石化の凝視
(文:そめいF)

第11回から、一部抜粋してSSにしてみました。


”彼女”は、ついにグラムの武器の範囲から逃れる事に成功した。
鉄壁の防御を誇るグラムさえ抜いてしまえば、視界の届かぬ後方のエリアにいて、体力の劣る僧侶や魔術師を視界内に収める事ができる。

”彼女”の瞳には、相手を石に変えるという恐ろしい能力がある。
肉体の強いものであれば、グラムのように、その瞳に耐える事が出来るかもしれない。
だが、後方に居る女どもは、見るからに華奢な体つきではないか。

「勝った!」
その恐るべき瞳に魔力が宿る。
魔術師は自らの視界の届かない範囲に逃れたようだが、僧侶は悲愴な抵抗を試みるばかりだ。

今まさに、その魔力が放出されようとした時、稲妻を思わせる一撃が彼女を襲う。
そう、まさに稲妻のような速度で、雷の魔力を宿した大剣が叩きつけられたのだ。

「大丈夫か、アレクセイ?!」
大剣の主が僧侶の下へ駆け寄る。
”彼女”の生死は確認するまでもなかった。

こうして、アンダーダークに居を構えるメデューサ、”ファディーラ”は討ち果たされたのだ。



【BACK】      【TITLE】 【HOME】