、3週間拘束されるということは、冬篭りの時間も3週間滞るというわけですからね。」
ファーレン 「忘れていたが、我々は冬篭りの為の資金を稼ぎにきてるんだからね。」
シジス 「我々もブラブラしているわけには行かないのですよ。 一週間くらいブラブラしていたけど。(笑)」
ファーレン 「いや、疲れてたから、ちょっとね。 中6日でないと投げられないんだよ。(笑)」
リディア 「3週間にふさわしい報酬がもらえればいいんだよね。」
DM 「『もちろん、ただでお願いしようとは思っていない。 まず往復の護衛に1人200GP。 行き帰りの食料は支給しよう。』。 
護衛の料金の半額は前払いでいいそうですよ。
行きの分の食料はこちらで支給しますが、帰りの分はエミリアにお金を持たせるので、向こうで買って支給することになるそうです。」
リディア 「エミリアは馬車?」
DM 「いえ、馬に乗っていくそうです。」
リディア 「悪いことは言いませんから、馬車くらい用意したほうがいいですよ?」
DM 「正直、たいした馬車も無いからなんですけどね。(笑)」
ファーレン 「大八車みたいなのとか。(笑)」
ラルヴァート 「メンツもあるので、ボロイ荷車で行かせるわけにはいかないと。」
シジス 「そういえば、ラウドウォーターってどんな町なのか、知っておきたいですね。」
DM 「ラウドウォーターはデンビリア川と灰色川の合流地点にある町ですね。
この町の北西には森に覆われた星山脈の峰峰が立ち上がっている。」
ラルヴァート 「あ、俺ここの出身だった。(笑)」
シジス 「地元民いるじゃん!(笑)」
ファーレン 「それは心強いな。(笑)」
DM 「ラウドウォーターは、このあたり一帯の中心都市みたいな感じですね。
産業としては木材と石の切りだしで、それらを運び出す舟運も盛んです。
町の周囲には高い城壁がめぐらされていて、野党やゴブリン、オークなど相手に、よく使われているようですね。」
ファーレン 「野党やゴブリンねぇ。 この辺は物騒なのか。」
DM 「ええ。 ですから、専門の冒険者のような強力な護衛がないと、不安なんです。
そしてラウドウォーターの人口は、増えたり減ったりを繰り返しながら、2000人前後を維持しています。
北方には高森と呼ばれる広い森が広がっており、南方には高湿原と呼ばれる湿原が広がっており、ここはモンスターが多い地帯として悪名高いですね。
東側には”堕ちたる地”というのが広がっています。 昔の空中都市が墜落した跡と言われています。」
リディア 「コロニー落としの跡かー。(笑)」
DM 「みなさん、〈事情通〉を振ってください。」
リディア 「20。」
シジス 「20。」
ラルヴァート 「住んでいたから〈歴史〉で振ってもいいかなぁ。」
DM 「どうぞー。」
ラルヴァート 「19。」
DM 「では”堕ちたる地”周辺の説明をしますね。
ラウドウォーターの周辺は、その物騒さから、まともな町はラウドウォーターしか町がありません。」
リディア 「泥棒の町はあるんだよね?」
DM 「山賊が拠点にしているような、ロークという町ならありますね。
ちなみに、西にあるウォーターディープは大都市ですが、治安のいい町と悪い町が区画を隔ててひとつになっているような町なんですよね。
さて、”墜ちたる地”はラウドウォーターの東側にある地域をさすんですが、ここは太古のネザリル帝国の下、大いなる空中都市が浮かび、富と繁栄を誇った地域でしたが、呪文荒廃の339年前にネザリル帝国が崩壊し、空中都市が墜落。
このあたり一帯に甚大な被害をもたらしたわけです。」
シジス 「墜ちた跡には色々ありそうですね。 近寄りたくねーけど。」
ファーレン 「ソード・ワールドRPGなら行くべき展開だけどね。」
シジス 「D&Dとしては、アンデットとか人造とか、野生化したクリーチャーに対処してからでないと、危なくていけませんね。」
DM 「危険なのは間違いないですね。 この周辺ではホブゴブリンの二部族が覇権をかけて争っているという話もありますし。」
ファーレン 「それが統一して、『人間どもを滅ぼせ!』って攻めて来るかもしれないんだね。」
DM 「そういう危険が無いわけではないですが、もう何で覇権争いをしているのか忘れられるほど遠い昔から争っているらしいですので、当分決着はつきそうもないですね。」
ファーレン 「なんにしても、あまり道から外れないように行こうぜ。 遺跡を見つけても寄り道しないように。」
DM 「ここで分かるのは、こんな感じですね。」
シジス 「では、準備もあるので、出発は明日でかまわないか? と領主に。」
DM 「『かまわない。 多少時間がかかるのはやむをえないだろう。 ゆっくりでも確実に頼むよ。』」
リディア 「ところで、お嬢様に旅の心得というか、『単独行動は慎むこと』とか、そういうのは教えておかなきゃいけないんじゃない?(笑)」
ファーレン 「あとは合図も決めておくとか。 まっすぐ進む合図とか、敵を見つけた合図とか、敵に見つかったけど、気付かないフリをする合図とか・・・・」
ラルヴァート 「それは、難しいかもしれないな。」
リディア 「お嬢様って、どんな服装?」
DM 「旅の間は乗馬服みたいな。 でもちゃんとした服もお付の人がロバに乗せて持っていくよ。 武器はありません。」
リディア 「武器は無いんだ?!」
DM 「一般人だもの。(笑)」
リディア 「えーっ。 まぁ、それはともかく、護衛の人たちとは顔合わせをしておきたいよね。」
DM 「もちろん、衛兵の中でもえり抜きの人が選ばれますよ。 英雄たる君達のようには戦えないけど。」
リディア 「…その衛兵の人と、密かに恋人関係とか、言わないよね?」
ファーレン 「これを機に、駆け落ち?!(笑)」
リディア 「う、本当に不安になった。 お嬢様にその衛兵の人のところに案内してもらって、そのときの状況をみて〈看破〉判定してみる。」
ファーレン 「そこまで心配するの?(笑)」
リディア 「それが一番嫌なんだもん。(笑)」


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