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”彼女”は、ついにグラムの武器の範囲から逃れる事に成功した。 鉄壁の防御を誇るグラムさえ抜いてしまえば、視界の届かぬ後方のエリアにいて、体力の劣る僧侶や魔術師を視界内に収める事ができる。
”彼女”の瞳には、相手を石に変えるという恐ろしい能力がある。
肉体の強いものであれば、グラムのように、その瞳に耐える事が出来るかもしれない。 だが、後方に居る女どもは、見るからに華奢な体つきではないか。
「勝った!」 その恐るべき瞳に魔力が宿る。 魔術師は自らの視界の届かない範囲に逃れたようだが、僧侶は悲愴な抵抗を試みるばかりだ。
今まさに、その魔力が放出されようとした時、稲妻を思わせる一撃が彼女を襲う。
そう、まさに稲妻のような速度で、雷の魔力を宿した大剣が叩きつけられたのだ。
「大丈夫か、アレクセイ?!」
大剣の主が僧侶の下へ駆け寄る。 ”彼女”の生死は確認するまでもなかった。
こうして、アンダーダークに居を構えるメデューサ、”ファディーラ”は討ち果たされたのだ。
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